リンカーン_(映画)
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同じ2012年に公開されたファンタジー映画「リンカーン/秘密の書」とは異なります。

リンカーン
Lincoln

監督スティーヴン・スピルバーグ
脚本トニー・クシュナー
原作ドリス・カーンズ・グッドウィン
『リンカン(英語版)』
製作スティーヴン・スピルバーグ
キャスリーン・ケネディ
製作総指揮ジョナサン・キング
ダニエル・ルピ
ジェフ・スコール
出演者ダニエル・デイ=ルイス
サリー・フィールド
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ジェームズ・スペイダー
ハル・ホルブルック
ジョン・ホークス
ティム・ブレイク・ネルソン
ブルース・マッギル
デヴィッド・ストラザーン
トミー・リー・ジョーンズ
音楽ジョン・ウィリアムズ
撮影ヤヌス・カミンスキー
編集マイケル・カーン
製作会社タッチストーン・ピクチャーズ
20世紀フォックス
ドリームワークス
リライアンス・エンターテインメント
パーティシパント・メディア
アンブリン・エンターテインメント
ザ・ケネディ/マーシャル・カンパニー
配給 ドリームワークス
20世紀フォックス
公開 2012年11月9日
2013年4月19日
上映時間150分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$65,000,000[1]
興行収入 $275,293,450[1] $182,207,973
10億2000万円[2]
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『リンカーン』(原題: Lincoln)は、2012年公開のアメリカ合衆国伝記戦争ドラマ映画である。スティーヴン・スピルバーグが監督し、ダニエル・デイ=ルイスアメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンサリー・フィールドメアリー・トッド・リンカーンを演じる[3]ドリス・カーンズ・グッドウィンによる伝記本『リンカン(英語版)』を原作とし、リンカーンの最後の4ヶ月が描かれる。撮影は2011年10月17日に開始され[4]、2011年12月19日に完了した[5]。アメリカ合衆国では2012年11月16日にディズニータッチストーン・ピクチャーズを通し、ドリームワークス配給で公開される[6]。また国際配給は20世紀フォックスが行う[7]

第85回アカデミー賞では作品賞を含む12部門でノミネートされ、主演男優賞アカデミー美術賞を受賞した[8]
ストーリー

アメリカ合衆国第16代大統領 エイブラハム・リンカーン ― 史上最も愛された大統領と言われ、常にユーモアを絶やさず、黒人を含めたすべての人々にオープンに接する人物だった。

1865年1月。大統領に再選され2ヶ月が経ったが、アメリカでは4年以上に及ぶ南北戦争が未だ続いていた。リンカーンは毎晩1人で船に乗り、どこかへ向かっているという不思議な夢を見るようになる。夢の話をされた妻メアリー・トッドは「船」は奴隷制廃止を盛り込んだ「アメリカ合衆国憲法修正第13条」であり、充分に支持されている大統領なのだから可決の見込みのない法案に執着することを止めるように忠告する。

1862年の奴隷解放宣言で奴隷は解放されたかに思えたが、戦時中の彼の政権の影響下にある北部の多くの州は宣言前に既に奴隷制が廃止されている上に、有事に際して北部に加盟した奴隷制継続州は宣言からは除外されており、敵勢力である奴隷制を維持している南部には宣言が通用する状況にないため、この宣言で実際に解放された者はわずかであり、さらにこの宣言は戦時の立法措置として戦争が終われば効力は失われることになる。「すべての人間は自由であるべき」と信じるリンカーンは奴隷を永久に解放するため、一度は上院を通過したものの、下院で否決された「アメリカ合衆国憲法修正第13条」を下院議会でも可決させることを決意する。

しかし、既に戦争は北軍優勢で終結へと進んでおり、リンカーンの所属する共和党でも「これ以上犠牲者を出さないために、1日も早く戦争を終わらせるべき」との意見が強くなっていた。北部でも多くの人々は奴隷制には反対していたり嫌悪感があっても、黒人と共に暮らしていくことには不安を持っているという状況があるので、戦争が終われば奴隷解放の気運が弱まることは確実となる。戦争の犠牲と人間としての尊厳のジレンマ、父母の反対を押し切って戦場に向かう長男ロバートや大統領就任後に三男ウィリーを失ったことで距離が生じているメアリー・トッドとの関係に苦悩しながら、終戦前の可決へ向かってウィリアム・スワード国務長官と協力して可決への工作を始める。

リンカーンはプレストン・ブレアに共和党保守派結束の条件とされた南部連合との和平交渉への伝手を彼に委ねて時間を稼ぎ、修正第13条では平等に関して不十分とする共和党奴隷解放急進派の領袖タデウス・スティーブンスを説得して党をまとめ上げ、可決に必要な3分の2以上の賛成票を確保するため奴隷制廃止反対の立場をとる北部民主党票の切り崩しを謀り、再選に伴う選挙で数ヶ月後には議席を失う民主党議員に対し、失職後の公職ポストを条件に賛成票に転じる説得を秘密裏に行うようにロビイストたちに指示する。だが、この動きは民主党にも伝わってしまい中々目標には届かない。さらに議員たちにも南部が和平提案をしているという噂が広がり、実際にアレキサンダー・スティーブンス南部連合副大統領率いる使節団と北軍司令官のユリシーズ・S.グラント将軍がバージニア州の連邦輸送船上で非公式な会談を行っていた。交渉は決裂したものの、グラント将軍から南部の使節団をワシントンに迎え入れるように提言されたリンカーンだが、使節団を船に乗せたままハンプトン・ローズまで移動して待機するように電信を送る。

タデウス・スティーブンスも法案担当者ジェームズ・アシュレイからの可決のための妥協の要請に対し、苦渋の想いでこれまでの節を曲げ、修正案は黒人との「人種の平等」でなく「法の前での平等」を目指したものであると議会で明言をし、ロビイストを通じたリンカーンの策を受け入れ自身の選挙区の議席確保優先の民主党議員を賛成票に取り込むことに成功する。スワードに表に出て行動しないように言われていたリンカーンだったが、ロビイストたちと対策を練り直し、賛成票に転じる可能性のある民主党議員たちに直接働きかける。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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