リュウキュウマツ
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リュウキュウマツ
リュウキュウマツ(東京都小笠原村父島)。小笠原諸島には人為的に持ち込まれた帰化植物である。
保全状況評価[1]
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))

分類新エングラー体系

:植物界 Plantae
:裸子植物門 Pinophyta
:マツ綱 Pinopsida
:マツ目 Coniferae
:マツ科 Pinaceae
:マツ属 Pinus
:リュウキュウマツ P. luchuensis

学名
Pinus luchuensis Mayr (1894)[2]
和名
リュウキュウマツ(琉球松)、リュウキュウアカマツ[2]
英名
Ryukyu Island pine

リュウキュウマツ(琉球松[3]学名: Pinus luchuensis)は、マツ科マツ属針葉樹。別名はリュウキュウアカマツ(琉球赤松)[4]、オキナワアカマツ[4]、オキナワマツ(沖縄松)[3]沖縄方言ではマーチ[3][5]、マチ[3][6]八重山方言ではマチィという。沖縄県の県木にも指定されている。
分布と生育環境

トカラ列島以南の南西諸島全域の海岸付近に分布する[7][8]。本土ではアカマツクロマツがそれぞれ内陸と海岸に分化しているが、沖縄ではそれらに対応するニッチは全てこの種が占めている。

明治以降、緑化または薪炭材にするために小笠原諸島にも移植され、父島母島で広く繁茂する外来種帰化植物)となっている[4]

特に耐風性や耐潮性に優れ、極端な乾燥地以外には特に土壌を選ばず、日当たりのよいところを好む性質がある[8]

沖縄本島の森林は、太平洋戦争沖縄戦により多くが荒廃した。だが戦後にほどなくリュウキュウマツ林として復活した。しかし日本本土に遅れて松食い虫が侵入し、近年はその被害で減少している。他方で、海岸のクロマツ林にあたる部分は外来種のモクマオウが占めていると見られる面もある。

パイナップル産業の勃興により山地が開墾され、松が枯死したものも非常に多い。石垣島ではかつて直径1メートルを超す巨松が群生していた。
特徴

常緑高木で雌雄同株[4]。高さは30メートル (m) 、幹径1 mに達する[3]。沖縄の気候に適した針葉樹のひとつで、生長が早く、20年ほどで高さは14 mにもなる[3]。樹形は傘型で、横に大きな枝を出す[3]。樹皮はクロマツに似ていて、下の方で亀甲形に剥がれていく[3]。葉は2本の針形で、長さは10 - 15センチメートル (cm) 、細くてやわらかい[3]。球果(松かさ)は卵形で、長さ約5 cm、幅は約3 cmほどある[8]
利用

沖縄では公園樹街路樹、および防潮林防風林など多方面に広く用いられている[8]。美しい樹形と、台風が多い沖縄の気候ならびに土壌環境が合っており、琉球列島では極めて有用な樹種とされている[8]。緑化樹としても適しており、沖縄本島の高速道路の法面にも使われている[8]首里城の内外にも植栽されており、今帰仁城知念城座喜味城中城城などのグスクにも大きな株が見られる[8]

沖縄本島の仲原馬場周辺にある松並木は、今帰仁城とともに沖縄県の文化財に指定されている[8]。沖縄本島以外では、久米島の長岳松並木も有名である[8]

銘木として有名なものに沖縄県伊平屋村念頭平松久米島の五枝の松がある。戦前、沖縄本島の首里から普天間宮へ至る参道には、5キロメートル (km)にわたるリュウキュウマツの並木道、宜野湾並松(じのーんなんまち)が存在した。
リュウキュウマツをシンボルとする自治体

リュウキュウマツは、1972年(昭和47年)に沖縄県の県木として指定されている[8]

鹿児島県: 龍郷町, 奄美市

沖縄県: 座間味村, 今帰仁村, 宜野座村, 久米島町, 恩納村

かつて指定していた自治体(消滅)

具志川村

脚注^Conifer Specialist Group 2000. Pinus luchuensis. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ ⇒Pinus luchuensis Mayr リュウキュウマツ(標準)”. ⇒BG Plants 和名?学名インデックス(YList). 2024年4月29日閲覧。


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