ラ・フォル・ジュルネ
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2017年2月のラ・フォル・ジュルネの様子

ラ・フォル・ジュルネ(フランス語: La Folle Journee, 略してLFJ)は、フランスナントで年に一度開催されるフランス最大級のクラシック音楽の祭典。日本ではそのまま訳して「熱狂の日」音楽祭とも呼ばれる。

1995年に創設され、創設者であるルネ・マルタン(フランス語版)が芸術監督を務めている。
名前の由来

「ラ・フォル・ジュルネ」の名称は、フランスの劇作家ボーマルシェの戯曲「フィガロの結婚」の正式名称である『狂おしき一日、あるいはフィガロの結婚』(La Folle journee, ou le Mariage de Figaro)にちなむ。1784年に発表されたこの戯曲が当時の世間にとって革命的な作品であったことから、マルタンは、従来のクラシック・コンサートに対する人々の価値観を転換することを目標とするこの音楽祭の名に採用したという。また、戯曲を元にモーツァルトによってオペラ化された「フィガロの結婚」は、最初のラ・フォル・ジュルネ音楽祭のプログラムでも取り上げられた。
概要

毎年1月下旬から2月上旬頃にかけての5日間、会場となるナント国際会議場(フランス語版)(シテ・デ・コングレ)にある8つのホールで朝9時から夜11時までの間、数多くの短時間コンサートが一斉に開催される。年ごとに音楽祭のテーマやジャンルが指定され、世界中から一流の音楽家を迎えて行われる。「一流の演奏を低料金で提供することによって、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい[1]」とのマルタンの思いから、それぞれのコンサート1回の入場料は5?22ユーロとやや低廉な設定であり、クラシック初心者でも気軽に音楽祭を楽しめるようになっている。

コンサート・チケットの価格を安く抑えつつも、国際的に名声のある音楽家を次々と招くことができるのは、多数の一般投資家たちの尽力によるものである。また、周辺の公共交通機関もチケット購入者向けのシャトル便を出したり、割安な鉄道回数券を発売するなどしている。

1995年に赤字運営で始まり、8年経った2003年にようやく黒字に転換。その後は予想以上の発展を遂げた。1995年当時、180人の演奏者による35公演で観客動員数が2万5,000人だったのに対し、2006年には1,800人の演奏者を迎えて250公演が催され、11万2,000人の観客を呼び込むまでになった。

また、2002年からはラ・フォル・ジュルネの開催される前の週に、シテ・デ・コングレの周辺でもコンサートが行われるようになった。

こうしたナントでの音楽祭の成功を受けて、ポルトガルリスボン2000年?2006年)、スペインビルバオ2002年?)、日本東京2005年?)、金沢2008年?2016年)、新潟2010年?2017年)、大津2010年?2017年)、鳥栖2011年?2013年)、ブラジルリオデジャネイロ2007年?)、ポーランドワルシャワ2010年)など、世界各地で「ラ・フォル・ジュルネ」の名を冠した音楽祭が行われている。
各年のテーマ

1995年:
モーツァルト

1996年:ベートーヴェン

1997年:シューベルト生誕200年記念

1998年:ブラームス

1999年:《ヘクトルガブリエルマウリキウス》:1830年?1930年代のフランスの作曲家。ベルリオーズフォーレラヴェルドビュッシーサン=サーンスフランクラロメシアン

2000年:J.S.バッハ没後250年

2001年:《熱狂の日 イヴァン・イリイチ》(La folle journee d'Ivan Illitch):1850年?現代のロシアの作曲家。チャイコフスキープロコフィエフスクリャービンムソルグスキーストラヴィンスキーショスタコーヴィチ

2002年:モーツァルトとハイドン

2003年:《イタリアのバロック》(Le baroque italien):モンテベルディビバルディ

2004年:《1810年 ロマン派音楽時代》(Generation romantique de 1810):ショパンリストシューマンメンデルスゾーン


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