ルル_(風邪薬)
[Wikipedia|▼Menu]

ルル(Lulu)は、第一三共ヘルスケア風邪薬を中心とした風邪関連製品のブランドネームである[注釈 1]。同社の登録商標(第590192号ほか)である。
概要

「ルル」は昭和26年(1951年)に三共から発売された。「嵐が静まる」という意味の英語のLuluが名前の由来となっている[1]。ルル以前に日本国内で一般的だったかぜ薬はアスピリンサルファ剤が主成分だったが、ルルはアメリカで効果を上げていた抗ヒスタミン剤のなかで眠気やだるさなどの副作用が出にくいトンジルアジンを主剤とし、解熱鎮痛剤としてアスピリンフェナセチンカフェインの3成分を加えるAPC処方を導入した、従来にないかぜ薬として売り上げを伸ばした[1]

日本国内で発売されている風邪薬の中では歴史が古く、1951年2月に発売された「ルル」から数えて、2020年時点で70年目を迎えている。当初は単に「ルル」と発売されていたが、その後、風邪薬の処方強化やバリエーションを増やし続けており、現在は風邪薬にとどまらず、鎮咳去痰薬・口腔内消炎薬・点鼻薬も発売されているほか、コンビニエンスストア等に向けた指定医薬部外品(うがい薬、のど清涼剤、ビタミン含有ドリンク剤)も発売されている。

当初は三共が発売するブランドだったが、2006年4月に第一製薬と統合したことで「ペラック」を扱うようになり、さらに2007年4月にゼファーマを吸収合併したことで、旧山之内製薬の「カコナール」と旧藤沢薬品工業の「プレコール」も加わったことで当社の風邪薬ブランドは「ルル」を含め4ブランドとなった。それぞれのブランドで特徴が異なり、棲み分けがされていることもあり、2023年時点でも4ブランド全て併売されている。2023年8月時点で22品目(販売店限定品・配置用製品を除く)が発売されており、当社が扱う風邪薬ブランドの中でも品目数が多く取り揃えられている。

なお、TVCMは民放開局時から放映されており、CMソングも継続されており、ルルのTVCMは歴代のイメージキャラクターを「ルル娘[2]」と呼ぶほど女性の起用が通例であるが、派生シリーズの「ルルアタック」では男性が起用されたことがあった。そして2009年、本家である「新ルルA」シリーズにプロゴルファー・石川遼が第20代目のイメージキャラクターとなり、「ルルアタック」ブランドを除く「ルル」のCMに初めて男性を起用。反対に、「ルルアタック」シリーズは「ルルアタックEX」の発売に伴い、女優天海祐希をイメージキャラクターに起用した。2015年に「新ルルA」シリーズのイメージキャラクターが女優の有村架純に交代となり、6年ぶりに「ルル娘」が復活することとなり、2018年には「ルルアタック」シリーズのイメージキャラクターが9年ぶりに交代となり、松本潤が起用された[3]
製品
かぜ薬関連

総合かぜ薬

新ルル-A錠s【指定第2類医薬品】 - 錠剤(糖衣錠)タイプ。2015年12月に「ルルA」シリーズのロングセラー品である「新ルル-A錠」をリニューアル。包装容量を従来の60錠・110錠・180錠から50錠・100錠・150錠にそれぞれ減容してメーカー希望小売価格を値下げするとともに、「新ルル-A錠」で配合されていた
リゾチーム塩酸塩を省く代わりに、ノスカピンの含有量をOTC医薬品として配合できる最大量に増量(36mg/9錠→48mg/9錠)した。2018年2月に用法・用量が改訂され、服用年齢が従来の6歳以上から12歳以上に引き上げられた。2024年3月からは原材料や資材価格などにおける価格の高騰を理由に、希望小売価格を据え置いたままで容量が10%減容(50錠→45錠、100錠→90錠、150錠→135錠)された(容量ごとに順次自然切替)[4]

新ルルAゴールドs【指定第2類医薬品】 - 2015年7月発売。「新ルル-A錠s」の処方をベースに、去痰成分をグアヤコールスルホン酸カリウムからブロムヘキシン塩酸塩に代え、副交感神経遮断成分のベラドンナ総アルカロイドを追加した錠剤(糖衣錠)タイプ。従来発売されていた「新ルルAゴールド」の処方を変更(リゾチーム塩酸塩に替え、ブロムヘキシン塩酸塩を配合)したリニューアル品である。「新ルル-A錠s」同様に2018年2月に用法・用量が改訂され、服用年齢が従来の7歳以上から12歳以上に引き上げられた。

新ルルAゴールドDXα【指定第2類医薬品】 - 2021年8月発売。「新ルルAゴールドDX」の処方をベースに、鎮咳成分のジヒドロコデインリン酸塩をデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物に変えたことで服用年齢を7歳以上に引き下げた製品。なお、「新ルルAゴールドDX」から継続してラインナップされていたPTP包装の45錠が2023年12月をもって製造を終了したため、瓶包装(30錠・60錠・90錠)のみのラインナップとなる。

ルルアタックEX【指定第2類医薬品】 - 2009年8月発売。錠剤タイプ(2種類の抗炎症成分(トラネキサム酸イブプロフェン)が配合されたのど風邪用の青いパッケージ)。アルミPTP包装採用。「ルルA」シリーズとは異なり、製剤工夫により1回2錠の服用としている。2019年8月にパッケージデザインが変更された。(製造販売元:滋賀県製薬)

ルルアタックEXプレミアム【指定第2類医薬品】 - 2022年8月発売。「ルルアタックEX」の処方をベースに、イブプロフェンを600mg(9錠中)に増量するとともに早く溶けやすくする「スピードアタック製法」が採用され、ビタミンB1を硝酸塩のチアミン硝化物から誘導体ベンフォチアミンに変更。また、クレマスチンフマル酸塩・ブロムヘキシン塩酸を省く代わりに、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩と無水カフェインが配合された。なお、服用量は1回3錠となる。

ルルアタックNX【指定第2類医薬品】 - 2015年8月発売。PTP包装の錠剤タイプ(鼻汁分泌抑制成分(ベラドンナ総アルカロイド)・抗ヒスタミン成分(クレマスチンフマル酸塩)・解熱鎮痛成分(イブプロフェン)が配合された鼻かぜ用の緑のパッケージ)。「ルルアタックEX」同様、1回2錠の服用としている。2019年4月にパッケージデザインが変更された。2022年8月に発売当初から設定されていた18錠の製造を終了したことで、12錠と24錠の2包装となった。

ルルアタックNXプレミアム【指定第2類医薬品】 - 2022年8月発売。「ルルアタックNX」の処方をベースに、ベラドンナ総アルカロイド・クレマスチンフマル酸塩・ブロムヘキシン塩酸塩・ベンフォチアミン(ビタミンB1誘導体)を省く代わりに、トラネキサム酸・ヨウ化イソプロパミド・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩・ヘスペリジンビタミンP)が配合され、イブプロフェンを早く溶けやすくする「スピードアタック製法」を採用した。(製造販売元:佐藤薬品工業

ルルアタックCX【指定第2類医薬品】 - 2020年8月発売。PTP包装の錠剤タイプ(去痰成分(L-カルボシステイン)・2種類の鎮咳成分(ジヒドロコデインリン酸塩・ノスカピン)・気管支拡張成分(dl-メチルエフェドリン塩酸塩)が配合されたせき風邪用の紫のパッケージ)。「ルルアタックEX」や「ルルアタックNX」同様、1回2錠の服用としている。2022年8月に発売当初から設定されていた18錠の製造を終了したことで、12錠と24錠の2包装となった。

ルルアタックCXプレミアム【指定第2類医薬品】 - 2022年8月発売。「ルルアタックCX」の処方をベースに、イブプロフェンを600mg(9錠中)に増量するとともに早く溶けやすくする「スピードアタック製法」が採用され、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩をクロルフェニラミンマレイン酸塩に差し替えた。なお、「ルルアタックEXプレミアム」同様、服用量は1回3錠となる。

ルルアタックFXa【指定第2類医薬品】 - 2017年8月発売。PTP包装の錠剤タイプ(2種類の解熱鎮痛成分と生薬成分が配合された熱風邪用の赤いパッケージ)。従来の「ルルアタックFX」の処方をベースに、アセトアミノフェンと無水カフェインの分量を減らし(アセトアミノフェン:900mg/9錠 → 450mg/6錠、無水カフェイン:90mg/9錠 → 75mg/6錠)、麻黄エキス・ケイヒ末・カンゾウエキス・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物・グアイフェネシン・ニンジン軟エキス・ベンフォチアミンイソプロピルアンチピリン(ピリン系)・グリチルリチン酸・チペピジンヒベンズ酸塩・ノスカピン・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・アスコルビン酸ビタミンC)に差し替えた。また、用量も変更し、成人(15歳以上)は1回3錠から1回2錠に、11歳以上15歳未満は1回2錠から1回1錠(7歳以上11歳未満の場合と同量)に減らした。2019年7月にパッケージデザインが変更された。2022年8月に発売当初から設定されていた18錠の製造を終了したことで、12錠と24錠の2包装となった。(製造販売元:滋賀県製薬


漢方薬

ルル内服液(麻黄湯)【第2類医薬品】 - 2000年7月発売。麻黄湯が主成分の液体タイプ。(製造販売元:田村薬品工業


口腔・咽喉薬

ルルのどスプレー【第3類医薬品】 - 2012年8月発売。ジェルタイプののどスプレー。(製造販売元:東興薬品工業)


鎮咳去痰薬

ルルメディカルドロップ【指定第2類医薬品】 - 2012年8月発売。ドロップタイプ。フレーバーはグレープ味(ルルメディカルドロップG)、はちみつレモン味(ルルメディカルドロップH)、オレンジ味(ルルメディカルドロップO)の3種類。(製造販売元:高市製薬)


うがい薬

ルルうがい薬a【指定医薬部外品】 - ミニボトル入り。2015年9月に添加物の一部変更(アルコール香料をハアセチルしょ糖とエタノールに変更)と希望小売価格を値下げ(本体価格:476円→473円)するリニューアルを行い、「ルルうがい薬(販売名:ガラガンうがいぐすり)」から商品名を改名。東亜薬品から製造を引き継ぎ自社製造となった。


のど清涼剤


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:41 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef