ルパン三世_ワルサーP38
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ルパン三世
ワルサーP38
In Gedenken an die Walther P38
ジャンル単発
テレビアニメ
原作モンキー・パンチ
脚本米村正二
監督矢野博之
出演者栗田貫一
増山江威子
小林清志
井上真樹夫
納谷悟朗
篠原恵美
内海賢二
津嘉山正種 ほか
音楽大野雄二
オープニング大野雄二ルパン三世のテーマ'97」
エンディング篠原恵美「瞳を忘れないで」
製作
プロデューサー中谷敏夫(日本テレビ)
尾崎穏通(キョクイチ東京ムービー)
制作日本テレビ
キョクイチ東京ムービー

放送
放送国・地域 日本

初回放送
放送期間1997年8月1日
放送時間金曜21:03 - 22:54
放送枠金曜ロードショー
放送分114(本編92)分
回数1

再放送(みんなが選んだルパン三世・TVスペシャル)[1]
放送期間2021年10月22日
放送時間金曜21:00 - 22:54
放送枠金曜ロードショー
放送分114分
回数1

番組年表
前作ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
続編ルパン三世 炎の記憶?TOKYO CRISIS?
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『ルパン三世 ワルサーP38』(ルパンさんせい ワルサーピーさんじゅうはち、In Gedenken an die Walther P38)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第9作。1997年8月1日日本テレビ系の金曜ロードショーで放送された。視聴率は21.8%(ビデオリサーチ)。
概要

ルパン三世生誕30周年記念作品であり、坂上みきによる冒頭の解説ではTVスペシャル史上最高額(1997年当時)の予算をかけて製作されたことが語られている。また、本作から大野雄二が音楽担当に復帰しており、製作に合わせて「ルパン三世のテーマ'97バージョン」を編曲、オープニングとして初使用された。

プロデューサーの中谷敏夫によると、本作は企画段階から『(ルパンの)一番大切なもの』について考える事になり、ワルサーP38をテーマにした作品作りをするに至ったという[2]

登場人物のブラックユーモアも交えた軽妙な会話はシリーズ通りだが、コミカルなシーン自体は少なめな一方、流血表現と暴力シーンが多く、終始緊張感のあるシリアスかつダークな作風に仕上がっており、ゲストヒロインを筆頭に、ルパンファミリーを除くほとんどの登場人物が死亡するなど、バッドエンドとも解釈できるエンディングとなっている。また、今までのOPでは相手から逃亡する側だったルパンが、この作品では相手を追跡する側になっているなどシリーズ中では異色の作品となっている。

この作品でのルパンの衣装のカラーリングは赤いジャケットを羽織り、劇場映画第1作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』と同じ黒いシャツに黄色のネクタイ、黒いズボンの組み合わせであった。一方で不二子の髪の色は前年に放送されたTVスペシャルシリーズ第8作『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』同様に金髪であった。

テレビスペシャルシリーズの中ではファンからの人気が高い作品の一つで、YouTubeで行われた「視聴回数」&「いいね」の数で決まる人気投票では第3位を獲得した[3]2021年に金曜ロードショー公式サイトでルパン三世アニメ化50周年を記念して実施したファン投票企画『みんなが選んだルパン三世』のTVスペシャル部門で第1位に選ばれ、同年10月22日に同枠で再放送された。平均世帯視聴率は、7.5%[4]
あらすじ

自分の名を騙った偽の予告状の真相を確かめるべく、ルパン三世は某国副大統領の誕生パーティーに潜入するが、謎の武装集団が現れ、副大統領を暗殺してしまう。ルパンを逮捕するため会場にいた銭形警部もまた、彼の目の前で何者かが撃った凶弾に倒れる。ルパンが銃撃者を確認しようとすると、窓から突き出たシルバーメタリックのワルサーP38を握った右手のみが見え、その甲にはタランチュラ刺青が入っていた。シルバーメタリックのワルサーP38は、駆け出し時代のルパンの得物であったが、当時の相棒に裏切られ、奪われたものであった。

タランチュラの紋様から、ルパンは武装集団の正体が、密かに各国から支援を受ける「タランチュラ」と呼ばれる謎多き暗殺組織だと推測する。報復とワルサーP38の謎を追うため、相棒の次元大介と共に、彼らの本拠地の島があるバミューダトライアングルへと向かう。島は静止衛星によるレーザー砲で守られており、未確認の侵入者を破壊するという(この海域で行方不明になる飛行機や船が多い理由)。レーザーを回避するも早々に島に侵入したことがばれたルパンと次元は、会場でも見かけた若い女性暗殺者エレンなどの殺し屋たちと相対するが、うまく彼らの追跡を躱す。島には既に峰不二子と石川五ェ門も潜入しており、合流して情報交換を行う。島内には暗殺報酬のための大量の金塊があると言い、ルパンらはこれを盗むことを決める。

一方、銭形は奇跡的に一命を取り留めていた。銃弾がかつてルパンが使用していた銃から発射されたものだったことから、ICPOは銭形を撃った犯人はルパンだと断定しており、彼は否定するも取り合ってもらえない。銭形は急いで復帰しようとし、新たな相棒ビッキーに「タランチュラ」について調べるように命令するが、ICPO上層部はそんな銭形を煙たがり、療養のためとして体よく田舎に追い払ってしまう。

タランチュラのボスであるゴルドーは、エレンやジャックら幹部に、ルパンを生け捕りにするよう命じる。エレンの前に再び現れたルパンは、そのまま捕まり、ゴルドーの元に連れていかれる。ルパンは、(タランチュラの構成員全員がそうであるように)島内から噴出する特殊なガスを吸い続けないと活性化して数時間以内に死ぬ特殊な毒を注射され、タランチュラの構成員にさせられてしまう。やがてルパンは、エレンから「タランチュラ」の支配から抜け出したい穏健派の秘密拠点を紹介される。同じく幹部クラスのボマーやドクターも関わっており、毒の解毒剤を作成し、静止衛星を破壊して、盗み出した金塊を積み込んだ大型船で島外へ逃げ出す計画を立てていた。このうち、解毒剤の作成のためにルパンは毒の組成表を盗み出し、一方で次元や五ェ門はボマーらと金塊のある金庫室までのトンネルを掘る。

組成表を基にドクターは解毒剤の作成に成功し、盗み出した金塊の積み込みも終わる。後は暗殺任務を受けたルパンとエレンが仕事に向かう振りをして、静止衛星の管理基地に向かい、エレンの亡き弟が作成したプログラムで自爆させるだけとなった。島外にて解毒剤を服用したルパンとエレンの右手の甲からタランチュラの紋様が消え、エレンはマスク越しではない空気を吸い込み、自由を実感する。そして管理基地に潜入したルパンとエレンであったが、なるべく殺しを避けたいことが仇となってエレンが重傷を負う。それでも衛星の管理装置にたどり着き、プログラムを実行させるが、自爆にはなぜか1時間の猶予がつけられていた。予定時間に自爆していないことを知らない仲間たちが島外に出ようとすればレーザーの餌食となるため、急いで2人は戦闘機で島に戻ろうとする。しかし、その途中でなぜか毒が復活して活性化を始め、操縦席のエレンが意識を失うなどの危機に見舞われる。

一方、そうとは知らない島内では予定通り次元・五ェ門・不二子と穏健派たちが行動を起こす。ところが陽動の為の威力を抑えた爆弾以外にも、大量の爆弾が仕掛けられており、大量の人間が爆死し、島は大混乱に陥る。ルパンとの通信も何者かに妨害されており、衛星の情報は伝わらなかった。さらにジャックやホークを率いたゴルドーも現れ、船上で双方入り乱れての激しい乱戦が始まる。その中で、不二子は金塊が偽物であることに気づき、次元・五ェ門に伝えて急いで船から飛び降りる。そのまま衛星の監視海域に入った船はレーザー砲の直撃を浴び、乗っていた者たちごと爆沈する。

瀕死のゴルドーが世界各国の要人たちとの映像会議に現れ、ルパンにやられたと報告する。直後、要人たちが見ている画面の枠外からシルバーメタリックのワルサーP38を持った腕が現れ、ゴルドーの側頭部を撃ち抜き、通信が切れる。各国は「タランチュラ」を切り捨てることを決定する。一方、実はゴルドーは生きており、その傍らにはシルバーメタリックのワルサーP38を持ったドクターがいた。実はすべて最初から2人が計画したものであり、自分たちの死を偽装し、罪をルパンに擦り付け、金塊を強奪するというものであった。やがて衛星は自爆し、ゴルドーは本物の金塊を積み込んだ脱出用の飛行船へ向かいつつ、金塊を独り占めにするためドクターも始末しようとする。しかし、ドクターは初めからゴルドーを殺害して自分が金塊を独り占めにする算段であり、逆にゴルドーを射殺した。

そこに島に帰還できたエレンが現れ、ドクターの本性を知る。さらには彼が弟にプログラムの書き換えを強制し、殺した犯人だということも教えられる。ルパンも到着し、ドクターがかつて自分を裏切った相棒だと既に気づいていたことなどを明かす。ドクターはエレンを人質にとって飛行船に乗り込み、ルパンが後を追う。一方、次元・五ェ門・不二子は、島の原子炉に仕掛けられた爆弾を解除するため奔走する。飛行船が島の領域から出てガスが薄まったことで毒が活性化してルパンとエレンは再び苦しめられ、さらに彼女はルパンを庇って致命傷を負う。それでもワルサーP38を取り返し、ドクターを追い詰めるが、彼は本物の解毒剤を取り出し、取引を持ち掛ける。しかし、2人はこれを無視し、一緒に構えたワルサーP38で彼の眉間を撃ち抜き、死体は本物の解毒剤と大量の金塊と共に海に落下していった。エレンはルパンに、弟や仲間の仇を討ちたかった自分の我儘に付き合ってくれたことに感謝し、息を引き取る。

戦い終えた後、ルパンは銭形たちにタランチュラの情報をリークしており、銭形率いる警官隊と大勢の報道記者が島に向かう。そんな中、ルパン一味は完全な解毒剤を作るために必要な毒の成分と解毒剤完成までの生命線であるガスを飛行船に載せ、島を飛び立つ。その直後、エレン姉弟の墓から光の鳥が現れ、ルパンが飛行船からシルバーメタリックのワルサーP38を投げ捨てるのを見届けた後、天に飛び立っていった。
登場人物
レギュラー
ルパン三世
世界的な大泥棒。報復とシルバーメタリックのワルサーP38の因縁にケリを付けるため、タランチュラの本拠地に潜入する。途中でわざと捕まり、タランチュラの構成員となる。
次元大介
ルパンの相棒。ルパンと共にタランチュラの本拠地に潜入する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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