ラーン_(北欧神話)
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フェロー諸島で2004年に発行された切手に描かれたラーン。アンカー・エリ・ペーターセン(en)による。エーギルとラーンと波の乙女達。

ラーン[1](ラン[2]とも。古ノルド語: Ran)は、北欧神話に登場する女神の名前である。
概要

海の神であるエーギルの妻。大きな網を持っていて、船や人を海中に巻き込むといわれている[3]。『古エッダ』の『レギンの歌』において、ロキが黄金を入手すべくドワーフアンドヴァリを捕らえようとした際には、ラーンから網を借りている[4]

人々は、嵐の海にはラーンが網を構えていると考え、船に乗るときは黄金を持っていった。もし人が溺れて、ラーンに捕まっても、黄金を渡せば安穏の館に入れてもらえる。しかし黄金を持っていなかったため暗い館に入れられるという物語もある[5]。またあるサガでは、溺死者の霊が自身の葬式に現れた場合は、ラーンが死者を温かく迎えたことの証拠だと信じられていたことが語られている[6]

詩語法』では海のケニングとして、「ラーンの道」という表現を紹介している[7]

ラーンと夫エーギルとの間には9人の娘がおり、「波の乙女」と呼ばれている。
脚注[脚注の使い方]^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)などにみられる表記。
^ 『北欧の神話』などにみられる表記。
^ 『北欧の神話』154頁。
^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』133頁。
^ 『北欧の神話伝説(II)』73-76頁。
^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)218頁。
^ 『「詩語法」訳注』101頁。

参考文献

スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、谷口幸男訳、1983年。

H.R.エリス・デイヴィッドソン(en)『北欧神話』米原まり子、一井知子訳、青土社、1992年、ISBN 978-4-7917-5191-4

V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6

松村武雄編『北欧の神話伝説(II)』名著普及会〈世界神話伝説大系30〉、1980年改訂版、ISBN 978-4-89551-280-0

山室静『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年、ISBN 978-4-480-32908-0

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ラーン (北欧神話)に関連するメディアがあります。

エーギル

波の乙女

エリダヌス座イプシロン星 - 2015年に「ラーン」と命名された










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