ルーンクエスト
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『ルーンクエスト(RuneQuest:略称は"RQ")』は、グレッグ・スタフォードが中心となって制作し、1978年ケイオシアムから出版されたファンタジーテーブルトークRPG。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と並んで、RPGの古典であるとされる。

1980年代中期頃、『ルーンクエスト』がケイオシアム社からアバロンヒル社へ売却され、アバロンヒル社より同ゲームの第三版が発行された。日本ではホビージャパン1987年から1994年までアバロンヒル社製英語版シリーズの一部を翻訳販売していた。

2018年にケイオシアム社より第四版が発行されている。目次

1 概要

2 ルール

2.1 キャラクター作成

2.2 命中部位

2.3 ストライク・ランク


3 世界設定

3.1 ファンタジー・ヨーロッパ


4 製品一覧

4.1 ルーンクエスト・ナインティーズ


5 関連項目

6 外部リンク

概要

『ルーンクエスト』は特定の世界(背景設定)に縛られるゲームではなく、ユーザーが自由に世界設定を構築してよいものとして作られているが、製作者のグレッグ・スタフォードらが用意した背景世界「グローランサ」を用いるのが一般的である。このグローランサこそが『ルーンクエスト』の人気を決定づけている。

グローランサは文化人類学神話学の手法を模した緻密で詳細な世界設定がなされており、架空世界の住人の信仰体系や文化的背景についてリアリティが追求されている。

第四版にあたる『RUNEQUEST ROLEPLAYING IN GLORANTHA』では、背景世界「グローランサ」で遊ぶためにシステムデザインが行われている。
ルール

ゲームのルールシステムは『クトゥルフの呼び声』や『ストームブリンガー』などと同じベーシック・ロールプレイングを採用されている。ただし、17世紀以前のヨーロッパについて研究する創造的アナクロニズム協会(The Society for Creative Anachronism, Inc)の調査結果に基づいた緻密な戦闘ルールを備え、他のベーシック・ロールプレイングのゲームに比べてもよりリアル指向のルール体系となっている。
キャラクター作成

プレイヤーキャラクターの作成はベーシック・ロールプレイングの基本に基づきスキル制に属する。

プレイヤーは、キャラクターの出身文化圏をまずはじめに決めて、その文化圏の人口分布の割合に応じた出自決定表を参照する。出自決定表はキャラクターの生まれた家の職業や地位を決定する表であり、サイコロによってランダムで決められる。この表は背景世界の設定に忠実に作られているため、たいていのキャラクターは高確率で農民階級出身になるようにできている。この出自でキャラクターの初期の技能が決定されるため、リアルである反面、まともに冒険に出られるキャラクターが非常に作りにくいという弱点も持つ(しかし、プレイアビリティを損ねてでも世界観のリアルさを追求するこのストイックさも人気の秘密である)。

近年のゲームではそう珍しくはないが、人間、エルフ、ドワーフと言った定番の人型種族以外に、トロールやドラゴンニュート、ダック(直立歩行するアヒルに似た種族)などどちらかと言えばモンスターに属する種族をプレイヤーキャラクターとすることができる。トロールは人間と並ぶ重要種族で、ドラゴンニュートとダックはルーンクエストが初出のオリジナルモンスターであり、いずれもルーンクエストを特徴付ける存在と言える。

また、グローランサを舞台にする場合は職業に加えてキャラクターが属するカルト(宗派)が重要になる。グローランサで特に神官などの職業についていない人間であっても、ほぼ全ての人口がなんらかの神話文化に属していて(無宗教であるなら無宗教の神話文化がある)、キャラクターはその神話文化によって独自の特殊能力(魔法や加護など)が得られるようになっている。

第四版ではドラゴン・パス地方の出身キャラクターを作成するようになっており、サーター王国出身ならば部族戦士や司祭、貴族などの冒険者向けの職業出身の選択を推奨している。
命中部位

『ルーンクエスト』の戦闘システムの特徴の一つが命中部位という概念である。『ルーンクエスト』では武器はキャラクターに命中した際、身体のどこの部分に命中したかをサイコロによって決定するようになっている。そしてヒットポイントはこの部位ごとに存在し、「与えたダメージは小さいが、命中した部分が頭だったので相手を即死させた」とか「大ダメージを受けたが、命中した部位が左腕だったので命は助かった。左腕は完全にひきちぎられたが、出血にさえ注意すればまだ戦える」などといったさまざまなシチュエーションの再現が可能になっている。
ストライク・ランク

『ルーンクエスト』の戦闘システムのもう一つの特徴がストライクランク(SR)である。

『ルーンクエスト』ではキャラクターの一挙一投足にストライクランクモディファイア(SRM)という時間コストが存在している。武器を準備するのは3SRMがかかる、移動は3mにつき1SRMが必要、などといったようにである。そして、1ラウンドは10SR(第四版では12SR)で構成され、キャラクターは自身のSRMの合計によって得られたSRで最終的に行動を処理する。このSRMとして表現される行動コストは、固定値のものもあればキャラクターの能力値から変化するものもあり、呪文を除き1複数のラウンドにまたがって行動を持ち越すことはできない。

ほかの一般的なTRPGと異なり、ルーンクエストはダイスによるイニシアティブ決定を用いない。SRMの合計によって算出されたSRの値そのものがイニシアティブを決定し、武器と防具を構えて対峙した戦士同士が単純に攻撃を繰り出しあうだけならば常に同じ順序で行動が解決される。また、自身が受けや回避などの防御行動を取れるようになる前に攻撃が命中した場合、それらに対する防御や回避をすることはできない。これらの条件を緩和するために、プレイヤーは自らの置かれた状況に応じて最善の戦術を選択する必要がある。たとえば敵の攻撃が早すぎて防御できない場合、そのアドバンテージが武器の間合いによって得られているのなら、「敵の懐に飛び込んで武器のリーチを無効にする」ことで、決定したSRMの合計に関わらず、敵よりも早く行動ができるようになる、という具合である。

『ルーンクエスト』のゲームでは1ラウンドに行う行動は、毎ラウンドの開始前に事前に宣言しておく必要がある。もしも行動をラウンド進行中に変更したいならば、そのたびにストライクランクを何点か追加する必要がある。このルールと上記のような戦術オプションの組み合わせにより、互いの戦術を先読みすることが必須になり、高度な対人戦闘を実現している。
世界設定

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年9月)

グローランサは多くのファンタジーRPGが持つような「指輪物語の亜流のような、中世ヨーロッパを模した世界」とは大きくイメージが異なる非常にユニークな世界である。グローランサは様々な要素を渾然一帯と持つ世界であり、そのイメージを一言で語ることはできない。世界の詳細な解説はグローランサの項目にゆずり、ここではグローランサがテーブルトークRPGのゲーマーにとって魅力的に写るとされる要因について解説する。

一般的なRPGでは、架空の神格はその司る力や教義が定められ、信仰する聖職者に対して与えられるゲーム上の特典がデータ化されるといった程度にとどまるものが多いが、グローランサにおいては、神格にまつわる様々な神話的エピソードが付与され、その神話的エピソードと絡めて、他の神格との対立・協力関係なども定義されていく。

例えば、嵐のパンテオン主神オーランス(Orlanth)については、太陽の皇帝イェルム(Yelm)に対して天宮の支配権をめぐって舞踏、魔術、音楽で勝負を挑むが、いずれも勝負はイェルムの勝ちと判断されたという。その後、オーランスはイェルムを弑逆し、神々の王の地位を手に入れるが、世界は暗黒に包まれ、オーランスとその仲間たちは冥界に下って、イェルムを復活させる探索に乗り出すことになる。

前者は日本神話においてスサノヲアマテラスに対する暴虐が世界の暗黒を招いたエピソードにも通じるし、後者はギリシャ神話オルフェウス日本神話イザナギによる冥府行に類似している。これらは、特に日本神話などの特定神話を元にしているというよりは(作者のグレッグ・スタフォードは特に日本神話には詳しくないという)、人類に共通する神話的モティーフを拾い集めて結合した結果であるといえる。

こうした神話的挿話は、細部について異なったバージョンが流布されており、場合によっては(意図的に)相互に矛盾するように記述されている。前述のオーランスとイェルムとが争うエピソードについても、それぞれの神を主神とする民族の立場に偏った神話が存在する。これが行き着いたところが『グローランサ年代記』であり、グローランサの住人が書いたという体裁を取った架空の歴史書として出版されたが、この作品も他の資料との記述の矛盾などから、(グローランサ世界における)偽書ではないかとの見解が示されるなど、ユーザーサイドも巻き込んだ架空神話体系の展開が広がっている。

また、基本的にプレイヤー・キャラクターの信仰する側の神であるオーランスなどが、単純で一面的な正義の神として描かれていないのも特徴的である。オーランスを信仰する人々は歴史上のゲルマン人のような蛮族であり、オーランスはその民族神であって、数々の英雄的活躍はこなすものの、太陽神の弑逆に見られるように乱暴で無思慮な神として描かれることも多い。しかし、その神の性格はそのまま、彼を信仰する蛮族たちのライフスタイル、理想の男性像を反映しているとも言える。

こうした複雑で魅力的な信仰体系に加えて、敵役として、ローマ帝国を髣髴とさせる巨大帝国(ルナー帝国)を配置して奥行きを増している(グレッグ・スタフォードはそのモティーフをサーサーン朝ペルシャであると語っている)。


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