リンパ組織
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リンパ系
ヒトのリンパ系

概要
表記・識別
ラテン語systema lymphoideum
MeSHD008208
TAA13.0.00.000
FMA ⇒74594、7162
解剖学用語[ウィキデータを表示]

脊椎動物において、リンパ系(リンパけい、: lymphatic system)とは、リンパ液と呼ばれる清明な液を運搬する導管ネットワークである。リンパ液が通過するリンパ組織もこれに含まれる。リンパ節を筆頭としてリンパ組織が見出される器官は多く、扁桃腺のように消化管に付随したリンパ濾胞もその一つである。リンパ系はまた脾臓胸腺骨髄、消化管に付随したリンパ組織といったリンパ球の循環や産生を行う全ての構造を含む[1]。今日われわれがリンパ系と言っているものはルドベックとバートリン(英語版)が初めて独立に記述した。

血液の溶解成分は体内の細胞組織に直接混ざり合うことはない。まず組織液と混ざり、次に細胞に入る。リンパ液とはリンパ管に流れ込んだ組織液のことである。哺乳類においてはリンパ液は心臓で駆動する血液のようにポンプで体内を流れるわけではなく、おおよそ弁で逆流を妨げられたリンパ管に骨格筋の収縮による圧力が加わることで一定の方向に流動する。しかし、両生類爬虫類においてはリンパ心臓と呼ばれるリンパ系のポンプ器官がリンパ液を駆動している。

リンパ系には3つの相互に関連した機能がある。組織から組織液を取り除く働きが1つ。吸収された脂肪酸脂質を乳糜として循環系まで運ぶ働きが1つ(胸管)。最後に、単球や、抗体産生細胞などのリンパ球をはじめとする免疫細胞を産生する働きである(胸腺)[2]

様々な器官のリンパ排液についての研究は、がんの診断と治療の点から重要である。リンパ系は体内の多くの組織に物理的に近いところに位置しているため、体内の様々な部位の間で転移と呼ばれるプロセスを起こしてがん細胞を運んでしまう。がん細胞はリンパ節を通過するからそこで捕らえることができる。もしそこでがん細胞を破壊できないなら今度はリンパ節が2次性腫瘍の病巣となる恐れがある。

リンパ系に病気や何らかの異常が起きると、腫脹や他の症状が現れる。リンパ系の異常は体の感染症への抵抗力を損なう。
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2021年6月)

リンパ系(リンパけい、淋巴系)は、リンパ器官リンパ節リンパ管胸管など)からなる複雑なシステムで、リンパ液の生成及び、組織から循環系への移動にあずかる。また免疫系において大きな役割をはたす。

リンパ系には以下の3つの機能があり、これらは相互に関係がある。
組織から余剰になった液を取り除く

消化吸収された脂質を循環系まで運ぶ

免疫担当細胞(リンパ球単球抗体を産生する形質細胞)の産生

リンパ液の元は毛細血管から滲出した血漿成分が細胞間隙の組織液となったものである。細胞間質液もしくは間質リンパと呼ばれる。間質リンパは毛細血管から栄養と酸素を細胞に運び老廃物を血管やリンパ管に運ぶ細胞間の体液ネットワークである。血漿は毛細血管動脈圧によって毛細血管から押し出され、細胞間質液(間質リンパ)となる。ほとんど(80?90%程度)の血液ガス電解質を含む水分は膠質浸透圧によって血管内に戻るが、全体のボリュームの10?20%程度のタンパク質や老廃物などはを含んだ間質リンパは リンパ管に流れ込み 管内リンパとなる。リンパ系によって循環系に戻されることになる。要するに、リンパ管内のリンパ液(管内リンパ)はリンパ系にとりこまれた組織液そのものである。細胞間を流れる「間質リンパ」とリンパ管内をながれる「管内リンパ」は濃度差などがあるが同じものである。
リンパ液の循環

リンパ系は第二の循環系として機能している。リンパ系ではリンパ節の白血球が体を癌細胞、真菌、細菌、ウイルスから守っている。ポンプ(心臓)を中心とした閉じた管からできている血管系と違って、リンパ系は開放循環系である。リンパ系の圧力は低く、液の流速も遅い。リンパ系の圧力は蠕動骨格筋の収縮によってもたらされ、リンパ管には静脈と同じく、逆流防止の半月弁がある。リンパ液の移動は主に骨格筋の収縮を原動力とするが、周期的な管壁の収縮もリンパ液のリンパ管への移動を助ける。毛細リンパ管は集合しつつ次第に太くなり、右の上半身からのリンパ液は右リンパ管に、他の部位からのリンパ液は胸管に集まる。これらは右及び左の鎖骨下静脈に流れ込み、血液循環系と合流する。


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