リアジェット
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ボンバルディア・リアジェット・ファミリー種類航空産業
後継
ボンバルディア・エアロスペース 
設立1960年
創業者William Powell Lear Jr.
解散1990年6月29日 
製品航空機ビジネスジェット
所有者ボンバルディア・エアロスペース
従業員数4,975 
ウェブサイト ⇒Learjet
リアジェット70/75(英語版)。リアジェット社の現行モデル。

リアジェット(Learjet )とは、アメリカビジネスジェットメーカー、および同社製のビジネスジェットのブランド名。民間航空機メーカーとして世界第3位(2012年)[1]。従業員数はおよそ2500名(2012年時点)[1]。リアジェット社はカンザス州ウィチタに製造工場があり、1990年にカナダに本拠があるボンバルディア・エアロスペース社の系列会社(傘下会社)となり、同社のビジネスジェット部門のブランド『ボンバルディア・リアジェット・ファミリー』の製品を製造している。

発明家のビル・リア(ウィリアム・パウエル・リア・ジュニア, William Powell Lear Jr.)が1960年に前身となるスイス・アメリカン・アビエーション社(Swiss American Aviation Corporation )を設立、他社との合併などを歴て1988年にリアジェット(Learjet )と改名し、それが現在も社名やブランド名として用いられている。
概要

リアジェットはビジネスジェットというカテゴリーの先駆者であり、「リアジェット」はビジネスジェット機の代名詞[2] として用いられる事もある。

創業当初から製品は6?10人乗り、航続距離は超軽量ジェット機よりも長くアメリカ本土全域やヨーロッパ諸国での地域間移動に向いたビジネスジェットに注力している。社用機やプライベート機などゼネラル・アビエーションの需要が多いが、小型輸送機連絡機として軍にも納入されている。

リアジェット社では近年、航空機の素材となるアルミ合金板のCNCによる切り抜き・重層プレス・焼成加工・薬品加工・立体部品化から始まり、主翼尾翼・胴体などのコンポーネントの製造、総計数kmにおよぶハーネス(電気配線群)の事前組み上げ・はんだ付け・テスト、各コンポーネントの航空機への組み上げ(合体)、組立後の各機体の テストパイロットによるテスト飛行、その後の外部塗装、内装にいたるまで、ほぼ全ての工程をひとつの工場内で完結するように行っており、これは航空機の製造の世界ではかなり珍しいことであり、これが同社製品の品質の確保・安定に役立っている[1]

同社はビジネスジェットを50年以上にわたり多数製造してきた歴史があるので、同社の機体は中古市場でも多く流通している。特にCJ610エンジンを搭載した初期の機種は降着装置主翼が頑丈であり、就役から40年前後を経ても機体寿命を残している機体も多い。なお古い機体はそのままでは新しい航空法に適合せず燃費や騒音の問題もあるため、エンジンやアビオニクスを新基準に適合した製品に交換したアップグレード機に改良されていることが一般的で、またウィングレットなどのパーツ単体を販売する独立系の整備会社も存在する[3]
社史

発明家および起業家のウィリアム・リアは、カーラジオ(=自動車用のラジオ)の実用化およびそのブランド「モトローラ」のメガブランド化[1](超有名ブランド化)や8トラックカートリッジテープの開発などを主導し、その後は無線方向探知機オートパイロットなどアビオニクスの開発で巨万の富を手にしていた。

こうしてすでにビジネスで成功していたリアが、次に開拓するマーケット(市場)として目を向けたのが「自家用ジェット」であった[1]。リアが思いついたことは、世の社長や担当者たちが(自家用ジェットで)もっと敏速に移動できれば、その日のうちに仕事(商談や打ち合わせ)を終えられ、そしてすぐ飛んで帰れば家族と一緒に夕食を食べることができる、ということだった[1]。そして、その夢の飛行機の参考となる飛行機を探し始めたリアは、FFA P-16という戦闘機を見つけた[1]。そして1960年にスイス国内に転居しスイス・アメリカン・アビエーション・カンパニー Swiss American Aviation Companyを設立した。


当時スイスではFlug- und Fahrzeugwerke Altenrhein(FFA)が開発していた近接支援を主任務とする地上攻撃機FFA P-16が開発されていたが試作機の墜落事故等により政府が契約を打ち切り、試作機5機が製造されただけで終わっていた。このFFA P-16の主翼の性能(高速性能と低い抗力、および離陸着陸時のコントロールのしやすさ)に感動し[1]、それに目を付けていたリアは、P-16の主翼・主脚などのコンポーネントをビジネスジェット機へ転用する可能性を見出し、その設計を利用する権利を入手し(買い)、夢のジェット機を「SAAC-23」の名で開発し始めた。リアジェット23。P-16の主翼の設計を使用し、「SAAC-23」という名で開発されたリアジェット社の最初の機種。1964年販売開始。(P-16の翼と同様に)翼長が短く、翼端に円筒形の燃料タンクがついている。小型ビジネスジェットというカテゴリーの先駆であり、航空史に残る機種。写真は米国ミシガン州の航空博物館Air Zooに展示・保存されている機体。

それと並行してビジネスジェットを製造するための機材が購入され、1962年に米国カンザス州ウィチタに工場を設立した。(当初の工場は1棟のみ。その後、作業工程ごとに棟を建て増ししていった[1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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