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1970年に開催された大阪万博で展示された国鉄のリニアモーターカーの模型や古河パビリオンを描いたシャールジャの切手。
リニアモーターカー(和製英語: linear motor(motour) car、略語:リニア)とは、リニアモーターにより駆動される乗り物。超電導リニアの最初の開発者であった京谷好泰が名付けた和製英語である。日本では主に超電導磁気浮上式鉄道(英:Maglev、マグレブ)を指す[1]。
リニアモーターは、一般に円筒状と円柱状の固定子と回転子から成るモーターを、帯状に展開し、回転運動の代わりに直線運動をするようにしたような形態のモーターである。リニアモーターカーは、リニアモーターにより直接進行方向に加速及び減速する(鉄道)車輛である。
主な種別として、磁気で車体を浮上させて推進する磁気浮上式と、浮上させず車輪によって車体を支持し、推進及び電磁ブレーキにリニアモーターを利用する鉄輪式が、現在実用化されている。
また、その他の分類としては、「軌道一次式」と「車上一次式」がある。これは要するに回転式モータの場合の、「固定子一次式」と「回転子一次式」のようなもので、(常伝導の)電磁石により極性を変化させて駆動力を発生させる側がどちらか、ということである。電磁石で可変の側が一次側であり、永久磁石や超伝導磁石による固定極あるいは誘導電流を受動的に発生するためのコイルや導体のみの側が二次側である。
旧国鉄・JRの超電導リニアの場合、超伝導磁石は磁極固定式でありまた軌道側に敷設するのは非現実的なので、必然的に軌道一次式となる。多くの鉄輪式リニアは逆に、軌道側に制御系を持たせるよりも車両側に持たせるのが現実的なので、車上一次式である。
なお、二次側の構造が「推進用コイル」と称されるものであるか、「リアクションプレート」と称されるものであるか、という違いには基本的には意味は無く、軌道一次式と車上一次式という語の説明に持ち出す必要は無い。
種類
空気浮上式詳細は「空気浮上式鉄道」を参照
アエロトラン S44 - Merlin-Gerin社によって供給されたリニア誘導モータを備えた。
UTACV - 1970年代に開発されたアメリカの空気浮上式リニアモーターカー試験車両
トラックト・ホバークラフト - イギリスの空気浮上式リニアモーターカー試験車両
空気浮上式新交通システム - ゼネラルモーターズの開発、およびそれを引き継いで日本オーチスによりリニアモータ推進タイプの実用化に向けた開発が行われ、実験線での評価までは行われたが、2018年現在での営業例は全てケーブルカーのように鋼索で牽引する方式に変更されたタイプである。低速での効率などはケーブルのほうに利点がある。
磁気浮上式磁気浮上式リニア(超電導リニア L0系) - 鉄道の試験走行として世界最高速度の603km/hを記録している磁気浮上式リニア(上海トランスラピッド) - 世界最高速の営業運転 (430km/h) を行っている磁気浮上式リニア (HSST) - 愛知高速交通100形(リニモ)詳細は「磁気浮上式鉄道」を参照
磁気浮上式リニアモーターカーは、磁気浮上式鉄道であって、かつ同時に、リニアモーターで加減速される。超電導リニアは電磁誘導浮上支持方式(EDS)であり(宮崎実験線では床部分のコイルによる反発式だったが、山梨実験線では側壁に推進用と浮上用の両方のコイルがあり、浮上には反発と吸引が併用される)、HSSTやトランスラピッドは吸引式の電磁吸引支持方式(EMS)である。超電導リニアは浮上に誘導電流を利用するというそのメカニズム上、低速時には浮上しないため、引込式のゴムタイヤ車輪を装備しており、停車・低速時や緊急停止時にはタイヤで車体を支持する。
日本初の営業運転は、HSSTによる1989年の横浜博覧会におけるYES'89線である。運行されていたのは博覧会の期間中であったが、展示走行[要曖昧さ回避]ではなく、磁気浮上式鉄道として運輸当局の第一種鉄道事業として営業運転免許を得た旅客輸送であった。 現在営業運転を行っているものは、日本では愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)、中国では上海トランスラピッド・長沙磁浮快線・北京地下鉄S1線、韓国ではエキスポ科学公園線・仁川空港磁気浮上鉄道である。その他は実験・試験[要曖昧さ回避]段階にとどまるか、すでに廃止されている。日本では将来において2027年を目処に首都圏(品川駅) - 中京圏(名古屋駅)間を結ぶ中央新幹線の営業運転開始を目指している。 鉄輪式リニアモーターカーは、推進力(動力)にリニアモーター(もっぱらリニア誘導モーター)を使用し、車両の支持・案内にはレールと車輪を使用する。原理から来る構造により、車高を低く抑えることが可能であることや、鉄車輪と鉄軌条の摩擦力に頼る一般的な粘着式鉄道と比べ、推進力を車両に対して直接発生させる方式であることから車輪の直径を小さくすることができ、その上で急勾配や急曲線にも強い、などといった特徴がある。日本ではトンネル断面を小さくしても車内を広く取れるという利点から、地下鉄への採用が1990年代以降広がった。 鉄輪以外にゴムタイヤ式なども原理的には可能であるが、もともとエネルギー効率が低いという性質から、さらに転がり抵抗の大きいゴムタイヤと組み合わせた営業線での例は見られない。車体側の台車底面にはコイルを取付け、地上側にはリアクションプレートを軌道中央に取付けて固定している。走行の際には、車両側のコイルに三相交流を流すことで、誘導電動機の回転磁界に相当する移動磁界が発生する。これによりリアクションプレートに渦電流による磁界が発生して、車体側のコイルとリアクションプレートの間で磁力の吸引・反発が相互に働いて車両に推進力を発生させる。
世界での実用化プロジェクト
鉄輪式鉄輪式リニア(横浜市営地下鉄グリーンライン)鉄輪式リニア(広州地下鉄4号線)鉄輪式リニアのリアクションプレート(レール間に敷設されている) - 馬込車両検修場リムトレン 鉄輪式リニア in さいたま博