リュート
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この項目では、弦楽器のリュートについて説明しています。

ICカードについては「りゅーと」をご覧ください。

ロシア軍の全面侵攻を受けてウクライナ国家警察が編成した旅団については「リュート旅団」をご覧ください。

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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2013年12月)

リュート
別称:洋琵琶
各言語での名称

Lute
Laute
Luth
Liuto
魯特琴


分類

弦楽器
音域
g-(d/d)-(A/A)-(F/F)-(C/C)-(G/G')

リュート(: Lute:ルートゥ[注釈 1]: Liuto:リウト、: Luth:ルュト、: Laute:ラウテ)はネックと深く丸いような背面で中空の空洞の筐体を持つ弦楽器で、通常はボディにサウンドホールや開口部がある。弦楽器には、フレットが付いているものと付いていないものがある。

より具体的には、「リュート」という言葉は、ヨーロッパのリュート族の楽器を意味する。また、一般的には、弦が音台に平行な面に張られている弦楽器を指する(Hornbostel-Sachsシステムの場合)。

弦はネックの端にあるペグやポストに取り付けられており、演奏前に弦の張力を強くしたり、緩めたり(それぞれ弦のピッチを上げたり下げたり)するための何らかの回転機構を備えており、各弦が特定のピッチ(音)に調律されている。リュートは、片手で弾いたり叩いたりしながら、もう片方の手でネックの指板に張られた弦を「フレット」(押さえる)する。弦を指板のさまざまな場所で押さえることで、振動している弦の部分を短くしたり、長くしたりして、高い音や低い音を出すことができる。

ヨーロッパのリュートと、現代の近東のウード(アラビア語)および中国日本李琵琵と近縁の楽器であり、いずれも中央アジアの「バルバット(英語版)」(ペルシア語: ?????‎ barbat)を祖先とする楽器であると考えられている。リュートは、楽器ウードに定冠詞を付けた "al‘ud" (アル・ウード)という言葉から、最初のアが取れてできた言葉であり、歴史学者の伊東俊太郎は「明らかにスペイン経由イスラーム起源のものである」と述べている[1]。イスラーム世界の愛の歌はウードの演奏に合わせて歌われ、プロヴァンスのトルバドゥール(吟遊詩人)もリュートの演奏に合わせて歌った[1]

リュートは、中世からバロック後期までの様々な器楽に用いられ、ルネサンス期には世俗音楽の最も重要な楽器となった。 バロック音楽の時代には、リュートは通奏低音の伴奏部分を演奏する楽器の一つとして用いられた。また、声楽作品の伴奏楽器としても使われている。伴奏はコントラバスパートをベースに和音で即興的に演奏するか、譜面に書かれた伴奏を演奏する。リュートは小さな楽器であるため、比較的静かな音が出る。リュートを演奏する人を「ルテニスト」「ルタニスト」「ルーティスト」と呼び、リュート(または類似の弦楽器、ヴァイオリン系の楽器)を製作する人を「ルシアー」と呼ぶ。
構造ルネサンス期の8コーステナーリュート(レプリカ)

今日リュートと呼ばれる楽器の構造上の特徴は、ルネサンス期に作られたいわゆるルネサンスリュートで代表することができる。それ以後のリュート族の楽器はルネサンスリュートを改良・改造したものであるので、ルネサンスリュートと多くの特徴を共有している。ルネサンスリュートの構造の概要は以下の通りである。

材質は通常木製である。ボディーは、「洋梨を半分に切ったような」形状と表現されることが多く、背面が丸く湾曲しているのが特徴。前面の表面板はクラシックギターのそれ(2.5mm前後)よりかなり薄い(1.5mm前後)ものが多い。表面板にはギターのサウンドホールに相当する穴があるが、これはギターのようにただぽっかりと空いているのではなく、通常唐草模様や幾何学模様などの図案が表面板に透かし彫りされており、これをローズ(rose、「バラ」の意)あるいはロゼッタ(rosetta)と呼ぶ。中世からルネサンス初期のものにはローズが表面板とは別にはめ込まれているものもあり、大型の楽器では複数のローズをもつこともある。背面はリブ(ribs、「肋骨」の意)と呼ばれる両端が細くなった形の湾曲させた薄い木片を並べて組み立てられており、これにより深く丸まった独特の形を形成している。リブはバナナの皮をむいたときのような形でもあり、リブの組み立ては地球儀をつくるときの原理と似ている。楽器の強度を高めるために、表面板の裏には力木(bracing)と呼ばれる桟が貼ってあるが、中空になったリブの内面には力木はない。このような構造のため、リュートは大きさの割には軽い楽器であるといえる。

ネックは軽い木で作られるが、弦の下の指板(フィンガーボード)にはエボニー(黒檀)などの耐久性の高い堅い板が付けられている。指板はルネサンス期までは平坦で、以後はカーブのあるものが増える。現代のギターなどとは異なり指板の表面は胴体の表面版と同じ高さである。指板には通常ガットを巻き付けたフレットがあり、高音域には木製などのフレットが表面板に直接貼り付けられている。ルネサンスリュートはヘッド(ネックの先端にある、ペグを固定する台座)が後部にほとんど直角に折れ曲がっていて、これはおそらくナット(ネック側で弦の振動を止める部分、ネックの折れ曲がる部分に位置する)にテンションの低い弦を密着させるための工夫と思われる。ペグは木製のシンプルなもので、テーパーがかかっており、先端がペグボックスの穴に差しこまれているだけで、ギアなどのほかのチューニングのための仕組みはない。ナットやブリッジは硬質の木材、時には象牙で作られており、ブリッジはギター同様表面板に直接取り付けられている。

リュートの弦はコースに従って配置されている。コースには通常高音側から順番に番号を振る。リュートは1つのコースに2つの弦をもつ(複弦)が、第1コースだけは単弦になっており、これは旋律弦(chanterelle、フランス語で「歌手」の意)と呼ばれる(バロックリュートではしばしば第2コースも単弦であった)。第2コース以下では複弦はユニゾンまたはオクターヴで調律された。8コースのルネサンスリュートは15本の弦を持つことになる。

弦は歴史的にはガット弦が用いられていた。低音弦としては、初め複数のガット弦をヒモのようによじったものが用いられていたが、音像が明瞭でなかった。これが低音のコースでオクターヴ調弦が用いられた理由とされる。17世紀前半には、などの重金属をガットにしみ込ませ重くした低音弦が用いられていたとも言われている。17世紀中ごろにはガットの芯に細い金属製のワイヤーを巻き付けてつくったいわゆる「巻き弦」の使用が一般的になった。現代では、ガット以外に釣り糸などで一般的なナイロンフロロカーボンといった合成繊維が弦として用いられることも多い。

なお、フランス語や英語などの "luthier" という言葉は、文字通りは「リュート制作家」を意味するが、ヴァイオリンやギターなど弦楽器の製作家一般も指す語である。
歴史と変遷
ルネサンス初期まで

すでにサーサーン朝ペルシアにおいて、原型となる楽器が用いられていた。滴型の本体と後ろに折れたヘッドを特徴とし、基本的にリュートと同じ形をしている。四弦で、小さなを用いていたとされている。「バルバット(英語版)」と呼称されていたらしく、これが西伝してリュートになったといわれる。一方、東伝したものは後漢の頃中国に入り、最初「胡琴」と呼ばれたが、ウイグル語からの音訳で琵琶となったらしい。奈良時代に日本にもたらされた。

リュートがヨーロッパに最初に現れたのは中世で、十字軍によって中東からもたらされたとする説や、スペインイスラム教徒キリスト教徒の分裂を横断して運ばれたという説などがある。当時のリュートは4コースまたは5コースで、撥で弾いていた。15世紀頃までのリュートは博物館等に残存しているものが少なく、その後のものに比べて楽器の形状や奏法、レパートリーなどについてはわからない点も多い。
ルネサンス期

ルネサンス期になると、ポリフォニーが主流となり音楽が多音化した一方で、即興的な速いパッセージ(ディミニューション)が行われるようになった。


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