リトアニア語
lietuvi? kalba
発音IPA: [l????t?v?u? k???b?]
話される国 リトアニア
ポーランド
ベラルーシ
ラトビア
ロシア
エストニア
地域北ヨーロッパ
話者数280万(2021年)[1]
話者数の順位100位以下
言語系統インド・ヨーロッパ語族
バルト語派
東バルト語群
リトアニア語
表記体系ラテン文字
公的地位
公用語 リトアニア
欧州連合
統制機関 国家リトアニア語委員会
言語コード
ISO 639-1lt
リトアニア語(リトアニアご、リトアニア語: lietuvi? kalba)は、主にリトアニアおよびその周辺国の一部の地域で用いられている言語。インド・ヨーロッパ語族のバルト語派に属す。リトアニアの公用語で、話者人口はおよそ302万人[2]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}漢字表記では里都亜尼亜語, 省略形は「里語」.[要出典] リトアニア語は主にリトアニアで話されている。その他にもベラルーシ、ラトビア、ポーランド、カリーニングラード州(ロシア)に住むリトアニア人の間でも話されており、またリトアニア系移民も含めると、アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国、アルゼンチン、イギリス、ウルグアイ、エストニア、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ノルウェー、ブラジル、フランス、ロシアでも話されている。 リトアニアでは、2,800,000人(2012年)がリトアニア語を母語としている。また2013年の統計によると、ポーランドにおいて5,050人の話者がいると報告されている[3]。 リトアニア語はリトアニア共和国の公用語で、また欧州連合 (EU) の公用語でもある。 リトアニア語には、主に内陸側のアウクシュタイティヤ方言(高地リトアニア語)と海岸側のジェマイティヤ方言(低地リトアニア語)の2つの主要な方言 (tarm?s) がある。標準語とジェマイティヤ方言の違いは顕著である。現在のジェマイティヤ方言は13世紀から16世紀にクロニア語の影響を受けながら形成されていった。これらリトアニア語の方言はリトアニアの民族誌上の地方と強く関連している。 2つの方言は、さらにそれぞれ3つずつの下位方言 (patarm?s) に分けられる。ジェマイティヤ方言には西部下位方言、北部下位方言および南部下位方言があり、アウクシュタイティヤ方言には西部下位方言、東部下位方言、および南部下位方言がある(東部と南部の下位方言はズーキヤ方言とも呼ばれる)。下位方言はさらに細かな話し言葉 (?nektos) に分けられる。 リトアニア語の標準語は西部アウクシュタイティヤ方言をもとにつくられているが、語彙などは他の方言からの影響も顕著である。 リトアニア語の表記には、以下の32文字からなるラテン文字を用いる。ダイアクリティカルマークの付いた9文字( ? 、? 、? 、? 、? 、? 、? 、? および ? )を含み、q 、w および x は含まない。ただし外国語の表記にはこれらが用いられることもある。 リトアニア語の辞書では、通常 c と d のあいだに ? が、s と t のあいだに ? が、z の次に ? がくるように並べられており、a と ? 、e と ? と ? 、i と ? と y 、u と ? と ? はそれぞれ区別しない。 y が x と z のあいだではなく i や ? と区別されずに並べられている点で、他のラテン文字を用いる言語とは異なる順序となっている。
地理分布
公用語
方言詳細は「リトアニア語の方言」を参照「サモギティア語」も参照リトアニア語の方言[4]。黄、赤、茶色はジェマイティヤ語、緑、青、紫色はアウクシュタイティヤ語
文字と発音
表
話
編
歴
リトアニア語アルファベット
A
?
B
C
?
D
E
?
?
F
G
H
I
?
Y
J
K
L
M
N
O
P
R
S
?
T
U
?
?
V
Z
?
a
?
b
c
?
d
e
?
?
f
g
h
i
?
y
j
k
l
m
n
o
p
r
s
?
t
u
?
?
v
z
?
基本的には1字1音であるが、dz 、d? および ch はそれぞれ2字で1音を表す。
また、母音字はもともとあった鼻母音( ? 、? 、? および ? )が長母音に変化したため、現代では a および e がアクセントの関係で長母音化したときにそれぞれ ? 及び ? と同じ発音になり、y は ? と、? は ? とそれぞれ同じ発音になっている。
二重母音は基本的にai, au, ei, ie, ui, uoの六種が存在する。また、混合二重母音としてan, am, ar, al, en, em, er, el, in, im, ir, il, un, um, ur, ulが存在する。これらはいずれも一まとまりの音として扱われる。たとえば、tiltas 〈橋〉や?virblis 〈雀〉の"il", "ir"の様に後ろに他の子音が続いているものは混合二重母音であるが、?ilas 〈白髪の〉やkibiras 〈バケツ〉の"il", "ir"の様に後ろが母音であるものは混合二重母音にはあたらない。 アクセントは単純な強弱(ストレス)アクセントではなく、声調(トーン)と呼ばれる音節内での音の高低に、音の強弱・長短、及び母音の質が関わった複雑なものとなっている。このため、リトアニア語が純粋な音調を持つ言語であると断言するには難がある[5]。リトアニア語の伝統的な辞書においては、アクセントを表すための記号としてグラーヴェ、アキュート、チルダの三種類が用いられる。これらの記号は通常の正書法においては表記されないが、同じ表記でもアクセントが異なる語を区別する際には用いられる事がある(具体例: auk?tas リトアニア語では名詞や形容詞が格変化する際にアクセントの位置や種類が変化する場合と変化しない場合とが存在する。この規則性を捉えるための概念が、アクセント・タイプ(kir?iuot? どの格変化でもアクセントの位置が変化しない。2音節の名詞であれば、最初の音節に必ず下降アクセントが来る(語例: duona 大部分の格変化において語末から2番目の音節に短アクセントもしくは上昇アクセントが来る。この型の名詞のいずれにも共通する要素は、対格複数形および具格単数形において語尾に短アクセントが現れるという点である(語例: r??stas 上記2つの型に比べ、格変化した際に語尾にアクセントが現れる割合が多い。2音節の語であれば語頭に現れるのは下降アクセントである(語例: kovas (3)と同様、格変化形の語尾にアクセントが現れる割合が多い型であるが、更に(2)と同じく対格複数形と具格単数形の語尾には短アクセントが来る。2音節の語であれば、語頭に現れるのは短アクセントもしくは上昇アクセントである(語例: var?das 音節の数や語尾の形により、現れるアクセント・タイプの種類が異なってくる。 2音節の形容詞のアクセント・タイプは基本的に(3)および(4)の2種類に大別される(語例: ?altas 3音節以上の形容詞には(1)の型に属するものが多い(語例: raudonas 文法上の性の区別や7つの格を持つことなどから、現代語の中ではインド・ヨーロッパ祖語に近い形式を残しているとされる。 リトアニア語の名詞および形容詞には性 (gimin?) の区別が存在する。名詞には男性名詞と女性名詞があり、中性名詞は存在しない。形容詞に関して言えば、名詞を修飾するものの性は名詞の性に一致し、名詞を修飾しないものは中性となる。 リトアニア語の格 (linksnis) には以下の7つがあり、インド・ヨーロッパ語族の中でも古い特徴を持つ。
アクセント
短アクセント: 短母音に置かれる(例: piktas〈腹を立てた〉; durys〈ドア〉)。なお、他の二種類のアクセントとの統一性から "trumpin? priegaid?〈短音調〉という用語が用いられることがある。ただしこのアクセントは短すぎて聞き取りにくいながらも後述する下降アクセントか上昇アクセントが実態となっており、短音調と呼称するのは便宜的な側面が強い[6]。
下降アクセント(tvirtaprad? priegaid?、直訳:「堅い始めの音調」): 長母音や二重母音に置かれる(例: au)。 ただし混合二重母音in, im, ir, il, un, um, ur, ulの下降アクセントを表す際には、例外的に最初の母音をそれぞれi, uで表す(具体例: 誤: ilgas, 正: ilgas)。
上昇アクセント (tvirtagal? priegaid?、直訳:「堅い終わりの音調」): 下降アクセントと同様、長母音および二重母音に置かれる(例: a?)。
アクセント・タイプ
名詞
タイプ (1)
タイプ (2)
タイプ (3)
タイプ (4)
形容詞
2音節
3音節以上
文法
性
格
主格 (vardininkas, nominatyvas) - 主語や補語を表すときなどに用いられ、日本語の助詞「が」の意味に近い。
属格 (kilmininkas, genityvas) - 所有や所属を表すときなどに用いられ、日本語の助詞「の」の意味に近い。また、かつてのインド・ヨーロッパ祖語の奪格は、リトアニア語ではこの属格に吸収された[7]。そのため、元来は奪格で表していた物体からの分離を表す「?から」という意味も、前置詞とともにこの属格で表される。そのほか、否定文において直接目的語を表すときにも用いられる。
与格 (naudininkas, datyvas) - 間接目的語を表すときに用いられ、日本語の助詞「に」の意味に近い。
対格 (galininkas, akuzatyvas) - 肯定文において直接目的語を表すときに用いられ、日本語の助詞「を」の意味に近い。また時間を表すときにも用いられる。
具格 (?nagininkas, instrumentalis) - 手段などを表すときに用いられ、日本語の助詞「で」の意味に近い。
位格 (vietininkas, lokatyvas) - 場所を表すときに用いられ、日本語の「において」の意味に近い。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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