リベラルアーツカレッジ
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アメリカ、ニューイングランドの伝統的なリベラルアートカレッジ、セント・アンセルムカレッジ

リベラル・アーツ・カレッジ(英語: Liberal arts college, LAC)は、アメリカ合衆国において人文科学自然科学社会科学及び学際分野にわたる学術の基礎的な教育研究を行う四年制大学(主に学士課程)。全寮制少人数教育を特徴とする。ほとんどの場合、大学院がなく、教授学部学生の教育に専念する。本稿では、アメリカ合衆国の事例を主として扱う。
目次

1 リベラル・アーツ・カレッジの特色

2 リベラル・アーツ・カレッジの学生の様子

3 リベラル・アーツ・カレッジの歴史

4 著名なリベラル・アーツ・カレッジ出身者

5 名門リベラルアーツ・カレッジ

6 日本における事例

7 参考文献

8 脚注

9 関連項目

10 外部リンク

リベラル・アーツ・カレッジの特色

アメリカの大学ランキング[1]では、大学院を持つ大きな総合大学(University)とリベラル・アーツ・カレッジとに分けられている。総合大学に対して、リベラル・アーツ・カレッジでは、少人数体制による教育が行われる。自治体の予算上の制約があることの多い州立大学や、研究中心の総合大学では、学部学生に対する教育がやや軽視される傾向がある。州立大学では大学院生のティーチングアシスタント(日本ではTAと略されることも多い)などが授業をしたり、一度に大人数の学生を相手にするマスプロ的な講義が多くなったりるする傾向がある。それに対して、リベラル・アーツ・カレッジでは、教授が直接少人数の学部学生を教育する。教員と学生とのつながりが非常に強い。また少人数であるために学生同士の絆も強い。理工系を志す学生には学部学生のための研究プロジェクトに参加する機会も多い。一流のリベラル・アーツ・カレッジ卒業生は、その後、研究総合大学の大学院専門職大学院、またはメディカル・スクールや、ロー・スクールへ進学することが多い。 シカゴのシマーカレッジのゼミ

リベラル・アーツ・カレッジは、その多くが学生数が1,000人から2,000人程度の小規模な私立大学である。(ハーバード大学の学部生数は6,500人程度)。学生1人当たりの教育経費が高いため、総じて学費は高いが、一流のリベラル・アーツ・カレッジでは、卒業生の寄付や各種財団やNIH、NSFからの資金があり、恵まれた研究教育環境を有する。学費や寮費に関しては、学生の親や本人の資産や収入を考慮した上で、奨学金が給付される。ほとんどのリベラル・アーツ・カレッジでは、学士課程教育のみを行い、大学院を設置しない。学生たちは、自然科学社会科学人文科学にわたる諸分野の中から様々な授業を履修し、通常、2年目の終わる前に学位を取得するための専攻を選択する。実験や実習を伴う授業も多く、美術や音楽の本格的な実技が開講される大学も少なくない。実験や実習を必要としない授業の場合は、多くの文献を短期間に読みこなし、それをもとに少人数でプレゼンテーションや議論やリサーチペーパーを書くといった流れが主となる。

リベラル・アーツ・カレッジの中には女子大学もあり、ヒラリー・クリントンが卒業したウェルズリー大学のほか、スミス大学マウント・ホリヨーク大学などが挙げられる。
リベラル・アーツ・カレッジの学生の様子

リベラル・アーツ・カレッジは主に人口数千人から数万人の地方都市にあることが多い。また全寮制の場合も多い。毎日の学生生活のほとんど全てがキャンパス内で完結する。

リベラル・アーツ・カレッジには、少人数制ゆえに学生に対する面倒見がよい、都会的な刺激が少ないため勉強に集中できる、などのメリットがある。また、様々な専攻・副専攻を履修することが可能なため、学生自身が自らの進路を考える機会を提供するという機能も果たしている。

学生の親にとっても、都会より治安もよく、一日三食の食事が出され、看護師や警備員がいる寮に生活するリベラル・アーツ・カレッジは、安心して子どもを任せられるとの評判がある。特に上流階級、アッパーミドル階級(一般に世帯年収10万ドル以上)の親は、子どもが自らの将来をゆっくり考えるために大自然の中で勉学に励むことが、社会へ出るための大切な訓練であるとして高く評価している人々が多い。名門リベラル・アーツ・カレッジでは同窓生のネットワークが発達しており、大学院修了後の就職活動や社会人になってからのビジネス・ネットワークに好影響を与える。

このように、リベラル・アーツ・カレッジはアメリカにおける上流階級やアッパーミドル階級の価値観を大きく反映しており、実際に上流階級やアッパーミドルクラス出身の学生が多い。多くの大学は、広報活動や奨学金制度などを通じて、人種的マイノリティーを含む社会・経済的弱者層に属する学生の受け入れにも熱心である。奨学金を得ている学生が半数を超える学校も多い。
リベラル・アーツ・カレッジの歴史

もともと教会から発展したものが多く、エリート養成機関としての役割を担ってきた。


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