リッチ曲率
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この項目「リッチテンソル」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:en:Ricci curvature)
修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。ノートページや履歴も参照してください。(2016年7月)

微分幾何学において、リッチ曲率テンソル (: Ricci curvature tensor) とは、歪んだリーマン多様体上の測地球の体積がユークリッド空間上の球体からどれだけずれるかを表す量である。グレゴリオ・リッチ=クルバストロに因んでその名がある。あるリーマン計量が与えられたとき、その記述する幾何が通常の n 次元ユークリッド空間からどれだけ違うか表わす尺度として使うことができる。リッチテンソルはどんな擬リーマン多様体に対しても、リーマン曲率テンソルトレースとして定義される。計量それ自体と同様、リッチテンソルは多様体の接空間上の対称双線型形式である[1][注 1]

相対性理論では、リッチテンソルは時空の曲率 (Rμvと表す) の一部であり、レイチャウデューリ方程式を通じて物質が時間とともにどれだけ収縮もしくは拡散するかの程度に関連する。アインシュタイン方程式を通じて、宇宙に含まれる物質の量にも関連する。微分幾何学では、あるリーマン多様体上のリッチテンソルの下界により、一様な曲率をもつ空間形式(英語版)と比較した場合の(比較定理(英語版)も参照)大域的幾何学および位相幾何学的な情報を得ることができる。リッチテンソルが真空のアインシュタイン方程式を満たすとき、その多様体はアインシュタイン多様体であるといい、特に研究されている (cf. Besse 1987)。これと関係して、リッチフロー方程式はある計量がアインシュタイン計量へ発展するさまを記述する。この方法により、ポアンカレ予想が最終的に解決することとなった。
定義

( M , g ) {\displaystyle (M,g)} をレヴィ・チヴィタ接続 ∇ {\displaystyle \nabla } を持つ n 次元リーマン多様体とする。 M {\displaystyle M} のリーマン曲率テンソルは、ベクトル場 X, Y, Z 上に次のような ( 1 , 3 ) {\displaystyle (1,3)} テンソルとして定義される。 R ( X , Y ) Z = ∇ X ∇ Y Z − ∇ Y ∇ X Z − ∇ [ X , Y ] Z {\displaystyle R(X,Y)Z=\nabla _{X}\nabla _{Y}Z-\nabla _{Y}\nabla _{X}Z-\nabla _{[X,Y]}Z}

M の点 p における接空間を TpM と書くことにすると、 TpM 上の任意のベクトル対 ξ {\displaystyle \xi } および η {\displaystyle \eta } に対し、リッチテンソル Ric {\displaystyle \operatorname {Ric} } は ( ξ , η ) {\displaystyle (\xi ,\eta )} において、次の線形写像 TpM → TpM のトレースとして定義される。 ζ ↦ R ( ζ , η ) ξ {\displaystyle \zeta \mapsto R(\zeta ,\eta )\xi }

局所座標系では、アインシュタインの縮約記法を用いて次のように書ける。 Ric = R i j d x i ⊗ d x j {\displaystyle \operatorname {Ric} =R_{ij}\,\mathrm {d} x^{i}\otimes \mathrm {d} x^{j}}

ここで、以下のように定義した。 R i j = R k i k j {\displaystyle R_{ij}={R^{k}}_{ikj}}

リーマン曲率テンソルクリストッフェル記号を用いて書くと、以下のようになる。 R α β = R ρ α ρ β = ∂ ρ Γ ρ β α − ∂ β Γ ρ ρ α + Γ ρ ρ λ Γ λ β α − Γ ρ β λ Γ λ ρ α = 2 Γ ρ α [ β , ρ ] + 2 Γ ρ λ [ ρ Γ λ β ] α {\displaystyle R_{\alpha \beta }={R^{\rho }}_{\alpha \rho \beta }=\partial _{\rho }{\Gamma ^{\rho }{}_{\beta \alpha }}-\partial _{\beta }\Gamma ^{\rho }{}_{\rho \alpha }+\Gamma ^{\rho }{}_{\rho \lambda }\Gamma ^{\lambda }{}_{\beta \alpha }-\Gamma ^{\rho }{}_{\beta \lambda }\Gamma ^{\lambda }{}_{\rho \alpha }=2\Gamma ^{\rho }{}_{\alpha [\beta ,\rho ]}+2\Gamma ^{\rho }{}_{\lambda [\rho }\Gamma ^{\lambda }{}_{\beta ]\alpha }}
性質

ビアンキの恒等式からの帰結として、リーマン多様体のリッチテンソルは次の意味で対称となる。 Ric ⁡ ( ξ , η ) = Ric ⁡ ( η , ξ ) {\displaystyle \operatorname {Ric} (\xi ,\eta )=\operatorname {Ric} (\eta ,\xi )}

従って、リッチテンソルは、量 Ric ⁡ ( ξ , ξ ) {\displaystyle \operatorname {Ric} (\xi ,\xi )} を単位長さのベクトル ξ {\displaystyle \xi } 全てについて知れば完全に決定されることになる。単位接線ベクトルについてのこの関数は、これを知ることがリッチ曲率テンソルを知ることと同値であるので、しばしば単純にリッチ曲率と呼ばれる。

リッチ曲率はリーマン多様体の断面曲率により定まるが、一般にはそれよりも情報を持っていない。実際、もし ξ {\displaystyle \xi } が n-次元リーマン多様体上の単位ベクトルであるとすると、Ric(ξ, ξ) は、断面曲率の ξ {\displaystyle \xi } を含む全ての二次元平面にわたる平均値のちょうど (n ? 1) 倍となる。そのような二次元平面は (n−2)-次元の族を成すので、2次元および3次元においてのみリッチテンソルから完全な曲率テンソルを決定することができる。特記すべき例外として、多様体があらかじめユークリッド空間上の超曲面として与えられている場合がある。ガウス・コダッチ方程式(英語版)を通じて完全な曲率を決定する第二基本形式は、それ自体がリッチテンソルにより決定され、超曲面の主方向もリッチテンソルの固有方向により決定される。リッチテンソルは、この理由によりリッチが導入したものである。

もしリッチ曲率関数 Ric(ξ, ξ) が単位接線ベクトル ξ の集合について定数関数であるならば、そのリーマン多様体はリッチ曲率が定数である、もしくはアインシュタイン多様体であるという。これは、リッチテンソル Ric が計量テンソル g の定数倍である場合にのみ成り立つ。

リッチ曲率は計量テンソルのラプラシアン倍として考えると便利である (Chow & Knopf 2004, Lemma 3.32)。


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