リビア軍
リビア軍(リビアぐん、英語 : Libyan Armed Forces)は、リビアにおける軍事組織。リビア政府の正規軍として、陸海空三軍を擁する[2]。
リビア軍の起源は、第二次世界大戦中のリビア・アラブ軍まで遡ることができる。エジプトに逃亡していた部族のリーダーが各部族に呼びかけ、北アフリカ戦線において連合国軍に協力を行なった。これは戦後に治安維持組織となり、1951年のリビア王国独立とともにリビア軍となった。1986年にはテロ攻撃の報復としてアメリカ合衆国からトリポリなどに爆撃を受けている。 2011年リビア内戦ではNATO軍や反政府軍と交戦し、カダフィ政権崩壊によってリビア軍は一旦消滅した。その後、暫定政権によりリビア軍が再建される。 2014年より発生した対立の中で、陸軍および空軍が反政府勢力であるリビア国民軍(LNA)につき、政府の指揮下にあるのが海軍のみという状況になっていた。そのため、政府側の陸軍および空軍が再編された。 リビア陸軍は兵力約5万人で、1個保安旅団(第32保安旅団)のほか、10個戦車大隊、10個機械化歩兵大隊、18個歩兵大隊、6個コマンドー大隊、22個砲兵大隊、4個地対艦ミサイル大隊、7個防空大隊などからなる[6]。冷戦期の1970年代から1980年代にかけては、ソビエト連邦からの大規模な支援を受けていた。また、チャド内戦
イドリース1世のリビア君主制下の元の軍隊は、イギリスとアメリカ合衆国によって訓練された。カダフィが1969年に政権を握って以来、リビアはソビエト連邦から軍事援助を受けた。リビア軍は、エジプト・リビア戦争(英語版)(1977年)やチャド・リビア紛争(1978年-1987年)など、いくつかの戦争で戦った。2011年リビア内戦とカダフィ政権の崩壊後、軍隊は主に地元の民兵で構成され、頻繁に創設または活動を停止し、一時的に交代する同盟を結んだ[3]。2015年から2018年にかけて、ハリファ・ハフタルは、2015年にトブルクの代議院によって軍の最高司令官に任命された後、多くの民兵をリビア東部の規則的な階層構造のリビア国民軍(LNA)に統合した[3]。 2019年11月の時点で、LNAの通常の中核(約7000人の兵士)はサラフィスト民兵と外国の傭兵(約18000人の兵士)によって補完された[3] [4]。2019年の時点で、国際的に認められた国民合意政府(英語版)(GNA)は名目上リビア軍を構成する民兵の正式な支配を維持し、リビア空軍はLNAとGNAが支配する構成要素に分割された[3]。海軍と沿岸警備隊は主にGNAの管理下にあった[5]。LNAの管理下にあるいくつかの沿岸哨戒艇で[3]。 2021年、すべての軍隊支部(ハフタル軍を除く)は、2014年リビア内戦の停戦後、リビアの新大統領である挙国一致内閣のムハンマド・アル=メンフィの指揮下に置かれる予定である。
概要
リビア陸軍
歩兵はAK47を主力小銃にFN FALなど西側由来の武器も配備されている。IISSの2009年報告においては、T-72が主力戦車であり、他にT-62やBMP-1の保有が報告されている。「リビア陸軍 (1951年-2011年)(英語版)」も参照 リビア空軍
リビア空軍
内戦前の主な機材は、MiG-23、Su-22、Mi-24など。フランス製ミラージュF1も保有していた。
2011年3月、国際連合安全保障理事会決議1973に基づいて介入した諸国の攻撃により、リビア空軍は諸国の空軍と一戦を交えたが、壊滅状態に陥ったと報じられた[9]。リビア空軍は、旧式の機体で構成されているため被害も大きく、撃墜されるリビアのMiG-23が映像として残されている。
現在の保有機(多くはリビア人民軍のもの)[10]
戦闘機・攻撃機
ミラージュF1 2機(マルタへ亡命していた機体)
MiG-21 10機
MiG-23 10機
Su-22 2機
Su-24 2機
練習機
ソコ G-2 14機
L-39 10機
アエロマッキSF.260 38機
輸送機
IL-76 1機
IL-78 1機
An-26 1機
An-32 1機
An-72 1機
C-130 2機
回転翼機
CH-47 3機
Mi-2 4機
Mi-8 7機
Mi-14 3機
Mi-24 8機
AW139 1機
無人機
Aeryon Scout 1機
対空ミサイル
SA-2
SA-5
リビア海軍「リビア海軍艦艇一覧」も参照
リビア海軍(英語版)は1962年に設立された。2隻のフリゲートを主力に、地中海に展開している。リビアからヨーロッパ大陸を目指す難民を摘発・救助するため、沿岸警備隊とともにイタリア海軍など欧州連合(EU)から支援・訓練を受けている[11]。