ルウベンスの偽画
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ルウベンスの偽画
著者
堀辰雄
イラスト装幀:江川正之
発行日1933年2月1日
発行元江川書房
ジャンル短編小説
日本
言語日本語
形態上製本

ウィキポータル 文学

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『ルウベンスの偽画』(るうべんすのぎが)は、堀辰雄短編小説。堀辰雄が自ら処女作と呼んでいる作品で[1]、21歳のときに過ごした軽井沢での美しい印象を主体にして、恋愛心理を分析的に描いた作品である[2][3]。夏が終わりつつある高原避暑地を舞台に、密かに「ルウベンスの偽画」と名付けて恋慕っている「彼女」と、「刺青をしたのように美しいお嬢さん」への交錯した青年の恋愛の心理を綴った物語。関係が思うように進まない「自分の目の前にいる少女」と、思い描く理想の「心像の少女」への恋愛心理の分析や意識の流れが、堀独特の特徴的な美しい文体で描かれている[2][4]

『ルウベンスの偽画』は、堀が初めて訪れた軽井沢の鮮烈な印象と、その2年後の夏に滞在した思い出を美化して作品化したものだが[2][3]、堀は自作について、ボードレールの散文詩『スープと雲』の「雲」のようなものへの思いを凝縮させて成ったものが『ルウベンスの偽画』であるとしている[1]
目次

1 発表経過

2 作品背景

3 人物設定

4 文体・作風

5 あらすじ

6 登場人物

7 作品評価・解説

8 おもな刊行本

9 脚注

9.1 注釈

9.2 出典


10 参考文献

11 関連項目

12 外部リンク

発表経過

1927年(昭和2年)、雑誌『山繭』2月号(第2巻第6号)に初稿(前半部。文末に「断片」の語入り)が掲載され、1929年(昭和4年)、雑誌『創作月刊』[注釈 1]1月号(第2巻第1号)にその改稿が掲載された[5]。その翌年の1930年(昭和5年)、雑誌『作品』5月号(創刊号)に定稿(全文)が掲載された[5]

初稿の改稿版(前半部分のみ)は、1930年(昭和5年)7月3日に改造社より刊行の『不器用な天使』に収録され、完成された定稿版(全文)は、1933年(昭和8年)2月1日に江川書房より単行本刊行された[5]


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