ルパン三世_くたばれ!ノストラダムス
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ルパン三世
くたばれ!ノストラダムス
監督
伊藤俊也(総監督)
白土武(監督)
脚本柏原寛司
伊藤俊也
原作モンキー・パンチ
製作ルパン三世製作委員会
NTVVAPNTV-MNTV-V・NTV-S・TMS
製作総指揮漆戸靖治
出演者栗田貫一
山田康雄
小林清志
井上真樹夫
増山江威子
納谷悟朗
安達祐実
小松方正
檀ふみ
音楽大野雄二
主題歌坂上伊織「愛のつづき」
配給東宝
公開 1995年4月22日
上映時間98分
製作国 日本
言語日本語
前作劇場版シリーズ:ルパン三世 バビロンの黄金伝説
劇場公開及びOVA:ルパン三世 風魔一族の陰謀
次作ルパン三世 DEAD OR ALIVE
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『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』(ルパンさんせい くたばれ!ノストラダムス)は、1995年4月22日に公開されたモンキー・パンチ原作のアニメルパン三世』の劇場映画第5作。キャッチコピーは「今世紀最大の犯行予告」。
概要

完全な劇場用新作として、『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』以来10年ぶりに製作された作品で、当初はOVAとして企画された後に劇場版として先行公開された前作『ルパン三世 風魔一族の陰謀』からは、8年ぶりの新作となる。製作は1989年に始まった日本テレビ系で放送されているTVスペシャルの高視聴率を受けたものである。

内容は湾岸戦争後のアメリカの覇権を意識したものであるが、カルト教団が予言に従って自作自演のテロを行うというストーリーが、結果的にオウム真理教事件と同時進行する形となって一部で話題になった[1][2]。監督の伊藤俊也は本作の仕上げのため録音スタジオに向かう際に地下鉄サリン事件発生直後の霞ヶ関駅を地下鉄で通過し[3]、事件前日に死去した主演予定の山田康雄の訃報を伝えるワイドショーは事件の速報に切り替えられた。本作はそうした空気の中で制作と公開が行われ、後年発売されたビデオグラムルパン三世 Master File』では、この状況について「阪神・淡路大震災地下鉄サリン事件といった、現実の出来事と奇妙なシンクロを見せる結果になった」と評している。

年代設定は公開時より4年後の1999年とされ、冒頭で表記されているほか、劇中では公開時開催前であった「アトランタオリンピック開催後…」という台詞も登場する。予告編でもルパンのナレーションで「世紀末に、何かが起こる」とある。

本作は翌1996年に公開された劇場映画第6作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』の公開前夜祭として、4月19日に総監督の伊藤俊也が再編集したTVスペシャルバージョンが『金曜ロードショー』でワイドクリアビジョン放送された。スタジオにはルパン三世役の栗田貫一が登場し、エンディングは他局の映画番組の「さよなら、さよなら、さよなら」のモノマネで締めている。
制作

監督は当初、東京ムービー加藤俊三による「アニメ監督でなく実写映画の監督を立てたい」との意向から、文芸担当の飯岡順一による推挙の元、ハードボイルド映画を多数手掛けた村川透にオファーが行われた。村川と飯岡・東京ムービーの間で幾度かの打ち合わせの場が設けられ、脚本担当として丸山昇一を紹介するなど村川は乗り気だったが、日本テレビ側プロデューサーによる人選で総監督に伊藤俊也、アニメ担当の監督に白土武が起用された[4][5]。村川を推薦していた飯岡は、伊藤俊也に総監督が決定したのは日本テレビ側プロデューサー伊藤響の実父だったためではないかと推測している[4][注 1]

「くたばれ!ノストラダムス」のサブタイトルは伊藤の命名による[3]

アニメの実制作は、東京ムービー傘下のテレコム・アニメーションフィルムが行なった。そのため、演出の富沢信雄や絵コンテの友永和秀など直接の制作であるテレコムスタッフに外部の白土と伊藤が付くというややこしい制作体制であったといい[7]、伊藤とテレコム側に考え方のズレがあったため不和が生じる一幕もあった[5]。このことに関して、伊藤によると問題になったのは、ジュリアが演説中に夫ダグラスを非難する心理的な変貌をアニメで描こうとしたことだった。このような描写はアニメでは不得手であることから猛反発を受けたが、伊藤はあえて嫌味を交えながらスタッフを挑発し、結果的に彼らは自分の注文に応えるべく工夫を凝らしてくれたと讃えている[3]。一方、テレコム側の大塚康生は「号令するだけで『あとは頼んだよ』という感じでした」と伊藤のアニメへの姿勢を疑問視しており[8]、「実写の大監督が乗り込んで来てシナリオをチェックしただけで、一切の変更を許さず、何もしないで去ってゆきました」とも語り、本作でテレコムが大きなダメージを受けたことから、その後のテレコムはルパン作品(テレビスペシャル)への参加を一切拒否していると2003年のインタビューで語っている[9]。そのためか、本作以降は2007年放送の『ルパン三世 霧のエリューシヴ』まで約12年間、テレコムがルパン作品に携わる事はなかった。

キャラクターデザインは『ルパン三世 (TV第1シリーズ) 』に近いものになっているが[1]、これは作画監督の八崎健二は自分とって『ルパン三世』とはTV第1シリーズであるため意図せずとも自然とこうなったと説明している[10]

当時テレコムを率いてた大塚康生によると、本作の制作期間は8カ月でスタッフは徹夜も辞さずに作業を行ったという[11]
あらすじ

1999年第1の月、地中海原子力潜水艦が爆発事故を起こす。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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