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リポタンパク質(リポタンパクしつ、(英: lipoprotein)は、脂質が血漿中に存在する様態で、脂質とアポタンパク質が結合したものである[1]。
脂肪酸のような分極した分子を除き(遊離脂肪酸)、脂質を血漿中に安定に存在させるには、タンパク質(アポタンパク質と呼ぶ)と結合させる必要がある。リポタンパク質は、トリアシルグリセロール(トリグリセリド、中性脂肪)および、細胞の生命維持に不可欠なコレステロールを多く含む球状粒子である。カイロミクロン(キロミクロン、CM:chylomicron)、超低密度リポタンパク質(VLDL:very low density lipoprotein)、中間密度リポタンパク質(IDL:intermediate-density lipoprotein)、低密度リポタンパク質(LDL:low density lipoprotein)、小粒子低密度リポタンパク質(sdLDL:small dense low density lipoprotein)、高密度リポタンパク質(HDL:high density lipoprotein)の各種類があり、比重が大きいほど粒子が小さくなり、アポリポタンパク質の割合が高く、逆に脂質の割合が低い。
疾患との関連は、脂質異常症の項を参照。 リポタンパク質は、電気泳動法または超遠心法にて分類される。通常見られるリポタンパク質は次のようなものである。 3者の違いは、アガロースゲル法はリポタンパク質を荷電の差で(主にアポタンパク質の含量による)分析し、ポリアクリルアミドゲルディスク法では、主にリポタンパク質の粒子サイズの順に分析され、超遠心法はリポタンパク質の粒子の密度(体積あたりの重量)で分析される。3者の間にはおよそ次の対応関係があるが正確ではない。 〇アガロースゲル法は、PAGE法との最も大きな違いが、粒子の大きいVLDLが先に泳動され、IDL 、LDLやsdLDLが検出され難いことがある。 〇超遠心法は、重力で各分画を分離分取した後の、リポタンパク質をコレステロールやTGやリン脂質を個別測定をしなければならない。またカイロマイクロンは非常に壊れやすく測定が難しいと言われている。 〇構成アポタンパク質 カイロミクロンを構成するアポタンパク質は、アポB48で外因性リポタンパク質と呼ばれ、VLDLは主にアポEとC、アポB100、LDLはアポB100、HDLは主にアポA1、A2で構成され、内因性リポタンパク質と呼ばれる。VLDLがトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、IDLと称する。またLDL粒子がトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、small dense LDL(sdLDL)と言う。ディスク電気泳動法では、IDLはミッドバンドとも呼ばれている。 0.94 g/mL 未満のリポタンパク質で、直径は 180 - 500 nm 程度[2]。 カイロミクロン中には約1:10の割合でコレステロールとトリアシルグリセロール(TG)が含まれる。腸管から吸収された脂質が腸管粘膜でリポタンパク質に再構成され、リンパ管を通り中枢である肝臓に運ばれる。その役割を果たすのがカイロミクロンである。
概要
電気泳動法(アガロースゲル法)では、陰極に近い方から
カイロミクロン (原点位からβリポ蛋白位に来るリポタンパク質の一群で、ブロード状になる特徴がある)
βリポタンパク (血漿タンパク分画で、β位に来るリポタンパク質を一群を指す)
pre-βリポタンパク (血漿タンパク分画で、β位より陽極側に来るリポタンパク質の一群を指す)
αリポタンパク (血漿タンパク分画で、α位に来るリポタンパク質の一群を指す)
電気泳動法(ポリアクリルアミドゲルディスク法、PAG法)では、陰極に近い方から
カイロミクロン
VLDL
IDL
LDL
sdLDL
HDL
超遠心では、比重の軽い方から
カイロミクロン
VLDL
LDL
HDL
βリポタンパク - LDL
pre-βリポタンパク - VLDL
αリポタンパク - HDL
種類
カイロミクロン(CM)詳細は「カイロミクロン」を参照