ルイ=フェルディナン・セリーヌ
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ルイ=フェルディナン・セリーヌ
Louis-Ferdinand Celine
1932年撮影
ペンネームルイ=フェルディナン・セリーヌ
誕生1894年5月27日
フランス共和国クールブヴォア
死没1961年7月1日
フランスムードン
職業作家
医者
国籍 フランス
活動期間1932年-1961年
ジャンルフランス文学
主題リアリズム
文学活動実存主義
代表作『夜の果てへの旅
デビュー作『夜の果てへの旅
配偶者リュセット・アルマンゾール
影響を与えたもの

多くの実存主義者村上龍中上健次間章阿部薫 (サックス奏者)大江健三郎ジャン=ポール・サルトルロラン・バルトレーモン・クノージム・モリソンなど

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ルイ=フェルディナン・セリーヌの墓標

ルイ=フェルディナン・セリーヌ(Louis-Ferdinand Celine フランス語: [selin] ( 音声ファイル), 1894年5月27日-1961年7月1日)は、フランスの作家、医者。著書に『夜の果てへの旅』『なしくずしの死』など。本名ルイ=フェルディナン・デトゥシュ(Louis-Ferdinand Destouches)。
人物

若き日のサルトルボーヴォワールを熱狂させ、実存主義にも大きな影響を与えた。

ゴンクール賞の候補にもあげられた処女作『夜の果てへの旅』や『なしくずしの死』『戦争』『ギニョルズ・バンド』(「フェルディナン三部作」「前期三部作」と呼ばれる)は過激な内容や卑語・俗語を交えた文体で知られる。

反ユダヤ主義の文書を書いたこともあり、第二次世界大戦の前後に『虫けらどもをひねりつぶせ』『死体派』『苦境』などの反ユダヤ的な評論や政治的パンフレットを数多く書いた。そのため戦後には国家反逆罪の疑いで逮捕状が出され、デンマークなどで亡命生活を送った。

特赦後に発表した作品は注目されなかったが、亡命していた時期の生活を虚実交えて描いた『城から城』、『北』、『リゴドン』(「亡命三部作」「戦争三部作」「ドイツ三部作」「後期三部作」などと呼ばれる)は好評を博した。

代表作である『夜の果てへの旅』は各国で翻訳され広く読まれているが、上記の反ユダヤ文書などは未亡人によって現在でも出版が差し止められており、国書刊行会より出版されている日本語版全集でしか読むことができない。

賛否両論の分かれる作家であるが、トロツキーヘンリー・ミラーロラン・バルトレーモン・クノーカート・ヴォネガット中上健次などがフェルディナン=セリーヌを評価している。

『夜の果てへの旅』『なしくずしの死』の朗読やインタビューを録音したレコードがCD化されており、自作自演のシャンソンなども収録されている。
年譜

1894年 
パリ西郊近郊のクールブヴォアで生まれる。

1899-1907年 パリ2区パサージュ・ショワズール (Passage Choiseul) の64-67番地にかけて居住。同地に母親がブティックを開業していたため。

1912年 18歳で志願兵として入隊。

1914年 右腕を負傷、叙勲。入院ののち翌年除隊。

1919年 エディット・フォレと結婚。

1922年 パリ大学医学部に編入。

1924年 『ゼンメルヴァイスの生涯と業績』により博士号を取得。

1932年 『夜の果てへの旅』を出版。大反響を呼び、一躍文壇の寵児となる。

1936年 『なしくずしの死』を出版。前作とは一転して非難の嵐を浴びる。

1943年 リュセット・アルマンゾールと結婚。

1944年 デンマークへの亡命のため出国。

1945年 コペンハーゲンでフランス政府の要求により拘禁。

1950年 第二次大戦中の対独協力の罪で有罪判決。

1951年 第一次大戦中の軍功により特赦、帰国。

1957年 『城から城』を出版。文壇に返り咲く。

1961年 『リゴドン』の脱稿直後、脳卒中でたおれる。

著作
小説

1930年代

Voyage au bout de la nuit, Denoel & Steele, Paris, 1932.

夜の果てへの旅生田耕作訳、中公文庫(上下), 1978、改版2003. (生田訳・初刊版は『世界の文学42 セリーヌ』中央公論社, 1964)

『夜の果てへの旅』高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品1」, 1985.


Guerre, Gallimard, Paris, 2022.(1933年から1934年にかけての執筆。2021年に発見された遺稿)

『戦争』森澤友一朗訳、幻戯書房「ルリユール叢書50」, 2023.


Londre, Gallimard, Paris, 2022.(1933年から1934年にかけての執筆。2021年に発見された遺稿)

Mort a credit, Denoel & Steele, Paris, 1936.

「なしくずしの死」滝田文彦訳『世界の文学7 セリーヌ』集英社, 1978.

『なしくずしの死』上下、高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品2・3」, 1978。河出文庫(上下), 2002.


Casse-pipe, editions Chambriand, Paris, 1949.

「戦争」石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』, 国書刊行会, 1984.

1940年代

Guignol's band, Denoel & Steele, Paris, 1944.

『ギニョルズ・バンド』高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品4」, 1995.

1950年代

Feerie pour une autre fois I, Gallimard, Paris, 1952.

『またの日の夢物語』高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品5」, 1991.


Normance : Feerie pour une autre fois II, Gallimard, Paris, 1954.

『ノルマンス またの日の夢物語II』梅木達郎訳、国書刊行会「セリーヌの作品6」, 2002.


D'un chateau l'autre, Gallimard, Paris, 1957.

『城から城』高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品7」, 1979.

「城から城」権寧・滝田文彦訳『筑摩世界文学大系80 セリーヌ』筑摩書房, 1998.

1960年代

Nord, Gallimard, Paris, 1960.

『北』上下、高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品8・9」, 1981.

「北」権寧訳、『筑摩世界文学大系80 セリーヌ』筑摩書房, 1998.


Rigodon, Gallimard, Paris, 1969.

『リゴドン』高坂和彦訳、国書刊行会「セリーヌの作品13」, 1983.

「リゴドン」大矢タカヤス訳、『筑摩世界文学大系80 セリーヌ』 筑摩書房, 1998.


戯曲

L'Eglise, Denoel & Steele, Paris, 1933.

『教会 五幕劇』上村くにこ訳、松籟社, 1981.

「教会」石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


Progres, Mercure de France, Paris, 1978. (1933年執筆)

「プログレ」
石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


音楽もなく、だれもおらず、何もないバレー

Foudres et fleches, Ed. F. Chambriand, Paris, 1948.

「雷霆と矢」石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


Scandale aux abysses, Ed. F. Chambriand, Paris, 1950.

「深海のスキャンダル」石崎晴己訳、『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


≪ La Naissance d'une fee ≫, Ballets sans musique, sans personne, sans rien, Ed. Gallimard, Paris, 1959. (この書籍には上記「雷霆と矢」「深海のスキャンダル」を含む5編のバレーと『虫けらどもをひねりつぶせ』が収録された)

「妖精の誕生」石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


≪ Voyou Paul et et brave Virginie ≫, Ballets sans musique, sans personne, sans rien

「やくざ者ポールと気だての良いヴィルジニー」石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


≪ Van Bagaden ≫, Ballets sans musique, sans personne, sans rien

「ファン・バガデン」石崎晴己訳、生田耕作編『戦争・教会 他』国書刊行会「セリーヌの作品14」, 1984.


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