リカちゃん
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香山 リカ
初登場1967年
作者タカラ
詳細情報
フルネーム香山 リカ
愛称リカちゃん
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リカちゃん(Licca-chan)は、タカラトミー(旧:タカラ)製の着せ替え人形玩具。別称リカちゃん人形、フルネームは香山リカ(Licca Kayama)。累計出荷数は2017年時点で約6000万体[1]。人形玩具の域を超え、企業の広告キャラクターなどタレントとしても活動、公式TwitterInstagramも開設している。
来歴「#年表」も参照

1966年、元々ダッコちゃん等のビニール玩具のメーカーだったタカラ(旧タカラビニール - 1966年)は、そのビニール加工のノウハウを生かして着せ替え人形市場への参入を計画していた。当初は米マテル社のバービーや、米旧アイデアル社のタミー等の他社の着せ替え人形用の、子供が持ち運びできるドールハウスを企画していたが、既存の人形のサイズに合わせると、ハウス自体のサイズが相当大きくなることが予想された。これが日本の住宅事情や子供の持ち運びに適さないとして根本的に企画が見直され、日本の事情に見合った大きさのドールハウスと、それに合ったサイズの独自の着せ替え人形として1967年に企画・開発されたものが本項のリカちゃんである。初代リカちゃんの開発を担当したのは、"育ての親"と呼ばれる小島康宏(旧・タカラ専務)[2]

企画にあたり、日本の少女たちがより身近に感じられるようなファッションドールというテーマが掲げられ、小学生という設定と、小さな女の子の手の平の中に収まる身長21cmという大きさと、当時流行していた少女漫画ヒロインのような顔立ちが採用された。漫画家の牧美也子が発売当時の広告のイラストを担当し、広告には「牧先生監修」という表記がされていた[3]。「リカちゃん」という名前は月刊少女漫画雑誌りぼん」の1967年7月号誌上の一般公募で決定されたことになっているが、実際には発表号をずらして、読者でなくタカラ側が命名した[4]。日本人でも外国人でも通用する名前をということでリカとなった[3]

親しみやすい仕様が日本の子供に受け入れられたことと、マテル社が生産拠点を他国に移して日本でのバービーの販売に力を入れなくなったという市場の追い風を受け、発売から2年後の1969年には日本での売り上げでリカちゃんがバービーを上回った。その年の年末商戦でも他の人形を圧倒し、それ以降、事実上日本の着せ替え人形の女王として君臨しはじめる。それ以前に売上トップを飾った着せ替え人形は、アイデアル社・三栄貿易の「タミーちゃん」(1964年発売)と中嶋製作所(現ナカジマコーポレーション)の「スカーレットちゃん」(1966年発売)だった。

その後、何度か売上が低迷した時期もあった。中嶋製作所はリカちゃん対抗の商品として「カンナちゃん」を発表し、リカちゃんと競い合った[5]。1972年には中嶋製作所の「ロコたん」、シバの「虹のナナちゃん」、国際マテルの「チュリー」、トミーの「サイクリングユッコちゃん」などが登場し、対策としてリカちゃんは2代目(ニューリカちゃん)にモデルチェンジを行った[5]。1977年にはポピーの「キャンディ?キャンディ人形」とアサヒ玩具の「ピンク・レディー人形」がヒットし苦戦を強いられた[5]。1990年代前半にはバンダイの「美少女戦士セーラームーン人形」のヒットで苦戦した[6]

現在の日本でも「着せ替え人形のリカちゃん」の認知は極めて高い。あまり人形に詳しくない人が他社の着せ替え人形も全て「リカちゃん」とひとくくりにしてしまうこともあるほどで、日本における着せ替え人形の代名詞と化している。その高い認知から旧タカラ時代から現在のタカラトミーに至るまで、リカちゃんはメーカーのコーポレートアイデンティティ的キャラクターに位置付けられ、広報・宣伝の顔の1つとなっている。また、可愛らしく親しみやすく家庭的なキャラクターイメージから、多くの企業や公共機関のCMキャラクターとして採用されている。

タカラ創業者の佐藤安太は、リカちゃんを米マテル社に売り込もうとしたことがあるが、担当者らに設定を説明し始めると「なぜ少女向けの人形に親が出てくるのか」と一蹴したという[7]

「香山リカ(商標の称呼はカヤマリカチャン、カヤマリカ、コーヤマリカ)」という設定上の本名をタカラが1999年3月9日に商標出願した際「同名の精神科医香山リカの承諾を得られていない」という理由で一度拒絶されたが、タカラが不服を申し立てた結果、精神科医香山リカの筆名の方が本商品に因んでいることが認められ、翌年9月21日、無事出願が受け付けられた[8]
商品展開

低年齢層の子供の「ごっこ遊び[9]による情操教育をテーマとする商品であるため、メインのリカちゃんと同時に多くの家族人形、ドレス、ハウス、小物が販売されている。メインターゲットは3?6歳の女児で、その年齢の女児が好むピンク色を多く採用した商品ラインナップであり、仕様的にも幼児が1人で簡単に着せ替えできるようにワンピース型のドレスが多い。マクドナルドミスタードーナツサンリオ等、子供の好む飲食店やキャラクターとのタイアップ商品も多く、マクドナルドでは2017年からハッピーセットの着せ替え人形も発売しており、こちらはドレスがプラスチック製である。また、2017年から2019年のハッピーセットの人形とドレスは互換性があるので互いにドレスを着せ替えて遊ぶ事もできる(合計25体で625通りのコーディネートが可能)。旧タカラと旧トミーの合併後はディズニーとのタイアップ商品も発売された。

このように基本的に小さな子供向けの玩具だが、長い歴史を持つため、大人のファンやコレクターも多く存在する。まれに大人向けの凝った仕様の商品が発売されたり、レトロ趣味の人の間で旧型のリカちゃんが高額で取引されたりすることもある。
商品仕様

リカちゃんは年代によって改良が加えられ、1967年発売の初代と2009年現在のリカちゃんの仕様は大きく異なっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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