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リングワ・フランカもしくはリンガ・フランカ(伊: Lingua franca)は、「フランク語」、「フランク王国の言葉」を意味するイタリア語に由来し、それから転じて、共通の母語を持たない集団内において意思疎通に使われている言語のことを指すようになった。現在では、「共通語」や「通商語」の意味で使われることが多い。目次 本来のリングワ・フランカは、実際にレヴァント地方で用いられた、ロマンス諸語、ギリシャ語、アラビア語の混成語である。特に典型的なサビール語 現代の言語学用語としてのリングワ・フランカは、広く外交や商取引で使われる通商語、あるいは共通語という意味で用いられる。ピジン言語やクレオール言語といった複数の言語の混合によって成立することもあるが、ある地方で政治的・経済的に大きな影響を持つ言語がリングワ・フランカとして用いられる場合もある。 リングワ・フランカとして使われる、または過去に使われていた言語の実例を挙げる。 アラム語は紀元前500年頃より中東一帯における共通語であった。最終的にはイスラームの勃興によりアラビア語に地位を取って代わられる。 イスラム帝国の成立により、中東および北アフリカにおける共通語となる。またイスラム教の教典であるクルアーン(コーラン)はアラビア語の原文のままで読むべきものとされるため、その他の地域のアラビア語を母語としないイスラーム教徒にも普及している。 現代では口語(アーンミーヤ)の地域ごとの差異が著しいため、現代標準アラビア語(フスハー)が共通語として用いられる。国連公用語に採用されたアラビア語は現代標準アラビア語である。また、使用人口が多くメディアで流布されるカイロ方言などが、出身地の異なるアラブ人同士のコミュニケーションに用いられることもある。 ペルシア語(ファールシー語、F?rs?)は、サーサーン朝の滅亡後に一旦は衰退したが、サーマーン朝(873年-999年)において行政言語、文学・歴史・哲学などの学術用語として使用され、以降もガズナ朝(955年-1187年)、セルジューク朝(1038年-1306年)、イルハン朝(1258年-1353年)、ティムール朝(1370年-1507年)、サファヴィー朝(1507年-1736年)、ムガル帝国(1526年-1858年)などの多くの国で公用語として使用され、19世紀前半まで中央アジア、インド亜大陸からメソポタミア、小アジアにかけて広大なペルシア語圏が成立し、ペルシア語は重要な国際共通語であった。 チャガタイ・トルコ語(チャガタイ・トルコご)は中央アジアのテュルク系言語を基礎とし、それにペルシア語やアラビア語の語彙語法を加えた言語。詳細は「チャガタイ語」を参照 中国をはじめ、日本、朝鮮、ベトナム、台湾といった東アジア(漢字文化圏)においては、紀元前後から近世に至るまで、古代中国の漢文(現代中国語では文言文 第二次世界大戦終結後の北朝鮮やベトナムでは漢字の使用を廃止したり、近代までは共有されていた古典漢文の教養が失われたりしたことによって、現在では通商語としての地位は著しく低下した。 航海技術に優れた古代ギリシア人は地中海一帯に植民市を形成し、また通商に携わったことからギリシア語は地中海地域で広く用いられた。更にアレクサンドロス大王の征服とそれを継承するヘレニズム諸王朝により、ギリシア語はエジプトと西アジアの支配層の言語となる。ギリシア語の用いられた地域の多くは古代ローマに併呑されるが、ローマ文明は学術の面でギリシア文化を範としたことから、ギリシア語はローマでも教養人の必須科目であり、ローマ領域の東部では依然ギリシア語が用いられ続けた。新約聖書はギリシア語によりローマ帝国内で形成されたものである。 ローマ帝国がイタリア半島を含む国土の西部を失い東ローマ帝国の枠組みが成立すると、ギリシア語が東ローマ帝国における公用語として扱われるようになる。
1 原義
2 現代的な用法
3 実例
3.1 アラム語
3.2 アラビア語
3.3 ペルシア語
3.4 チャガタイ・トルコ語
3.5 漢文
3.6 ギリシア語
3.7 ラテン語
3.8 フランス語
3.9 英語
3.10 ロシア語
3.11 スワヒリ語
3.12 日本語
3.13 マレー語・インドネシア語
3.14 サンスクリット・パーリ語
4 脚注
4.1 注釈
4.2 出典
5 関連項目
6 外部リンク
原義
現代的な用法
実例
アラム語
アラビア語
ペルシア語
チャガタイ・トルコ語
漢文
ギリシア語
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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