リボソーム
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脂質二重層でできた小胞の「リポソーム」とは異なります。

細胞生物学
動物細胞の模式図
典型的な動物細胞の構成要素:
核小体

細胞核

リボソーム (5の一部として点で示す)

小胞

粗面小胞体

ゴルジ体 (またはゴルジ装置)

細胞骨格 (微小管, アクチンフィラメント, 中間径フィラメント)

滑面小胞体

ミトコンドリア

液胞

細胞質基質 (細胞小器官を含む液体。これを元に細胞質は構成される)

リソソーム

中心体

リボソーム(: ribosome : Ribosom、リボゾーム)は、すべての細胞に存在する生体タンパク質合成(mRNAの翻訳)を行う分子機械である。リボソームは、伝令RNA(mRNA)分子のコドンによって指定された順序でアミノ酸をつなぎ合わせ、ポリペプチド鎖を形成する。リボソームは、リボソーム小サブユニットとリボソーム大サブユニットという2つの主要な構成要素からなる。それぞれのサブユニットは、1つまたは複数のリボソームRNA(rRNA)分子と多数のリボソームタンパク質(英語版)(RPまたはr-タンパク質)から構成されている[1][2][3]。リボソームとそれらが会合する分子を合わせて翻訳装置(translational apparatus)とも呼ぶ。
概要図1: リボソームは、メッセンジャーRNA分子の配列によって制御される高分子タンパク質分子を組み立てる。これは、すべての生細胞や関連するウイルスにとって必要である。

タンパク質を構成するアミノ酸の配列をコードするデオキシリボ核酸(DNA)の配列は、mRNA鎖に転写される。リボソームはmRNAに結合し、その塩基配列から、特定のタンパク質を生成するための正しいアミノ酸の配列を決定する。アミノ酸は、転移RNA(tRNA)分子によって選択され、リボソームへと運ばれ、アンチコドンステムループを介してmRNA鎖に結合する。mRNAの各コーディングトリプレット(三連符、コドン)に対して、アンチコドンが正確に一致した固有のtRNAがあり、成長するポリペプチド鎖に組み込むために正しいアミノ酸を運ぶ。タンパク質が生成されると、折り重なって機能的な三次元構造を形成することができる。

リボソームは、リボ核酸(RNA)とタンパク質の複合体(英語版)からなるリボ核タンパク質複合体(英語版)である。各リボソームは、サブユニットと呼ばれる小サブユニット(30S)と大サブユニット(50S)が互いに結合して構成される。

小サブユニット(30S)は主に解読機能を担っており、mRNAとも結合する。

大サブユニット(50S)は主に触媒機能を担っており、アミノアシルtRNAとも結合する。

タンパク質が構成要素から合成される過程は、開始、伸長、終結、リサイクルの4つの段階で行われる。すべてのmRNA分子の開始コドンはAUGという配列を持っている。終止コドンはUAA、UAG、UGAのいずれかであり、これらのコドンを認識するtRNA分子が存在しないため、リボソームは翻訳の完了を認識する[4]。リボソームがmRNA分子の読み取りを終えると、2つのサブユニットが分離し、通常は分解されるが、再利用されることもある。リボソームはリボザイムの一種であり、リボソームRNAは触媒的アミノ酸をに結合するペプチジルトランスフェラーゼ(英語版)活性を担っているからである[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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