リポビタンD
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リポビタンD
販売会社大正製薬
種類栄養ドリンク指定医薬部外品
販売開始年1962年
完成国 日本
関係する人物王貞治
勝野洋
渡辺裕之
ケイン・コスギ
三浦知良
外部リンクhttps://brand.taisho.co.jp/lipovitan/lipod/
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リポビタンD(リポビタン・デー、Lipovitan D)は、大正製薬が販売する栄養ドリンク剤であり、同社の登録商標(第528525号ほか)である。キャッチコピーは「ファイト・一発!」、略称はリポD(リポ・デー)。

シンガポールタイ王国中華人民共和国フィリピンインドネシアアメリカ合衆国イギリスアラブ首長国連邦など15ヶ国以上のと地域で販売されている(効能容量成分が、販売国の法規制や宗教上の禁忌となる食のタブーで日本と内容物が異なる商品もある)。

2003年度末には販売開始からの累計出荷本数が200億本を突破した。2004年には年間約8億本が生産され、日本の栄養ドリンク市場において約5割の市場占有率を獲得する[1]、日本の栄養ドリンク業界を代表する商品となっている。以降はシリーズ展開をし続け、2016年段階では、累計販売本数が387億本と、大正製薬ホールディングスの売上高の2割を占めると言われている[2]
歴史

1960年に前身となる錠剤「リポビタン」とアンプル「リポビタン液」を発売し[3]、特にタウリン入りのリポビタン液が好評を博す中で、上原正吉社長がリポビタン液を飲みやすく改良し、一層の健康維持に役立たせるアイデアを発案[4]

アンプルからの大型化とともに、有効成分の味わいを薄め飲みやすいパイナップル風味の香料を加えた形で、1962年3月に医薬品として販売開始[4][1]。その翌年150円から100円に値下げした[1][5]1999年3月31日より医薬部外品へ移行し(2009年6月からは医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)改正により「指定医薬部外品」となった)、コンビニエンスストアキヨスクの一般小売店でも販売可能となった。

また自社の自動販売機で本製品の販売を開始したほか、2001年3月にはアサヒ飲料と提携し、アサヒ飲料(カルピスとの自動販売機部門の統合に伴い、アサヒカルピスビバレッジを経て、現在はアサヒ飲料販売)が管理する自動販売機での販売も開始されている。

商品ラベルは、発売時から一貫して青色を基調とし、歯車の模様が施されたデザインが使用されている。ロゴは発売当初はまっすぐ立つ字体だったが、後に現在の斜体に改められている(なおこの書体は「パブロン」、「アイリス」など、一部を除く大正製薬の製品に共通で使用されている)。歯車は「活力」「機械文明化」「体内の毒を汲み出す」こと、青色は「ドリンク」「清涼感」をイメージして採用された[1]。販売初期の頃には、兄弟品としてチューインガム「リポビタンガム」という商品も販売されていた。
由来

脂肪分解を意味するリポクラシス(lipoclasis、またはリポリシス lipolysis とも)と、ビタミンを合わせた造語である。これは、当初は強肝・解毒の効能を謳ったためである。

Dは、ディーではなくデーと発するのが正しい。公式Twitterによれば「ドイツ語の発音であるため」である[6]。なぜドイツ語なのかというと、そもそも「D」とは商品開発当時の開発番号に由来するもので、医療分野では伝統的にドイツ語が使われることが多く、そうした背景もあり「リポビタンD(デー)」になった[7]。ただし、登録商標は「リポビタンデー」での登録はなく、「リポビタンデイ」「リポビタンディー」となっている。

また、公式見解では「デリシャスなどを意味する」だが、社史では、先行商品「タウローゼC」、またこれとは別の「リポビタンC」に続くものという記号的意味でDを付したとある[8]
工場

日本国内で販売されるリポビタンDは、東日本新潟県長野県静岡県以東、北海道除く)向けは大正製薬羽生工場(埼玉県羽生市)、西日本富山県岐阜県愛知県以西)および北海道向けは大正製薬岡山工場(岡山県勝田郡勝央町)にて、それぞれ製造されている。

味はパイナップルなどの複数の果物を合わせて作った「ミックスフルーツフレーバー」で、全国に20名存在する「風味ソムリエ」とが、味や香りを調合している。尚、黄色い色は、ビタミンB2の色である[9]
コマーシャル
リポビタンD

「二人の男性俳優断崖絶壁を登ったり激流へと乗り出したりと、常にコマーシャルを見ている視聴者がハッとするような様々な困難に立ち向かう姿を見せ、その最も困難な場面において、ここぞというチカラを振り絞りながら「ファイトー!」「イッパーッツ!!(一発!)」と互いに叫びあい困難を乗り越える」という印象的なCMで有名である。このような男性俳優二人の起用によるコマーシャル形態をとったのは、1977年以降のことである。その当時からテーマは常に「努力・友情・勝利」[注 1]。スタントマンやCG等は使わず危険なアクションの全てを出演俳優自身が行っている。2009年6月に400作を超えた[10]。「ファイト一発!」のシーンのあと、液体の入った試験管が集まって回り、クローズアップされたあと一回転してリポビタンDのラベル付き瓶に切り替わり、それを片手で持ち親指1本でキャップが回転し瓶口から外れるシーンがある。

最近は著名人の2世かそれに近い俳優の起用が目立つ(宍戸開[注 2]、ケイン・コスギ[注 3]、滝川英治[注 4]、三浦貴大[注 5])。また現行路線の長期出演者である勝野洋、渡辺裕之は37歳で降板しているが、ケインは38歳になってからも続投している。

CM路線については「偉大なるマンネリ」と揶揄されている。撮影地を探して選ぶことに苦労しているようで、時にはスノーボード等時代の流行を取り入れたりもしている。

2001年から大正製薬ラグビー日本代表のオフィシャルスポンサーになり[11][12]、2002年からはラグビー日本代表戦は国内開催においては「リポビタンDチャレンジカップ」、海外遠征では「リポビタンDツアー」の冠名がつく[13]。2020年4月1日からは「ラグビー日本代表トップパートナー」として、ラグビー日本代表4チーム(男子15人制女子15人制男子7人制女子7人制)の最高位スポンサーとなっている[14][15]

2015年4月より、「新シリーズ」と銘打ち、「スポーツと真剣に向き合う選手たちに、熱いエールを贈る」というスタイルが取り入れられた[16]。第一弾には、プロ野球独立リーグBASEBALL FIRST LEAGUE兵庫ブルーサンダーズの選手による試合・練習風景が、崖の上で「ファイト!」と叫ぶケイン・コスギの映像と組み合わせた形で登場した(最後に選手たちが「一発!」と全員でポーズを取る)[16]。同年7月からは、ラグビー日本代表チームが宮崎県で行われた合宿に同行撮影し、1,000分以上にも及ぶ膨大な撮影時間から選ばれたカットが用いられた[16]

2016年9月に従来のCM演出を止め、三浦知良大谷翔平両名のスポーツ選手をメインとした爽やかなイメージのCMに転換した。「ファイト一発!」の台詞こそ残ったが、メインのキャッチコピーは「Have a Dream」となっている。背景には、エナジードリンクに押されてリポビタンDの売り上げが低迷している現状がある[注 6]。大正製薬の上原健副社長は、「汗と筋肉で表現していた高度成長時代の『頑張って頑張って頑張る』は今の時代に合わなくなってきた」と述べている[17]

2017年9月、テレビCMで三浦知良と共演しているプロ・クライマー大場美和と、ケイン・コスギによるリメイクCM「危機一髪(一発)CM」をweb限定で公開。

2018年11月1日、B’z兵、走る」(つわもの、はしる) が「リポビタンD ラグビー日本代表応援ソング」としてリリース[18]。以降、リポビタンDのCMにおいて、ラグビー日本代表出演バージョンや、ラグビー試合会場内CMのほか、ワールドカップ2019の日本代表試合会場でも流れ[19][20][21][22]、2023年に至るまで、日本代表戦の国内会場で選手入場時やハーフタイム、試合後などに流れている[23]

2021年7月から、木村拓哉をメインキャラクターで起用したシリーズを展開し、「ファイト、イッパツ」のフレーズを極力目立たせない構成にした[24][25][26]。ラグビー選手やゴルフ選手などアスリートが登場するバージョンでは強い表現で「ファイト イッパーツ!」を使用している[27][28]

2022年1月1日から大正製薬ニュージーランドラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーとなった[29][30]。また、南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」のうち、ニュージーランドで開催される試合のオフィシャルタイトルパートナーにもなり、同大会ニュージーランド国内開催試合は「LIPOVITAN-D RUGBY CHAMPIONSHIP(リポビタンD ラグビーチャンピオンシップ)」と称する[31][32]

2023年からは、ラグビーワールドカップ2023をひかえて、日本代表ニュージーランド代表の双方の試合風景とチームロゴを使ったテレビCM(「ラグビー日本代表×ALL BLACKS」篇)を展開している[33][34]
歴代の出演者

1962年:-
宮本敏雄プロ野球選手/当時:読売ジャイアンツ

1963年 - 1971年:王貞治(プロ野球選手/当時:読売ジャイアンツ、現:福岡ソフトバンクホークス取締役会長)

この当時は「ファイトで行こう!!リポビタンD」というフレーズだった。2005年の限定版復刻ボトルのCMでも当時の画像が放送されている。なお、王がランニングホームランを打つという設定のCMも存在するが、公式戦では全てのホームランは外野フェンス越えであり、ランニングホームランは1本も打っていない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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