ラーメンマンは、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する架空の人物。
同作に多数登場する、人間をはるかに超える戦闘能力を持つ「超人」のひとり。
スピンオフ作品である『闘将!!拉?男』の主人公については当該項目を参照。 中国を代表する超人で、多彩な中国拳法を駆使して闘う。面長な顔に、頭頂で結った辮髪と細長いどじょう髭、額の「中」マークが外見上の特徴。作品初期?中期は骨張った痩せ形の体型で頬骨の張った顔をしていた。 初登場は第20回超人オリンピック編「最後の8人めの巻」[1]。対戦相手を惨殺するなど残虐超人の筆頭に数えられていたが、主人公のキン肉マンをはじめ数々の戦いを経るうち正義超人として活躍するようになる。残虐超人時代もリングを降りれば紳士[2]で、また自らの肉体を駆使した残虐ファイトを身上とし凶器攻撃は好まない[3]。性格は人格者であるように描写されることが多いが、アニメ初登場時は中国人風口調を使いコミカルに描かれていた。実力はロビンマスクから「天才」と評され、キン肉マンゼブラも「悪魔のような強さ」と戦慄する[4]。 その人気は主人公のキン肉マンを凌ぐほどであり、読者からのみならず、作中の他のキャラクターや観客までがラーメンマンの雄姿に涙を流した。1980年に発表された最初の人気投票では人気超人・悪役超人の両部門で3位を[5]、1983年発表の第2回では1位を獲得している[6]。1984年の第3回ではラーメンマンと、もうひとつの姿であるモンゴルマンが同時に、それぞれ4位と7位にランク入りした[7]。作者は当時単なる一悪役で終わらせるつもりであったが、超人オリンピック編の3位決定戦で一気に人気が出[8]、読者に育てられる形で成長していったキャラクターであると語っている[9]。この人気に応えるようにして、ラーメンマンを主人公とするスピンオフ作品『闘将!!拉?男』も執筆された。これに登場する美来斗利偉・拉?男(ビクトリー・ラーメンマン)は別の世界観[10][11] における超人であり、『キン肉マン』に登場するラーメンマンとは別人[12]とされているが、「キン肉星王位争奪編」以降は『闘将!!拉?男』における拉?男の設定が、一部取り入れられている。 嶋田隆司によると、モデルはブルース・リー[13]。 ブロッケンマンやカレクックと共に「世界三大残虐超人」と評され、残虐超人の総帥と呼ばれていた。第20回超人オリンピックでは中国代表として出場。1回戦ではドイツ代表のブロッケンマンと対戦し、序盤は苦戦するが一気に逆襲、必殺技キャメルクラッチでブロッケンマンの身体を上下に引き裂いて勝利[注 1]。上半身を掲げ高笑いするパフォーマンスを見せた。続く準決勝ではキン肉マンと氷上デスマッチで対戦。キン肉マンを終始圧倒するものの、ロープに振られ跳ね返ったキン肉マンの、氷を滑る高速の体当たりを受けて逆転負けを喫する。 負けはしたものの、全力を尽くし戦えたことにラーメンマンはキン肉マンとの戦いに深い充足感を得ていた。しかし当のキン肉マンは決勝進出に浮かれて馬鹿騒ぎをして、その充足感を汚す始末。これに憤ったラーメンマンは3位決定戦の相手の、負傷で戦える状態にないテリーマンに対し一方的な攻撃という形でぶつける。反則負けを宣告された後、降りしきる雨の中で血の涙を流しながら「キン肉マンとの戦いを誇りたい」と訴えた。それに応えるようにキン肉マンは意を決して決勝戦に赴き、キン肉マンが「ラッキーボーイ」から「超人レスラー」として成長するきっかけとなっている。決勝戦ではゲスト解説者もつとめ、キン肉マンがピンチに陥ったときに発揮する奇跡的なパワーである「火事場のクソ力」の存在に初めて言及している[注 2]。 アメリカ遠征編ではしばらく出番がなかったが、全米超人タッグの優勝を決める一戦にレフェリーとして登場し、デビル・マジシャンの隠し持った凶器を見抜いて捨てさせる名ジャッジを行っている[3]。 後にブロッケンマンの息子・ブロッケンJr. に出会い、父の仇として敵視されることになる。ラッカ星での宇宙野武士退治では呉越同舟で共闘するが、第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイトでは2回戦で直接対決する。復讐に燃えるブロッケンJr.の攻撃を全て受けきった上で勝利、「オヤジのことは忘れろ。そうすれば強くなる」とアドバイスし、罪滅ぼしのために、ブロッケンJr.の成長を見守ることにした。器の大きさに触れたブロッケンJr.は彼に心酔するようになり、以後は師弟のような関係を築き、ウォーズマン戦ではセコンドに付き、ラーメンマンが植物状態になった時も介護している。嶋田隆司は「ブロッケン親子との両試合で深みが増し、ランクひとつ上がりましたね」と述べている[15]。
主な特徴
『キン肉マン』でのラーメンマン
残虐超人時代