ルパン三世_1$マネーウォーズ
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ルパン三世
1$マネーウォーズ
ジャンル単発テレビアニメ
原作モンキー・パンチ
脚本柏原寛司
監督殿勝秀樹
声の出演栗田貫一
小林清志
井上真樹夫
増山江威子
納谷悟朗
小山茉美
中田譲治
松本梨香 ほか
言語日本語
製作
プロデューサー山下洋(NTV)
尾ア穏通(TMS)
制作日本テレビ(企画・制作)
製作トムス・エンタテインメント(製作・著作)

放送
放送国・地域 日本

初回放送
放送期間2000年7月28日
放送枠 金曜特別ロードショー
回数1回

番組年表
前作ルパン三世 愛のダ・カーポ?FUJIKO'S Unlucky Days?
次作ルパン三世 アルカトラズコネクション
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『ルパン三世 1$マネーウォーズ』(ルパンさんせい ワンダラーマネーウォーズ)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第12作[1]2000年7月28日日本テレビ系の『金曜特別ロードショー』にて放送された。視聴率は19.7%。
概要

ナポレオンレーニンヒトラーなど世界の歴史的指導者の手から手へ渡り歩き、それを手に入れたものは「世界の王」になれるといわれている「幸運のブローチ」をめぐって、ルパンと投資銀行頭取シンシアとの争奪戦が展開する。作品の舞台は放送当時ITバブルに沸くアメリカが中心で、ルパンがノートパソコンにインストールした古代文字の翻訳ソフトを使用したり、悪役の女性が新興の投資銀行の社長だったりするなど、時代の世相を反映している。また、戦闘も悪役ではなく傭兵が主体で、タイトル通り経済戦争を彷彿とさせている。

本作はセル作画・フィルム撮影で制作された最後の作品であり、20世紀における最後のルパン三世のアニメ作品でもある。

劇中の冒頭では、ルパンは競売の会場から逃亡する際、会場にいた参加者全員に自分の顔のマスクを被せ「ルパン三世 (TV第1シリーズ)」の19話「どっちか勝つか三代目」のオマージュに近い演出が行われている。またそのマスクはTVシリーズから劇場映画に至るまで、様々なデザインの物が使用されていた。

本作のゲストマドンナキャラクターは事実上2名体制となっており、一方はTVスペシャルで比較的登場する少女タイプ、もう一方は大企業のトップである成熟した女性であり、敵役でありながらルパンに恋心を抱く微妙な心境が描かれている。

前半では、飛行機に変形できるスバル360が登場し、オープニングのカーチェイスや、その後の尾行などに使用されたが、ドアの開き方は実車とは異なっている(実車の場合、ドアの蝶番は後部にあるが、ルパンのものは前部に付いていた)。

シリーズ恒例のテーマソング「ルパン三世のテーマ」については、97年バージョンをDJよしお(現・DJ440)リミックスした「ルパン三世のテーマ'97(Readymade 440Mix)」として使用された。

制作会社が現在のトムス・エンタテインメントに社名変更してから最初の『ルパン三世』のアニメ作品でもある。
制作

殿勝秀樹が、監督としては初登板した。抜擢された殿勝は、本シリーズのファンでほぼ全作品を視聴していたことから「アニメーションのルパン像」が強く印象に残っていたが、監督を務めるにあたり「自分の思っているルパン像とは何なのか」を考えるため、原作を読み「アニメで描かれたルパン像をいったん取り外して、自分がルパンのどこにかっこ良さを感じるのか」を再考した。そこで、以下の方針を立てたという。

近作はサブキャラクター中心の話が多いため、ルパンを中心にした話を作る。

アウトローだからかっこいい「泥棒としてのルパン」を描く。また、ルパンの魅力である「本音を絶対喋らないこと」にこだわり、言動が一致するような台詞廻しは避ける。

トレジャーハンターになりつつあるルパン達が「泥棒(=人のものを盗み取る)」であることを再確認するため、人のものだとはっきりわかり、現実世界でも不況により皆が欲しがっている「金」をストーリーの軸にする。

殿勝は後に「簡単に言ってしまえば、1ドルで負けて1ドルで勝つという話なんです。だからこそ、泥棒としてのルパンの本質を描けるんじゃないかと思ったんです」と語っている。

柏原寛司が5年ぶりに脚本を手がけた。柏原のリクエストにより、舞台がニューヨークになったという。

キャラクターデザインには、殿勝と組むことが多い田中良が担当した。

本作から、長年撮影監督を務めた長谷川肇が降板している。また、この作品から『TV第2シリーズ』(1977年)もしくは1989年のTVスペシャル第1作『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』よりほぼ変わらなかった中核のスタッフが流動的になる。
あらすじ

1カラットもない安物の指輪「マルケスの記念指輪」がニューヨークオークション会場に出品される。オークショニアーも期待していない中、一人の紳士と電話を通して入札する謎の人物との激しい競り争いになり、最終的に紳士が百万ドル入札したところで、電話の人物が百万と1ドルで競り勝つ。そこにルパンがオークションに現れるという情報を得て会場にやってきた銭形警部が現れる。警部は紳士の正体がルパンだとすぐに見抜くが、ルパンは煙幕を用いた上に指輪を奪い現場から逃亡する。ところが、駐車場にて指輪を狙う謎の男たちに襲われ、命からがら逃げ出すものの指輪は横取りされてしまう。

場末のバーにてルパンは次元大介と落ち合い、指輪はそのバーの歌手で、将来に歌手として成功を夢見るサンディにプレゼントするものだったと明かす。しかし、それは自分たちを見張っている者たちへ指輪の秘密に気づいていないと思わせるためのブラフであった。ルパンは次元に指輪の正体が歴史上様々な独裁者の手に渡った「幸運のブローチ」と呼ばれるお宝を発見するためのものだと教える。ブローチは第二次世界大戦直後の混乱の中で行方不明となっていたが、実はその謂われを知るリック・フィッシュバーンという歴史学者が隠してしまったという。そしてルパンたちは、その自分たちの様子を監視していた謎の男の後を尾行し、急成長著しい世界的な大手投資銀行「バンク・オブ・ワールド(BOW)」が黒幕だと知る。オークションの電話の人物かつ指輪を狙っていたのはその頭取を務める若き女傑シンシア・F・クレイモフであり、ルパンを襲ったのは彼女に雇われた元スペツナズのアレクセイ・ナビコフであった。ルパンは指輪の秘密を知らなかったと報告するナビコフに対し、シンシアはルパンが自分たちを見張っていることにすぐに気づく。銭形を利用してルパンを迎え撃とうとするが、石川五エ門も加えたルパン一味は、銀行の金庫室を正面から破り、指輪を再度奪い出す。その上で、ルパンはシンシアを人質に取り、屋上へと脱出する。先手を打ったナビコフとその部下たちに追い込まれる中で、ルパンはヘリコプターを奪い、最後にシンシアに別れの口づけを行い、ビルから離脱する。しかし、指輪よりも愛するシンシアの唇を奪ったことに許せないナビコフは狙撃によってルパンの左胸を撃ち抜き、そのままルパンはヘリより転落し、葬儀中の教会に落ちる。間もなくナビコフもやってきて落下したルパンの死体を確認し、指輪を取り返してその場を去る。

ルパンの死を悲しむ銭形はICPOに辞表を提出する。一方、次元と五エ門、そしてバンク・オブ・ワールドの投資詐欺で巨額の財産を失った峰不二子は、ルパンの敵討ちとしてナビコフを殺そうとする。しかし、ナビコフはルパン残党を狩るためにあえて待ち受けており、3人は追い込まれてしまう。身動きできない中、ナビコフは時限爆弾をセットして撤退するが、そこに謎の男が現れ、次元らを助け出して脱出する。その男は、ルパンの葬儀を執り行っていた神父であった。次元たちが困惑の表情を浮かべる中、神父は正体を明かす。神父の正体はルパンだった。実は、ルパンはナビコフの銃撃を受けるも、直前に次元から返されたワルサーP38が銃弾をブロックしたため傷1つ負わっておらず、更に特製のエアバッグを仕込んでいたため、ヘリから転落するもこれまた無傷で難を逃れたのであった。ルパンの死体と思われたその正体は、たまたま落ちた教会で行われていた葬儀で棺に納められていた男の死体であり、ルパンはこの死体を自分そっくりに変装させることで、ナビコフに任務の成功を信じ込ませたのだった。ルパンは「幸運のブローチ」を手に入れ、またBOWに報復するとして中南米の小国カリ島へと向かう。

カリ島は未開発の大きな海底油田が眠っていると言われており、石油で一山当てようという者たちが集まる島であった。そして実はサンディの故郷でもあり、ルパンたちと時を同じくして帰郷し、地元のバーの歌手となっていた。一方、ルパンらに先立ってシンシアはスイスを訪れ、指輪を加工した職人の息子である時計屋に会いに行っていた。そこで指輪に密かに刻まれていた暗号文章を知り、謝礼として小切手を渡す。ところが店主はルパンの変装であり、ルパンもまた暗号を手に入れる。再びシーンはカリ島に戻り、ルパンはBOWを出し抜くためとして、一攫千金を夢見て50年に渡り掘り続けるもまったく油が出ない「リッチマン石油」を格安で買い取る。そして油が出たという近隣の油田から密かにバイパスを設けて、それを掠め取り、あたかも油田を掘り当てたかのように見せかける。情報を聞きつけ世界中の投資企業がルパン達から油田の利権を買おうとする中、そこにはBOWもいた。また、ルパンは並行して古代マヤ文字で書かれた暗号の謎を解こうとし、やがてブローチの場所は、現在は国立病院となっている旧フィッシュバーン邸のベッドルームだと知る。

一方、シンシアはカリ島の軍部と手を結んで他の産油国と共に世界中で戦争の火の手を上げ、それによる世界混乱を利用して大規模な経済的収益を挙げることを目論んでおり、そのためには莫大な石油と独裁者に成功をもたらすというブローチが必要であった。


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