リングワールドの各種パラメータ半径約1.5×108 km(約1天文単位)
周囲約9.7×108 km
幅1,600,000 km
側壁の高さ1,600 km
質量2×1027 kg(1,250,000 kg/m2、つまり厚さ250 m、5,000 kg/m3)
地表面の面積1.6×1015 km2、地球の表面積の300万倍。
地表面の重力0.992 G(=9.69 m/s2)
自転速度約1,200,000 m/s
主星のスペクトル分類G2に近いG3、太陽よりやや小型で低温。
1日の長さ30時間
自転周期7.5リングワールド日(225時間、9.375地球日)
リングワールド上では1日より長い時間単位として「ファラン」がある。1ファランは10回転あるいは75リングワールド日(93.75地球日)である。すなわち4ファランが1地球年強に相当する。
リングワールド (Ringworld) は、ラリー・ニーヴンのSF小説シリーズ〈ノウンスペース〉に登場する架空の巨大な人工天体。以下の4つの長編小説に登場し、それらの主な舞台となった。 リングワールドは幅が約100万マイル、直径がほぼ地球の公転軌道(周囲が約6億マイル)の人工のリング状天体である。中心に恒星があり、リングワールドを回転させることで地球に近い人工重力を作り出している。リングの内側は地球の表面の約300万倍の広さがあり、居住可能となっている。リングの両縁には高さ1000マイルの壁があり、大気が逃げ出さないようになっている。 リングワールドはダイソン球を薄く輪切りにしたものとみなすことができ、多くの似通った特性を持つ。ニーブン自身、リングワールドのことを「ダイソン球と惑星との中間の形態」と考えている。(他方、フリーマン・ダイソンは「もっと小さいものを数多くつくらなかった理由が解せない」とニーヴンに語ったと言う。) リングワールド(正確には“ニーヴンのリング”というべきであろうが)は、このような構造物をさす一般用語として使われることもある。他のSF作家もニーヴンのリングワールドのバリエーション的なものを考案している。特にイアン・バンクスの『Culture Orbital』はミニチュアのリングワールド群を最もよく描いているし、他にも同名のビデオゲームもあるリング状のヘイロー構造体などがある。 リングワールドでの方位は、円周に沿った向きが「回転方向(スピンワード)」「反回転方向(アンチスピンワード)」、側壁の向きが「右舷(スターボード)」「左舷(ポート)」と呼ばれる。 “床”および側壁は、極めて密度の高い「構成物質(スクライス 側壁の外側の張り出し部分に宇宙船の発着場が設けられている。ここでリングワールドから外へ出れば、宇宙船はリングワールドの自転速度で飛び出すことになるので、それだけで恒星からの脱出速度以上の速度が得られる。到着した宇宙船を減速させるために側壁の上にマスドライバーのような施設が用意されているが、これはリングワールドの建設後にそこで進化した種族の一つが設置したもので、当初からあったわけではないらしい。 「大海洋(グレート・オーシャン)」は、リングワールド上の恒星を挟んで向かい合う二ヶ所に作られた、地球の表面積の何十倍もの広さの海である。その中には地球、火星、ジンクス、クジンなどといった近隣の恒星を巡る惑星の、リングワールドが建造された当時(おそらく数百万年前)の姿を投影した、ほぼ実物大の「地図」がある。 「神の拳(フィスト・オヴ・ゴッド)」は、「大海洋」のひとつから回転方向に数万キロのあたりにそびえる巨大な山で、過去のいつか、リングワールドの外側に衝突した巨大隕石が「スクライス」を突き破った跡である。その山頂は大気圏の上まで飛び出し、オーストラリア大陸ほどの広さの穴になっている。山麓は地球の表面積よりも広い範囲が隆起し、山頂に近づくにつれて砂漠化あるいは永久凍土化し、ついには「スクライス」が剥き出しになっている。
リングワールド (Ringworld) 1970
リングワールドふたたび (The Ringworld Engineers) 1980
リングワールドの玉座 (The Ringworld Throne) 1996
リングワールドの子供たち (Ringworld's Children) 2004
基本情報
地理