この項目では、東京港の橋について説明しています。その他の用法については「レインボーブリッジ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
レインボーブリッジ(Rainbow Bridge)は、東京都の港区芝浦地区と台場地区(港区台場および江東区有明)を結ぶ吊橋。1987年(昭和62年)着工、1993年(平成5年)竣工、同年8月26日開通[2]。
全長約800メートルの二階建て構造で、上部は首都高速11号台場線、下部は中央に新交通システム「ゆりかもめ」、その両側には一般道路と歩道が通っている[3]。
「レインボーブリッジ」の名前は「虹の橋」という意味で、一般公募により決められた愛称であり、正式名称は「東京港連絡橋」である[4]。
概要「首都高速11号台場線」も参照
千葉県方面および神奈川県方面から東京都心へ向かう交通を分散させ、慢性的な交通渋滞が発生していた箱崎ジャンクション・江戸橋ジャンクションや首都高速1号羽田線の渋滞緩和と共に、開発の進められていた東京臨海副都心と既存都心部を結ぶために建設された。橋梁としては芝浦側アプローチ部1465m(陸上部439m+海上ループ部1026m)+吊橋部918m+台場側アプローチ部1367m(海上部905m+陸上部462m)が一体で建設された[5]が、通常は吊橋部からアンカレイジ部の60m×2を除いた吊橋本体(P22-P25間)の798mをレインボーブリッジと称することが多い。
海とビル群の、昼間の眺望や夜景が良好な事から週末のドライブコースとして人気がある。
有明ジャンクション等付近のジャンクションの分岐点の看板は、レインボーブリッジ方面の分岐が強調されている。
構造吊橋部とループ橋部
東京港第一航路をまたぐために、中央径間長570m以上、桁下クリアランス50m以上を確保する必要があり、加えて羽田空港の制限表面にかかるため構造物高さを東京湾平均海面(T.P.)+150m以下としなければならない[5]。一方で両岸は埋め立て地で標高が低く、道路・新交通システムの縦断勾配の制約がある。
以上の諸条件を勘案し、加えて景観の条件を勘案した結果、航路部は吊橋とし、前後の高さを稼ぐための1kmを越えるアプローチ部(連続高架橋)とすることとなった。特に臨港道路・ゆりかもめの芝浦側アプローチはループ橋となっている。また、台場側のアプローチ部は水深約10mの海中に鋼管矢板基礎を打ち込み、そこから橋脚を立ち上げる工法を取っている[5]。
吊橋部は、幅員29m、中央径間570m、主塔の高さ126m。ただし、主塔は長大吊橋に見られるようなトラス構造ではなく、ラーメン構造となっている。主塔の基礎と台場側のアンカレイジはニューマチックケーソン工法で建設され、海上に建てられている。
通行路は瀬戸大橋や横浜ベイブリッジと同様、上下2層構造になっており、上層には首都高速11号台場線、下層には中央部に「ゆりかもめ」が、その両側に臨港道路海岸青海線[6]が通る鉄道道路併用橋である。なお、上層の首都高は台場側アプローチ部分に台場出入口が設けられている。
下層の両外側には歩道があり、無料で歩いて渡ることができる。自転車については、専用の貸し出し台車に載せて手押しでの通行が可能である[7]。詳しくは「レインボープロムナード」を参照。
上層部が有料の首都高速道路であるのに対して、下層部は無料で通行できる一般道路である。眺望は上層部に比べ、ゆりかもめの軌道があるため進行方向右側の景色が見えず、左側も橋げた、フェンスがあるため、見通しが悪いなど劣っている。また、下層部はkmモビリティサービスが運行する路線バス「お台場レインボーバス」(01・02系統 品川駅港南口発着)が経由するが、橋の途中に停留所はない。 設計当時、豪華クルーズ客船の象徴と言われていた「クイーン・エリザベス2」の通過・晴海埠頭(晴海客船ターミナル)への接岸を想定し、橋げたの高さは52メートルあるが、完成後に、クイーン・エリザベス2がレインボーブリッジをくぐることは一度も無かった。 クルーズ客船の大型化が進み、水面よりの高さが60 - 70メートルに達するものも登場しており、パナマックスサイズのクルーズ客船は、レインボーブリッジをくぐることができない(日本最大のクルーズ客船である「飛鳥II」はくぐることができる)。このため、レインボーブリッジ以南の貨物用埠頭である品川埠頭や大井埠頭を利用するクルーズ客船もあった[8]。 2020年、レインボーブリッジ以南の青海地区に、大型クルーズ客船の発着に対応した「東京国際クルーズターミナル」が開業。晴海客船ターミナルは2022年2月20日に閉館となり[9]、客船対応の暫定施設を設置した後、将来的には埠頭機能も縮小される予定となっている。
橋げたの高さ
各部位画像
台場側主塔(2009年3月10日撮影)
芝浦側主塔