「リモニン」とは異なります。
リモネン
(R)-(+)-リモネン
IUPAC名
1-Methyl-4-(1-methylethenyl)-cyclohexene
別称4-Isopropenyl-1-methylcyclohexene
p-Menth-1,8-diene
ラセミ体: dl-limonene; Dipentene
識別情報
CAS登録番号138-86-3
−74.35 °C, 199 K, -102 °F
沸点
175.5 °C, 449 K, 348 °F
比旋光度 [α]D87°? 102°
危険性
安全データシート(外部リンク)モデルデータシート
⇒ICSC 0918
NFPA 704210
RフレーズR10 R38 R43 R50/53
Sフレーズ(S2) S24 S37 S60 S61
引火点50 °C (122 °F; 323 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
リモネン (英語: limonene) は、柑橘類に含まれる代表的な単環式のモノテルペンである。化学式がC10H16で表され、分子量は136.23であり、常温常圧では無色透明の液体として存在する。キラル化合物であり、いずれのエナンチオマーも生合成されるものの、強いレモン臭がするのはd-リモネン[(+)-リモネン]の方である。なお、ラセミ体はジペンテンとも呼ばれる[1]。消防法に定める第4類危険物第2石油類に該当する[2]。
性質
リモネンの最も重要なエナンチオマーはd体で、柑橘類の果皮に多く含まれ、その香りを構成する物質の1つである。共役していないC=C二重結合を2つ有しており、やや化学的に不安定であり、酸化され易い。l体はハッカ油に含まれ、ラセミ体はテレビン油等に含まれる。いずれも香料としての用途があり、合成も行われている。スチレンモノマー(単量体)と構造が似ているためスチロール樹脂(ポリスチレン)を溶解する性質があり、特に柑橘類から採取されるd体は発泡スチロールの安全な溶剤として注目されている。また、洗剤やプラモデル用接着剤にも、リモネンを使った製品が登場している。