リベットの定理(リベットのていり、Ribet's theorem)とは、モジュラー形式に関連するガロア表現の性質に関する定理である。ケン・リベットによって1986年に証明されるまではイプシロン予想(epsilon conjecture、ε-conjecture)とも呼ばれていた。谷山・志村予想とイプシロン予想からフェルマー予想(フェルマーの最終定理)が導かれるため、リベットによる証明はフェルマー予想の解決にとっても重要な一歩であった。
数学的な用語では、リベットの定理は、楕円曲線に関連するガロア表現が特定の性質を持つ場合、その曲線はモジュラーではあり得ない(同じ表現を生じさせるモジュラー形式が存在し得ないという意味で)ことを示す[1]。 f を Γ0 (qN) に関する重さ2の新形式
主張
リベットの定理は、このときレベル N 重さ2の新形式g が存在して、 ρ f , p ≃ ρ g , p {\displaystyle \rho _{f,p}\simeq \rho _{g,p}} が成り立つことを主張するものである。
特に E が Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上の楕円曲線で導手 qN なら、谷山・志村予想によりレベル qN 重さ2の新形式 f であって付随する 2次元 mod p Galois 表現 ρf, p が E の2次元 mod p Galois 表現 ρE, p と同型になるものが取れる。
ここで ρE, p にリベットの定理を適用したいが、そのためには ρE, p の既約性と分岐性を調べる必要がある。テイト曲線(英語版)の理論を使えば、ρE, p が q ≠ p で不分岐であり、qが極小判別式を割る場合 q = p において有限平坦であることを示せる。よってリベットの定理が使え、レベルN重さ2の新形式 g であって ρg, p ? ρE, p であるものの存在が示せる。 リベットの定理は、導手 qN の楕円曲線 E に対して ρE, p ? ρE' , p となるようなレベル N の 楕円曲線 E' が存在することを保証しない。 レベル N の新形式 g は有理数でない フーリエ係数を持つ可能性があるため、付随する アーベル多様体は一般に楕円曲線とは限らない。 たとえば、クレモナ データベースの楕円曲線 4171a1 は次の方程式で与えられる。 E : y 2 + x y + y = x 3 − 663204 x + 206441595 {\displaystyle E:y^{2}+xy+y=x^{3}-663204x+206441595} ここで導手 43 × 97 、判別式 437 × 973 である。これを使用すると、mod 7で 導手 97の楕円曲線にレベル下げすることは出来ない. むしろ、mod p ガロア表現はレベル 97 の 非有理新形式 g' の mod p のガロア表現と同型です。 ただし、レベルを下げた新形式のレベル N に比べて十分に大きい p の場合、有理新形式 (楕円曲線など) は別の有理新形式 (楕円曲線など) に下がります。 特に p ≫ N N 1 + ε {\textstyle p\gg N^{N^{1+\varepsilon }}} の場合、mod p 有理新形式のガロア表現は、レベル N の非有理新形式と同型ではない。[2] 同様に、Frey-Mazur 予想は、十分に大きい p (導手 N から独立) に対して、楕円曲線は次のように予測します。 同型 なmod p ガロア表現は実際には isogenous であるため、同じ導手を持ちます。[訳語疑問点] したがって、有理新形式間の非自明なレベル下げは、大きな p (p > 17) では発生すると予測されません。 Yves Hellegouarch(フランス語版 であるとき、対応するフライ曲線
レベル下げ
歴史
これは Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上で定義される種数1の非特異代数曲線であり、その射影閉包は Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上の楕円曲線である。
1982年にゲルハルト・フライが同じ曲線の珍しい性質に注目し、現在ではフライ曲線と呼ばれている。[4]これは、FLTの反例がモジュラーでない曲線を作ることを示し、フェルマーと谷山の架け橋となった。 この予想は、フライが谷山・志村予想がFLTを含意することを示唆したときに大きな関心を集めた. しかし、彼の議論は完全ではなかった[5][6]。これは谷山・志村予想の半安定の場合の証明がFLTを暗示することを示した。 Serreは完全な証明を提供せず、欠落したビットはε予想またはε-予想として知られるようになった。 1986年の夏、ケン・リベットがε予想を証明し、それによってモジュラー性定理がFLTを含意することが証明された[7]。
名前の由来は「谷山・志村予想+ε ⇒ フェルマー最終定理」のεの部分から。[要出典] 指数 p ? 5 のフェルマー方程式にゼロ以外の整数 解a, b, cがあると仮定します。 対応する Frey 曲線 Eap,bp,cpは 極小判別式 が 2?8 (abc)2pに等しい楕円曲線です。 その導手 N は abc の 根基
「谷山・志村予想+ε ⇒ フェルマー最終定理」の導出