リヴェンジ級戦艦
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リヴェンジ級戦艦

竣工当時の「ロイヤル・オーク」
艦級概観
艦種戦艦
艦名Rで始まる艦名
前級クイーン・エリザベス級戦艦
次級ネルソン級戦艦
性能諸元
排水量基準:29,150トン
常備:28,000トン
満載:31,500トン(改装後:33,500トン)
全長190.3m
水線長187.0m
全幅27m(改装後:31.7m)
吃水8.7m(常備)
9.8m(満載)
機関バブコック・アンド・ウィルコックス石炭・重油混焼水管缶18基(レゾリューションとロイヤル・オークはヤーロー式)
+パーソンズ式高速・低速タービン2組4軸推進
最大
出力40,000hp
最大
速力23.0ノット(改装後:21.5?21.9ノット)
航続
距離10ノット/4,200海里(石炭:140トン
重油:900トン(常備)、3,400トン(満載))
乗員908?997名
(大戦中:1,009?1,146名)
兵装Mark I 38.1cm(42口径)連装砲4基
Mark XII 15.2cm(45口径)単装速射砲14基
Marks II 7.6cm(45口径)単装高角砲2基
10.2cm50口径MkXVI連装高角砲4基
4.7cm(43口径)単装機砲2基
53.3cm水中魚雷発射管4基
装甲舷側:330mm(水線部主装甲)、152mm(最上甲板部)、51?152mm(艦首尾部)、25mm(水線下隔壁)
主甲板:51mm
主砲塔: 330mm(前盾)、279mm(側盾)、279mm(後盾)、114mm(天蓋)
主砲バーベット部:254mm(甲板上部前面)、152?178mm(甲板上部背面)、152mm(甲板下部前面)、101mm(甲板下部背面)
副砲ケースメイト部:152mm
司令塔:279mm(側盾)、76mm(天蓋)
艦載機なし

リヴェンジ級戦艦 (Revenge class battleship) [注釈 1]、もしくはロイヤル・サブリン級戦艦は[2]イギリス海軍第一次世界大戦中に高速戦艦として建造した超弩級戦艦の艦級である[3]。本級は建造された5隻(ロイヤルサブリン、ロイヤルオーク、リヴェンジ、レゾリューション、ラミリーズ)のスペリングが「R」で始まることから[4]、R級と呼ばれた[5][6]第二次世界大戦末期、ロイヤル・サブリン (HMS Royal Sovereign, 05) のみソビエト連邦に貸与された[7]
概要前級の「クイーン・エリザベス」。

イギリス海軍はフィリップ・ワッツ(海軍造船局長)の設計により15インチ(38.1センチ)砲8門を装備して25ノットを発揮できる超弩級戦艦クイーン・エリザベス級」を竣工させ[8]、50口径12インチ(30.5センチ)砲を装備した弩級戦艦超弩級戦艦を基幹とするドイツ帝国海軍に対抗した[9]。次なる布石としてイギリス海軍は、既存の15インチ砲を流用した安価な戦艦を求めた。本級が建造された時点で、大日本帝国海軍アメリカ合衆国の戦艦は14インチ(35.6cm)砲搭載型であり[10]、ドイツ帝国海軍もマッケンゼン級巡洋戦艦で13.8インチ(もしくは14インチ)砲を[11]バイエルン級戦艦でやっと45口径15インチ(38センチ)砲搭載を計画しているに過ぎないことから、15インチ砲8門を装備したQ.E.級戦艦5隻とR級戦艦複数隻の竣工は、海軍力に大きなアドバンテージを持つと考えられた。

この要求に対し、ワッツ技師の後任として1912年から海軍造船局長となったサー・ユースタス・テニソン=ダインコート卿が最初に設計したのが、リヴェンジ級(ロイヤルソブリン級)である。船体の設計は「アイアン・デューク級戦艦」の設計を流用したが2万トン台の船体に10門を搭載するのは無理なので、クイーン・エリザベス級と同等の15インチ砲8門に改めた。また、機関においてもクイーン・エリザベス級が重油専燃ボイラーを搭載したのに対し、本級は将来の燃料事情の悪化を考慮して重油専焼缶と重油石炭混焼缶との混載に立ち戻ったために速力21.5ノットに低下した[12]。この背景は石油は海外からの輸入に頼るしかない状況であったため、イギリス本国でも産出される石炭も使用できるようにすることで戦略的なリスクを避ける意味合いもあった。しかし、起工直後に第一本部長の職に復帰したフィッシャー提督は21ノット台の速力を不服とし、急遽ボイラーを全て重油専焼缶に換装を決定する[12]。出力増大を図ったが速力はあまり向上せず23ノットに留まった[5]。ただし、同時代の他国の戦艦(巡洋戦艦を除く)の速力は23ノット未満であり、リヴェンジ級戦艦の速力は(第一次世界大戦時においては)充分であったと言える[13]

本級は第一次世界大戦中に八隻が発注された[要出典]が、その内訳は1913年度計画で5隻の建造が承認されたが、1914年度計画で「レジスタンス」「レナウン」「レパルス」の3隻の建造が認められ、このうち最初の2隻は1914年5月に発注されたが、第一次世界大戦の勃発により1914年度計画は1914年8月にキャンセルされた。これにより実際に竣工したのは「リヴェンジ」「レゾリューション」「ラミリーズ」「ロイヤル・サブリン」「ロイヤル・オーク」の5隻だけで、残り3隻はキャンセルされた[14]レナウン級巡洋戦艦2隻(レナウンレパルス)は、本級を巡洋戦艦に設計変更したものである[15]。R級戦艦として計画された名残りから、この巡洋戦艦2隻も艦名の頭文字が「R」からはじまる[16]
艦形竣工時の「ラミリーズ」。本艦のみ就役時からバルジを装着していた。

本級の船体形状は前級に引き続き長短船首楼型船体を採用している。水面下に浮力確保のため膨らみを持つ艦首から艦首甲板上に「Mark I 38.1cm(42口径)砲」を連装式の主砲塔に収めて背負い式に2基を配置。2番主砲塔の基部から甲板よりも一段高い艦上構造物が始まり、その上に司令塔が立つ。天蓋部に測距儀を乗せた司令塔の背後から、三脚式の前部マストが立つ。マストの構成は頂上部に射撃方位盤室を持ち、中部に艦橋を含む三段の見張り所をもっていた。前部マストの背後に1本煙突が立ち、左右舷側甲板上が艦載艇置き場となっており、単脚式の後部マストを基部とするクレーン1本により運用された。後部マストの後方に後部司令塔が立ち、3番主砲塔の基部で船首楼は終了し、後部甲板上に4番主砲塔が直に配置する後ろ向き背負い式配置であった。就役後に2・3番主砲塔の上に陸上機を発艦させるために滑走台を設置した。竣工時の本級を描いたイラスト。

本級の副砲である「Mark XII 15.2cm(45口径)速射砲」は前級同様に舷側ケースメイト(砲郭)配置であるが、前級において艦首寄りに配置したために波浪が開口部に吹き込む不具合を改善するため、本級では船体中央部に放射状に単装で前方4基・後方2基の片舷6基ずつ配置したが、舷側配置と別個に甲板上に防盾付きで片舷1基ずつ2基を配置した。


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