リングにかけろ2
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『リングにかけろ2』は、車田正美による日本漫画作品。ボクシングをテーマとした内容で、車田の作品『リングにかけろ』の続編である。

集英社の青年向け漫画雑誌『スーパージャンプ』で、2000年4号(2月9日号)より連載を開始。2007年12月末、車田の公式HP上にて、2008年での最終回を目指して執筆するとコメントがあったが、2008年には誌面で「インターミッション」という表現で休載が予告され、その予告通り2008年4月23日号をもって前作でも世界最大の敵とされたギリシア十二神との対決を半ばに休載し、その後同年8月より最終章(全8回)が連載され同年11月26日号で完結した[1]2009年2月4日に最終26巻が発売され単行本も完結となった。シリアス路線の前作と違い「真剣にバカをやる」作品でギャグも多いが要所は締めている。
あらすじ

各編の名は正式なものではなく、本項記述にあたり便宜上定めたものである。
日本編高嶺竜児と剣崎順の死闘から17年後。剣崎の息子・麟童は、父の生き様に反発し、剣崎家を飛び出して無敗のストリートファイターとして生きていた。だが欧州チャンピオン・スコルピオンに戦いを挑んで敗北。自らの未熟さを認め、真の強さを求めてボクサーへの道を歩むことを決心する。志那虎一城から麟童抹殺を命じられた息子の伊織、影道総帥の息子・嵐、河井武士の甥・響と出会いつつ、麟童の道は続く。

ドイツ編ドイツの河井武士を訪ねた麟童だが、河井は極度の人格障害に侵されていた。スコルピオンにドイツ大会に招かれた麟童は、河井の魂に炎を点すべく大会に出場。麟童を追ってドイツへやって来た響、家宝をドイツに奪われた伊織、ドイツにより日本Jr.抹殺を企てられて逆鱗に触れられた嵐を加え、麟童たちはドイツの強豪たちと激突する。団体戦は本編のみ。

イタリア編麟童はドイツ大会で優勝したが、その代償は響の死というあまりに大きなものだった。大会優勝により麟童たちはスコルピオンへの挑戦権を手にするが、それを放棄して帰国する。だが各国のJr.は麟童を倒してスコルピオンへの挑戦権を奪うことを目論んでいた。まずイタリアJr.が麟童を狙う。しかし一方イタリアJr.内では、現在のドンのシーザーが重傷を負い、次期ドンの座の奪い合いが繰り広げられようとしていた。

フランス編イタリア戦を終えて帰国したと思った麟童は、フランスJr.の手によりフランスへ連れ去られていた。目的はスコルピオンへの挑戦権を奪うため。しかし東西に分家したバロア家の抗争に、麟童は次第に巻き込まれてゆく。

世界Jr.大会編麟童がようやく日本へ帰ったとき、一菜が成金との縁談を破棄したために三条家はすでに没落、一菜は下請企業の負債の救済のため、水商売に身をやつして契約金3000万円を受け取っていた。ほどなく麟童はギリシア主催の世界大会へ招かれる。優勝賞金は3000万円。麟童は一菜の窮地を救うため、大会に臨む。ギリシアを舞台に、かつて麟童と拳を交えたボクサーたち、そして世界中の強豪たちがギリシャに集うが、その裏ではギリシアJr.の、エーゲ海に沈んだ筈の「カイザーナックル」を巡る陰謀が蠢いていた。なお、各国のJr.世代のリーダー(ドイツのスコルピオンJr.、フランスのラファエル、イタリアのネロ)は不参加である。

ギリシア十二神編世界大会後、石松の死を知らされた麟童はショックを受ける。その後後任である志那虎のコーチを受ける事になるが、ハードな練習方法に怖気づいてしまう。そんな折、ギリシアの十二神が麟童の抹殺とカイザーナックル奪取に向けて動き出した。それを知ったスコルピオンは自分への挑戦権がまだ生きていることを理由に、麟童を護れと命令を出す。

世界バンタム級統一タイトルマッチ編お互いプロとなった
WBC王者、麟童とWBA王者、竜童の対戦。知己の者全てが集まり注目の一戦が始まる。さながら前作、最終戦同様だが麟童も竜童も死ぬ気は無くこの一戦で引退を決心し、その後を自分を愛する者のために生きることを誓う。一時遂に結集することが無かった新世代日本Jr.が瞬間だけ揃うことになる。1話のみの掲載で、同時に本作の最終話。

登場人物

世界Jr.大会出場者には☆マーク記載。
日本
新世代ボクサー
剣崎 麟童(けんざき りんどう)☆
本作の主人公。年齢は16歳で前作の主人公(竜児)よりは若干高い。前作の
黄金の日本Jr.の1人・剣崎順を父、同じく日本Jr.の1人・高嶺竜児の姉のを母に持つ。つまり剣崎の息子にして竜児の甥。誕生当初、菊が剣崎家の妻として認められなかったため、石松を養父として育ったが、後に後継者のない剣崎家へ引き取られた。命名者は石松で、竜児と剣崎=を超える「麒麟」の意で名付けられた。竜児の優しさと剣崎の激しさを矛盾なく兼ね備えている。性格的には石松の三枚目を多分に受け継いでいるため、斜に構えた父とは違い最終的に誰からも慕われる。母を残して早世した父と叔父を呪い、自身の寂しさを理解してくれる大人もいない剣崎家になじめず家出をしてストリートファイトに明け暮れていた。自分の名前の漢字の「麟」をまともに書けないなど、勉強があまりできるほうではないようである。達筆な伊織の手紙も読めず、野火に代読して貰うほどであった。やがてボクシングへの情熱に目覚め、後見人である志那虎、河井、影道の許しを得て石松に師事する。必殺ブローは独学によるギャラクティカマグナム。石松の特訓により父のもう1つのブロー、ギャラクティカファントムにも開眼。再特訓の成果で、石松の必殺ブロー・ハリケーンボルト、さらにはハリケーンボルトからマグナムやファントムを放つハリケーンマグナム、ハリケーンファントムをも編み出す。その後、志那虎と河井の指導も受け、最終話ではジェットアッパーも披露した。能力的には劣等生とまでは行かないが下記の志那虎伊織や影道乱の様にある程度完成されたボクサーではなく、少し修練を積んだ後のギリシア世界大会の予選にも手を焼いていた(下記のドイツの三巨頭やフランスの三銃士は楽々突破していた)。しかし、師匠で養父である香取石松譲りの柔軟な性格で何でも吸収し、その成長力は凄まじいものがある。初対面のJr.選手には「お前などがあの偉大な剣崎順の息子だとは信じられん」(ザナドゥ、ジョルジュ、プリンス、イカルス、テーセウスJr.など)と口を揃えて唱えられるほど品性に欠ける面があるが父同様に命ギリギリのファイトを見せ魅了していった。前述の通り粗暴な性格であるがフェミニストであり、女性には婚約者の一菜を除いて「さん」付けで呼ぶことが多い。オリビエに対しても女性と知るといなや「オリビエさん」と呼んでいる。ボクサーとしては致命的な大食漢であり、特に石松の故郷である千葉県湾岸(房総半島の九十九里浜)が長い為に魚料理を主に和食が大好きで、主食である米も何杯も御代わりする。しかも影道一族にご馳走になった際に「不味い不味い」と言いながら玄米も何杯も平らげた。加えてフランスでカトリーヌがご馳走した洋食(シチューやフランスパンなど)も大量に食し、ギリシアで行われた世界世界大会の選手宿舎の食事にも抵抗なく(伊織がオルテガを倒した後に牛関係から「今日の晩飯はステーキだっけ?」と伊織に聞き「知らぬ」と返されている)師匠の香取石松が和食一辺倒だったのに対し好き嫌いはない。他にも世界大会でテーセウスJr.に勝ったが瀕死状態と思われグロッキー状態だったが、伊織が二葉叔母から授かった「干飯(ほしい)」を与えられ寝そべったまま、それを食し心配していた竜童をも呆れさせた(伊織曰く「腹が減ってただけだ(ダメージは深刻ではない)」とのこと)。しかし、一番のお気に入りは一菜の手料理であり特に魚の煮付けが大好きである(伊織や嵐も一菜の料理は気に入っている)。しかし代謝が良いのか?減量で苦しむ描写は一切なかった。最終話、竜童との頂上決戦直前にボクシングの引退と石松の跡を継いで漁師になることを一菜に告げ、彼女に見送られながら竜童との激闘に赴いた。
志那虎 伊織(しなとら いおり)☆
前作の黄金の日本Jr.の1人・志那虎一城の息子。常時、学生服を着ている。父のスパルタ教育のため、かなりの堅物で、言葉遣いも時代劇口調。外国人にはしばしば「サムライ」とあだ名される。母を早くに亡くし、叔母の二葉に育てられた。


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