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蘭(あららぎ)と読むものについては「イチイ」をご覧ください。
その他の用法については「ラン」をご覧ください。
ラン科
キンラン(Cephalanthera falcata)
分類(APG III)
ラン科(ランか、蘭科、Orchidaceae)は、単子葉植物の科のひとつで、その多くが美しく、独特の形の花を咲かせる。世界に700属以上15000種、日本に75属230種がある。鑑賞価値の高いものが多く、昔から栽培や品種改良が進められている。他方、採取のために絶滅に瀕している種も少なくない。ラン科の種はラン(蘭)と総称される[1]。 ラン科は単子葉植物の中で最も種の数が多く、種はなお分化を続けているため「種の爆発の時」といわれている[2][3](なお双子葉植物で最も種が多いのはキク科である[2])。ランは樹木の樹皮や岩の上などに根を張り着生している着生種と、林の中や草原などの地面に生育する地生種に分けられる[4]。 ランは分化を続けており、その分布は植生の限界にまで広がり地生ランは世界のほぼ全域にみられるが、着生ランの分布域は赤道を中心に南緯と北緯それぞれ30?40度が限界になっている[3]。 ラン科の多様性は群を抜いており、生活域や分布の広さから、環境に適応して形態が多種多様に変化し、花形や茎、根の形状などに大きな差異がある[2]。野生ランは自生地域により、亜高山?高山種、平野部?山地種、亜熱帯地域種の三種に分けられる[5]。また野生ランは日照条件により、陰地性、半陰地性、陽地性の三種に分けられる[5]。種子は微細で胚乳がなく、発芽生長に共生菌を必要とする[6]。多くは虫媒花であり花粉を虫に運んでもらうために花の色や形も様々である[7]。また、中には進化の過程で、光合成をやめて葉が退化し(葉緑素を失い)、かわりに地中の菌類に寄生し養分を吸収して生活する菌従属栄養植物(腐生ラン)となったグループもある[8]。高山性のランや腐生ランなど栽培が著しく困難または不可能な一部の種類を除き、ほぼ専門的な栽培増殖が行われている[9]。一方でそのための採集圧から絶滅の危機が問題になっているものも多い。 漢字の「蘭」は、本来はランではなくフジバカマを指す字だった[10]。またアララギ(イチイ)を指す場合もあった[11]。 ラン科には以下のような特徴がある。
概要
名称, orchis) が語源であるが、これはランの塊茎(バルブ)が睾丸に似ていることに由来する。
特徴と形態
主な特徴
雄蕊(ゆうずい、おしべ)と雌蕊(しずい、めしべ)が融合した構造でずい柱を形成している[12]。