ルノードー賞
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ルノードー賞
Prix Renaudot
テオフラスト・ルノードー (1586-1653)
受賞対象小説
開催日11月初旬
会場レストラン「ドルーアン(フランス語版)」(パリ2区)
フランス
報酬なし
初回1926年
最新回2019年
最新受賞者シルヴァン・テッソン(フランス語版), La Panthere des neiges
公式サイト ⇒http://prixrenaudot.free.fr
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ルノードー賞、またはルノドー賞(Prix Renaudot)は、ゴンクール賞フェミナ賞メディシス賞アンテラリエ賞と並んで、フランスでの最も権威ある文学賞の一つである[1]

17世紀のジャーナリスト、テオフラスト・ルノードー(フランス語版)にちなんで、1926年文芸評論家・ジャーナリストらによって制定された。
概要

ルノードー賞の名前の由来となったテオフラスト・ルノードー (1586-1653) は、ジャーナリスト、医師、慈善事業家であり、ルイ13世治下の1631年リシュリューの支援を得てフランス最古の新聞の一つ『ラ・ガゼット(フランス語版)』を創刊したことで知られる(1915年終刊)[2]

ルノードー賞は、1925年のゴンクール賞(1903年創設)の発表を受けて、10人の文芸評論家・ジャーナリストらによって創設された(初回翌年)。彼らは、権威あるゴンクール賞の審査・選定の偏りを批判し、これを補正するためにもう一つの賞が必要であると考えたのである[3][4]

こうした経緯から、毎年11月初旬に、パリ2区にあるレストラン「ドルーアン(フランス語版)」で、ルノードー賞受賞者とゴンクール賞受賞者の発表が同時に行われる。両賞の受賞者が同じであった場合は、ルノードー賞受賞者もう一人選出する[3]

ゴンクール賞の賞金は10ユーロ、ルノードー賞は賞金はないが[3]、受賞作は平均22万部の売上増となる[4]

1992年に「高校生のルノードー賞」が創設された。これは、テオフラスト・ルノードー友の会が高校生のゴンクール賞(1988年創設)に倣って、ルノードーの生誕地ヴィエンヌ県ルーダン(フランス語版)の高校生(リセの学生)のルノードー賞を創設しようと提案したことに端を発する[5]。さらに、2001年に「随筆(評論)ルノードー賞」[6]、2009年に「ペーパーバック版ルノードー賞」[7]が創設された。
論争受賞発表が行われるレストラン「ドルーアン」(パリ2区)

2007年に受賞をめぐる論争が起こった。候補に挙がっていなかったダニエル・ペナックの『学校の悲しみ』が受賞したからである。実際、『学校の悲しみ』が出版されたのは(11月初旬のルノードー賞受賞作発表の数週間前の)10月末であったが、もう一つ、『学校の悲しみ』は狭義の小説ではなく、自伝(または自伝的小説)である[8]という問題も指摘された[9]。候補に挙がっていたクリストフ・ドネール(フランス語版)は、審査委員長のフランツ=オリヴィエ・ジスベール(フランス語版)が、1995年にゴンクール賞を逃したことで、ドネール候補作『束の間の王』の出版社であるグラセ社に恨みを抱き、審査員を「操った」のだと批判した[9]。ジスベールは、「実際、候補に挙がっていない作品が選ばれたのはこれが初めてである」と認めたうえで、「(ドネールは)スケープゴートが必要なだけだ。実際、(当時の審査員の)ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオやパトリック・ベッソン(フランス語版)のような偉大な作家を操れると思うのか」と抗議した。この結果、決定に変更はなく、ドネールはメディシス賞をはじめとし他の賞の候補にも挙がっていた『束の間の王』をすべて取り下げた[10]
審査員

2019年現在の審査員は、フレデリック・ベグベデ、ジョルジュ=オリヴィエ・シャトーレノー(フランス語版)、パトリック・ベッソン、ドミニク・ボナ、ジェローム・ガルサン(フランス語版)、ルイ・ガルデル(フランス語版)、クリスティアン・ジュディセリ(フランス語版)、ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ、ジャン=ノエル・パンクラジ(フランス語版)である[11]
ルノードー賞受賞作家・作品一覧

年受賞作家受賞作品邦訳(映画化)
1926アルマン・リュネルNicolo-Peccavi ou l'Affaire Dreyfus a Carpentras
1927ベルナール・ナボンヌ(フランス語版)Maitena
1928アンドレ・オベイ(フランス語版)Le Joueur de triangle
1929マルセル・エイメLa Table-aux-creves
1930ジェルメーヌ・ボーモン(フランス語版)Piege
1931フィリップ・エリヤ(フランス語版)L'Innocent
1932ルイ=フェルディナン・セリーヌVoyage au bout de la nuit『夜の果てへの旅』生田耕作訳、中央公論新社 (改版) 2003年
1933シャルル・ブレバン(フランス語版)Le roi dort
1934ルイ・フランシス(フランス語版)Blanc
1935フランソワ・ド・ルー(フランス語版)Jours sans gloire
1936ルイ・アラゴンLes Beaux Quartiers『お屋敷町』(20世紀の文学 - 世界文学全集11)橋本一明訳、集英社、1967年
1937ジャン・ロジサール(フランス語版)Mervale
1938ピエール=ジャン・ローネ(フランス語版)Leonie la bienheureuse
1939ジャン・マラケ(フランス語版)Les Javanais
1940ジュール・ロワLa Vallee heureuse『幸福の谷間』金子博訳、新潮社、1955年。
1941ポール・ムッセ(フランス語版)Quand le temps travaillait pour nous
1942ロベール・ガイヤール(フランス語版)Les Liens de chaine
1943アンドレ・スービラン(フランス語版)J'etais medecin avec les chars
1944ロジェ・ペルフィット(フランス語版)Les Amities particulieres『特別な友情』(未訳)、ジャン・ドラノワ監督映画『悲しみの天使
1945アンリ・ボスコ(フランス語版)Le Mas Theotime
1946ダヴィッド・ルーセ(フランス語版)L'Univers concentrationnaire
1947ジャン・ケロール(フランス語版)Je vivrai l'amour des autres「他人の愛を生きん」上総英郎訳、主婦の友社『キリスト教文学の世界5』(1979年) 所収
1948ピエール・フィソン(フランス語版)Voyage aux horizons
1949ルイ・ギユー(フランス語版)Le Jeu de patience
1950ピエール・モレーヌ(フランス語版)Les Orgues de l'enfer
1951ロベール・マルジュリ(フランス語版)Le Dieu nu『ヴィナスを追うもの』望月芳郎訳、新潮社、1957年
1952ジャック・ペリーL'Amour de rien
1953セリア・ベルタン(フランス語版)La Derniere Innocence
1954ジャン・ルヴェルジ(フランス語版)Le Passage
1955ジョルジュ・ゴヴィ(フランス語版)Le Moissonneur d'epines
1956アンドレ・ペラン(フランス語版)Le Pere『父』佐藤房吉、泉田武二共訳、東都書房、1957年
1957ミシェル・ビュトールLa Modification『心変わり』清水徹訳、岩波文庫、2005年


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