リードオルガン
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オルガン
別称:風琴
各言語での名称

organ
Orgel
orgue
organo
管?琴(簡体字)
管風琴(繁体字)


パイプオルガン
分類

気鳴型鍵盤楽器

オルガン (organ) は、加圧した空気鍵盤で選択したパイプに送ることで発音する鍵盤楽器であり、パイプオルガンとも呼ばれる。パイプオルガンに準じた鍵盤楽器である、リードオルガン電子オルガンもオルガンの名で呼ばれる。
目次

1 概要

2 日本語の「オルガン」

3 歴史

3.1 起源

3.2 水オルガン

3.3 古代の水オルガンの遺物の出土例

3.4 ふいごによるオルガン

3.5 中世

3.6 ルネサンス

3.7 バロック

3.8 シンフォニック/ロマンティック・オルガン

3.9 ネオバロック・オルガン


4 パイプオルガンの種類

5 オルガンの例

6 パイプ

7 風箱

8 送風装置

9 スウェル

10 演奏機構

10.1 キー・アクション

10.2 ローラー・ボード

10.3 演奏台

10.3.1 手鍵盤

10.3.2 足鍵盤

10.3.3 スウェル・ペダル

10.3.4 クレッシェンド・ペダル

10.3.5 ストップ

10.3.6 コンビネーション(音栓操作記憶装置)

10.3.7 現代における規格



11 調律

12 その他のオルガン

12.1 リード・オルガン族

12.1.1 リード・オルガンとハーモニウム

12.1.2 アコーディオン


12.2 手回しオルガン

12.3 電子オルガン


13 脚注

14 参考文献

15 関連項目

16 外部リンク

概要

オルガンは、鍵盤で操作される管楽器である。多数のパイプを発音体として備える。1本のパイプに異なる音高を発生させることはなく、各パイプの音高は固定的であり、少なくとも鍵盤のすべての鍵に対応する数のパイプを持つ必要がある。また基準音高や音色の違うパイプ群を複数備えていることが多く、その場合ストップと呼ばれる機構によって、発音するパイプ群を選択できるようにしている。

パイプに機械的な仕組で一定の空気を流して発音するために、一般の管楽器に比べて強弱や音色の変化を微細に行うことはできない。そのため、例えばストラヴィンスキーは「呼吸をしない怪物」と評したことがある[1]

安定して持続する音と、多彩な音色を持ち、これがオルガンならではの魅力となっている。また強弱表現は、ストップの切り替えや、複数の鍵盤の使い分け、スウェル・シャッターの使用などによって得られる他に、各音の持続時間の長短によって心理的な音の強弱をもたらし、発音の終始速度を制御することで微妙な表現が可能である。
日本語の「オルガン」 学校のオルガン(二十四の瞳映画村

日本では単に「オルガン」と言った場合、学校などで使用されていた、足踏み式のリードオルガンのことを意味する場合もあり、パイプによるオルガンのことは、あえて区別して「パイプオルガン」と呼ぶことが多い。

一方、西欧の言語では、例えば英: organ, 独: Orgel, 仏: orgue, 伊: organo, 西: organo とだけ言った場合には、一般にパイプによるオルガンを指す。リードによるオルガンを指す場合は、英: reed organ などと明示的に呼ぶ必要がある。

なお、明治から昭和初期までの日本語では、オルガンの和訳「風琴(ふうきん)」が広く用いられた。なお日本語の「風琴」は、広義ではアコーディオンも含む。
歴史 ドイツのネニッヒの水オルガンを描いたモザイク、117-138年

ギリシャ語 "οργανον"(オルガノン)とは、本来は道具・器官のことを意味し、演奏するための組織的道具という意味で、楽器についてもこの言葉が適用されるようになった。後にこの言葉が、各言語でのオルガンという単語になっていった。現在も"organ"の語義は「機関」・「器官」という意味である(en:Organを参照)。
起源

オルガンの起源は非常に古く、紀元前数世紀からオルガンの原形にあたる楽器の存在が認められる。これらは、「パンの笛」や「シリンクス」(en)などのように、複数の笛を束ねて吹くもので、中国や日本などの「」も同族の楽器と見なされる。
水オルガン「en:Water organ」も参照 クテシビオスの水オルガン

紀元前264年にアレキサンドリアに住むクテシビオスが、水力によって空気を送り込み、手で弁を開閉させることによって音を出す楽器「水オルガン」(ヒュドラウリス (Hydraulis)(en))を製作したことが記録に残っている。水オルガンは青銅と木でできており、大理石でできた円筒状の基礎に乗っていた。大理石の中には貯水槽とピストンが備え付けてあり、圧縮空気を上部のパイプに送り出した。外見はパンパイプを機械化し、直立させたものに近い。これをアレキサンドリアのヘロンローマ人建築家ウィトルウィウスが改良し、地中海地方に水オルガンは普及した[2]

水オルガン奏者たちは演奏会で腕を競いはじめ、デルフォイの演奏会ではアンティパトロスという奏者が、丸二日間休むことなく演奏を続けて栄光を勝ち取った。結婚式、競技場、宣誓就任式、晩餐会、劇場などでも水オルガンが演奏された。水オルガンの奏者は女性が多かったが、剣闘士の試合などでは男性が演奏したことがわかっている。また、ネロ帝も水オルガンを好んで演奏した。水オルガンはローマ帝国の勢力が衰えるにつれて地中海地方では衰退したが、ビザンティン帝国では宮廷の儀式用に用いられ続けた(続テオファネス年代記(英語版)には、皇帝テオフィロスが宝石がちりばめた黄金製オルガン2つと、60個のブロンズ製のパイプをもつオルガン1つを作らせたとの記載がある)。一方アラビアにも伝播して改良が重ねられていった。
古代の水オルガンの遺物の出土例

ギリシアのピエリア県のディオン村(英語版)には、ヘレニズム時代の都市ディオンの古代遺跡が残り、同村にあるディオン考古学博物館(英語版)に出土した1世紀の水オルガンが展示されている。 ディオン考古学博物館(英語版)に展示されている1世紀の水オルガン


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