リック・マイ・デカルズ・オフ、ベイビー
[Wikipedia|▼Menu]

『リック・マイ・デカルズ・オフ、ベイビー』
キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドスタジオ・アルバム
リリース1970年12月
1971年1月
録音1970年
ユナイテッド・レコーディング・コープ、サンセット大通り、ハリウッド、カリフォルニア州
ジャンルアヴァンギャルドアート・ロックブルース・ロックサイケデリック・ロックフリー・ジャズ
時間38分55秒
レーベルストレイト・レコードリプリーズ・レコード
プロデュースドン・ヴァン・ヴリート
キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンド アルバム 年表

トラウト・マスク・レプリカ
(キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド)
(1969年)リック・マイ・デカルズ・オフ、ベイビー
(1970年)ミラー・マン
(キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド)
(1971年)

テンプレートを表示

『リック・マイ・デカルズ・オフ、ベイビー』(Lick My Decals Off, Baby)は、ドン・ヴァン・ヴリートが率いるキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドが1970年に発表したアルバムである。彼等は前作まではキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドと名乗っており、その時代に発表した作品を含めると通算4作目のアルバムに相当する。
解説
経緯

キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドは、1969年6月にアルバム『トラウト・マスク・レプリカ』を発表した後、制作に携わったヴァン・ヴリート、ジェフ・コットン(ギター)、ビル・ハークルロード(ギター)、マーク・ボストン(ベース・ギター)、ジョン・フレンチ(ドラムス)、ヴィクター・ヘイデンバスクラリネット[注釈 1]の顔ぶれで、一度だけステージに立った[1]。そして、『トラウト・マスク・レプリカ』の制作に際して作曲と編曲に大きな貢献をしたとされるフレンチがヴァン・ヴリートに放逐され[2]、代わりにローディーのジェフ・バーチェルがドラムスを担当することになった[注釈 2]

ある晩、バーチェルはコットンと口論した挙句、彼を殴打して骨折させてしまった[3]。コットンは『トラウト・マスク・レプリカ』の制作中からヴァン・ヴリートの支配を重荷に感じていた[4]ので、この事件をきっかけにバンドを脱退した[3]。ヴァン・ヴリート達はバーチェルに5曲の演奏を教えて、ヴァン・ヴリート、ハークルロード、ボストン、バーチェル、ヘイデンの顔ぶれで、1969年10月にベルギーのアムージで開かれたFestival d'Amougies[注釈 3]の他、ヨーロッパで幾つかのステージに立った[5]

『トラウト・マスク・レプリカ』はイギリスでは1969年11月に発表されてアルバム・チャートで最高21位を記録したが、ヴァン・ヴリートはプロデュースしたフランク・ザッパをいろいろと批判し始めた[注釈 4][6]。にもかかわらず、彼等は新作も引き続いてザッパのストレイト・レコードで制作することになった[注釈 5][7]うえに、ヴァン・ヴリートはザッパが率いるザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(MOI)の関係者をメンバーの欠員の補充に充てようとした。そしてシンシナティ大学音楽院 (University of Cincinnati College-Conservatory of Music) で学士号を獲得し、ニューヨークマンハッタン音楽学校を経てMOIに加入して活動したパーカッショ二ストのアート・トリップをドラマーに迎えた[8]。しかし、元MOIのイアン・アンダーウッド(木管楽器、キーボード)をギタリストとしてコットンの後任に採用する企ては失敗し[9]、彼等はハークルロードだけをギタリストに擁したまま新作のリハーサルに入った。ハークルロードは前作でフレンチが担っていた編曲や音楽監督に相当する役割も務めた[注釈 6][10][4]

数か月に及んだリハーサルが終わり録音に入る直前にフレンチが呼び戻されて[9]、トリップはエド・マリンバのステージ名で[注釈 7]マリンバを担当することになった[11]。ヴァン・ヴリート、ハークルロード、ボストン、フレンチ、トリップの5人は、1970年の夏、ハリウッドサンセット大通りにあるユナイテッド・レコーディング・コープで、ヴァン・ヴリート自身のプロデュースで本作を録音した[11]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:45 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef