リュードベリ定数
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リュードベリ定数
Rydberg constant
記号R∞
値10973731.568157(12) m−1
[1]
相対標準不確かさ1.1×10?12
語源ヨハネス・リュードベリ
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リュードベリ
rydberg
記号Ry
リュードベリ原子単位系
エネルギー
SI2.1798723611030(24)×10?18 J[2]
定義基底状態にある水素原子電子軌道固有エネルギー
語源ヨハネス・リュードベリ
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リュードベリ定数(リュードベリていすう、: Rydberg constant)は、原子の発光および吸収スペクトルを説明する際に用いられる物理定数である。記号は R∞ などで表される。名称はスウェーデンの物理学者ヨハネス・リュードベリに因む。

リュードベリ定数の値は

R ∞ = 10   973   731.568   157 ( 12 )   m − 1 {\displaystyle R_{\infty }=10\ 973\ 731.568\ 157(12)\ {\text{m}}^{-1}}

である(2022 CODATA推奨値[1])。
リュードベリの公式

原子は特有な線スペクトルの配列をもつ。水素原子の線スペクトルはもっとも簡単な配列をしており、ヨハン・ヤコブ・バルマーは可視光域の線スペクトルの波長 λ が

λ = n 2 n 2 − 4 × 364.56   nm {\displaystyle \lambda ={\frac {n^{2}}{n^{2}-4}}\times 364.56\ {\text{nm}}}

と表されることを発見した。

リュードベリは他の原子の線スペクトルの波長 λ が、適当な正の整数 m, n (n>m) を用いて波数 ν ~ {\displaystyle {\tilde {\nu }}} が

ν ~ ≡ 1 λ = ν c = R ∞ ( 1 ( m + a ) 2 − 1 ( n + b ) 2 ) {\displaystyle {\tilde {\nu }}\equiv {\frac {1}{\lambda }}={\frac {\nu }{c}}=R_{\infty }\left({\frac {1}{(m+a)^{2}}}-{\frac {1}{(n+b)^{2}}}\right)}

と表されることを発見した[3]。これはリュードベリの公式と呼ばれる。係数 R∞ は原子の種類によらない普遍定数であり、これがリュードベリ定数である。a, b は原子ごとの線スペクトルの系列によって近似的に一定の値をとる定数である。水素原子では a=b=0 であり、バルマーが示した式は m=2 の特別の場合である。
ボーア模型からの導出

観測結果から求められたリュードベリ定数であったが、20世紀に入り量子力学が発展すると、ボーアゾンマーフェルトによって理論的に他の物理定数と関係づけられることが示された。ボーアの原子模型によれば、リュードベリ定数は、電子質量 me、電気素量 e 、光速度 c、プランク定数 h、真空の誘電率 ε0 を用いて、

R ∞ = m e e 4 8 ϵ 0 2 h 3 c {\displaystyle R_{\infty }={\frac {m_{\text{e}}e^{4}}{8\epsilon _{0}^{2}h^{3}c}}}

と表すことができる。微細構造定数 α を用いると、

R ∞ = α 2 m e c 2 h {\displaystyle R_{\infty }={\frac {\alpha ^{2}m_{\text{e}}c}{2h}}}

と簡略化できる。また、ハートリーエネルギー Eh を用いて、

R ∞ = E h 2 h c {\displaystyle R_{\infty }={\frac {E_{\text{h}}}{2hc}}}

と表すこともできる[4]

波数をエネルギーに換算した値はリュードベリ原子単位系においてエネルギーの単位リュードベリ(rydberg、記号 Ry)として用いられ、その値は


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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