レインボーフラッグ_(LGBT)
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6 色バージョンのレインボーフラッグは最も広く使われたバージョンである。1978年に作られた最初のデザインにはピンクターコイズの 2 色がさらに加わっていたが、製造上の理由により取り除かれた。

レインボーフラッグ(直訳: 虹の旗、英語: rainbow flag, LGBT pride flag, gay pride flag)はレズビアンゲイバイセクシャルトランスジェンダー (LGBT) の尊厳と LGBTの社会運動を象徴する旗。1970年代から使用された。フラッグに使われた色は LGBTコミュニティの多様性を表し、LGBT の権利パレードの一種ゲイ・パレード(プライド・パレード)でしばしば見られる。

このフラッグはアメリカ合衆国カリフォルニア州に発祥を持つが、今では世界中で使われている。1978年サンフランシスコのアーティストギルバート・ベイカーがデザインし、最初の改良で広く調達可能な布の色への変更を行った後に数度の修正が行われた[1][2]。2008年の時点で、最も広く使われているのは 6 色構成()のものである。
歴史
1970年 - 90年代.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1978年にギルバート・ベイカーがデザインしたオリジナルの 8 色バージョン。1978年 - 1979年のバージョンでは布地調達の問題からピンクが取り除かれた。6 色バージョンのものは 1979年から使われ始めた。藍色は青に変更されている。

オリジナルのフラッグはギルバート・ベイカーが手染めで制作し、1978年6月25日にサンフランシスコで行われた Gay Freedom Day Parade で使用された。

ベイカーはジュディー・ガーランドが歌った「虹の彼方に」に着想を得て提案をしたとされる[3]。別の説では、1960年代に大学キャンパスで世界平和の運動の際に使われた "Flag of the Races" の旗に起源があるとされている。この旗は "Flag of the Human Race" とも呼ばれ、5 色(赤、、黄、)で構成されていた。ベイカーは同性愛活動家のアレン・ギンズバーグに影響を大きく受けて、当時のヒッピームーブメントから借りたこの旗[4]からレインボーフラッグの着想を得たと答えている[5]

ベイカーは8色で構成されたこの旗の色にそれぞれの意味を込めた。

ピンク:sexuality (セクシャリティ)
赤:life (生命)
橙:healing (癒し)
黄:sunlight (太陽)
緑:nature (自然)
ターコイズ:magic/art (魔術 / 芸術)
藍:serenity/harmony (平穏 / 調和)
紫:spirit (精神)

30 人のボランティアが手染めと縫製を行い、2 本の旗がパレードのために完成した[6]

その年の11月27日に、同性愛者を公表していたサンフランシスコ市の市会議員のハーヴェイ・ミルクが暗殺され、レインボーフラッグの需要が高まった。この需要に対してベイカーの勤務先の Paramount Flag Company は手持ちの虹色の生地を使い 7 色(赤、橙、黄、緑、ターコイズ、青、紫)の旗を制作し、販売を始めた。ベイカーはピンクの生地の調達ができず、この色を省いて旗の制作枚数を増やした。Paramount Flag はまたこの時にサンフランシスコ市内の販売店にあったRainbow for Girlsの旗の余剰在庫も販売している[7]

1979年、サンフランシスコのマーケット・ストリートの街灯に旗を垂直に下げた際に中心の一色が柱で見えなくなるため、旗に修正が加えられた。1 色を省くことに決まり、ターコイズが外された。これにより 6 色(赤、橙、黄、緑、青、紫)のバージョンが完成した[7]

1989年ウェストハリウッドにあるアパートのバルコニーにフラッグを飾ろうとした住民が大家を訴えて勝訴したことでレインボーフラッグはアメリカ国外からも注目を集めた[8]幅が 9m のフラッグ。巨大なフラッグから切り取られたものが 2009年にメキシコシティのパレードで使われた。

ストーンウォールの反乱から 25年を迎えた1994年に、ベイカーは世界最大のレインボーフラッグの制作に取り組んだ[9]。この制作には数ヶ月がかかり、ボランティアチームが大きく関わった。フラッグは基本 6 色で制作され、幅は 9m になった。このフラッグはギネス・ワールド・レコーズで世界最大の旗として認定された。ストーンウォール記念イベントの終了後、フラッグの一部はイベントに出資した個人スポンサー達に贈られた。残りの大部分は活動家の手によって世界中のプライド・パレードや LGBT マーチへと送られ、使われた[9]。LGBT の人々皆が旗の持つ象徴性を知っているわけではないが、今日では LGBT プライドの安全を象徴する意味を持っている[9]
2000年代Queer Easterの時期にドイツヴェルヌヘンの Kurt Lowenstein の家にかかるレインボーフラッグ。2006年

2003年にベイカーは再び巨大なフラッグの制作を企画した。これはレインボーフラッグ自体の制作 25 周年を祝うもので、"25Rainbow Sea to Sea" と名付けられた。ベイカーとボランティアは再び制作を始めたが、この時はオリジナルの 8 色で制作され、長さは 1.25mi (2km) となり、大西洋からキーウェストを超えてメキシコ湾までを結んだ。この時の旗も切り分けられて、世界の 100 以上の都市に送られた。フラッグ 25 周年の記念で、同年6月に行われたプライド・パレードでベイカーは 8 色のフラッグを復活させ、他のデザインと同じように使ってほしいと述べた。しかしながら 8 色のフラッグはゲイコミュニティにはあまり広がらず、多くが馴染みのある 6 色を使い続けた。

2004年秋に、ロンドンのウェストミンスター区議会は区域内における様々なゲイビジネスに対して建築許可にないレインボーフラッグの取り外しを命令した。ある店舗が許可申請を行ったところ、翌年5月に設計部門委員会は委員長の採決によって却下され、ウェストミンスターの同性愛者議員やロンドン市長ケン・リヴィングストンが批判した。11月になりこの政策は撤回された。

今日では一部のLGBT個人やその支援者であるストレート・アライがレインボーフラッグを庭や門に、ステッカーなどを車に飾り、アイデンティティーの表明や支持を示すシンボルとしても使われている。
2010年代レインボーカラーでライトアップされたホワイトハウス。2015年6月

2015年6月、ニューヨーク近代美術館はデザインコレクションの一つとしてレインボーフラッグを収蔵した[10][11][12]


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