ランボルギーニ・カウンタック
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

梅澤春人の漫画については「カウンタック (漫画)」をご覧ください。

ランボルギーニ・カウンタック
LP400
概要
販売期間1974年 ? 1990年
デザインベルトーネ
マルチェロ・ガンディーニ
ボディ
乗車定員2名
ボディタイプ2ドアクーペ
駆動方式MR(縦置きエンジン)
パワートレイン
エンジン3.9L V12 DOHC
4.8L V12 DOHC
5.2L V12 DOHC
最高出力3.9L: 375ps/8,000rpm
4.8L: 375ps/7,000rpm
5.2L: 455ps/7,000rpm
変速機5速MT
前前後:ダブルウィッシュボーン式
後前後:ダブルウィッシュボーン式
車両寸法
ホイールベース2,450mm
全長4,140 mm
全幅1,890 mm
全高1,070 mm
その他
トレッド(前)1,500mm/(後)1,520mm(LP400)
タイヤサイズ
ホイールサイズ(前)205/70R14/(後)215/70R14(ミシュランXWX)(LP400)
(前)14×7.5J±0/(後)14×J±(LP400)5穴PCD120
系譜
先代ミウラ
後継ディアブロ
テンプレートを表示

カウンタック(Countach)は、イタリア自動車メーカーランボルギーニ1974年から1990年にかけて生産・販売していたスーパーカーである。
概要LP400
特徴的なシザードアインテリアシートの正方形キルトステッチリトラクタブルヘッドランプを上げたアニバーサリー

1970年、それまでのミウラに代わるモデルとして「LP112」というプロジェクトネームで開発がスタートした。いわゆるスーパーカーを代表する自動車であり、自然吸気(NA)では当時高出力であった大排気量V型12気筒エンジンを搭載するほか、背部の特殊なエアインテークを始めとする内外デザイン、メカニズム、シャシ構造、パッケージングなどの面においても異彩を放ち、1970年代後半から1980年代にかけて日本で巻き起こった「スーパーカーブーム」の主役となった。

ブーム時には「最高速度300 km/h」という公称値が話題となり、シザーズドアリトラクタブル・ヘッドライトとともに人気の一端を担っていた。しかし、車体下に気流が入って揚力が発生したり、巨大なエアスクープの空気抵抗、導入された気流によって後輪のトラクションが低下するなど、ボディは空力的には問題が多く、対策としてLP400S以降のモデルにはエアロパーツが追加され、オプションでリアウィングも装備されるようになったが、このリアウィングが生み出すリアのダウンフォースが強く、高速走行時には前輪の接地感が薄れるという欠点もあり、それを補うために5000Sではフロントウイングまでもディーラーオプションで登場するという始末であった。なお、特徴的なエアスクープとその下にあるルーバーは、別個の空気取り入れ口ではなくデザインのためのものであり、中で1つの大きなボックスになっている。全高が極端に低く、5000QV以降はダウンドラフトタイプキャブレターに変更した事により、エンジンフードに突起物(バルジ)が追加され、後方視界は更に悪化した。

販売期間が16年という長期に及んだため、ランボルギーニ史上ではウラカンガヤルドウルスに次いで生産台数が多い。
車名の由来

カウンタック(Countach)とは、イタリア北西部ピエモンテ地方の方言における驚異、驚きの感嘆詞である「Contacc」(ピエモンテ語での発音はクンタッチ[kun?tat?][1]に近い)の綴りを一部改変したもので、後年に元開発チームのマルチェロ・ガンディーニが明かし、パオロ・スタンツァーニが補足している。フランス語では「クンタッシュ」[kunta?][2]、英語では「クーンターシュ」[ku?n?t???][3]のように発音される。日本では「カウンタック」の呼称が広く浸透しているが、ランボルギーニジャパンではカウンタック50周年の2021年現在、「Countach」とアルファベットで表記している。

カウンタックのプロトティーポジュネーヴ・モーターショーの出展に間に合わせるため作業に追われていた時期に、ランボルギーニとベルトーネ両社でストライキが勃発。会社施設を使えなくなった事情で、拠点をベルトーネ本社(ピエモンテ州トリノ)近郊の納屋に移して徹夜での作業を再開する。そんな折、近所に住む農夫が深夜に物音がするのを不審に思い、納屋の確認に訪れた。その時プロトティーポを見て発した一言が、ピエモンテ方言の「クンタッチ」であった。スタンツァーニによれば、この方言はのちにベルトーネのスタッフから訊いて意味が分かったという[4]

開発スタッフの中にピエモンテ州出身者がおり、上述の件以降から作業中口癖のように「クンタッチ」と冗談を言いあっていた。そして洒落のつもりで、いっそのことプロトティーポの車名にしてはどうかと提案。イギリス人スタッフでテストドライバーのボブ・ウォレスに確認したところ「発音的響きは悪くない」という結論に達し、正式に英語綴りで「Countach」に決まった[5]

カウンタックの後に付与されるモデルごとの詳細な命名法則は、イタリア語で「縦方向後部」、すなわち縦置きミッドシップを示す「LP」(Longitudinale Posteriore)と、その後に続く3桁の数字は公称排気量(cc単位、10分の1表記)を示している。プロトティーポおよび初期の生産モデルでは、3.9 Lエンジンの場合は「400」、4.8 Lおよび5 Lエンジンの場合は「500」で、高性能モデルにはミウラと同様に「S」(エッセ、スポーツ〈sport〉の略)が付与される。なお、イタリア語での発音はLPが「elle pi」(エッレ ピ)、400が「quattro-cento」(クァットロチェント)、500が「cinquecento」(チンクェチェント)、5000が「cinque-mila」(チンクェミラ)、25thアニバーサリーが「venticinque anniversario」(ヴェンティチンクエ アンニヴェルサーリオ)などである。

1970年のLP112プロジェクトには、「1番目の[6]の縦置き12気筒モデル」という意味がある。
スタイリング

ベルトーネデザインスタジオのマルチェロ・ガンディーニが手がけたカウンタックのデザインテーマは「プロペラのねじれ」で、ランボルギーニ、アルファロメオランチアの一連のベルトーネのコンセプトカーの幾何学的なデザイン、特にアルファロメオ・カラボ1968年)やランチア・ストラトスHFゼロ1970年)は、カウンタックの直接的なスタイリングの先駆けともいえる存在で、極端なくさび形のウェッジシェイプ、低く平らなフロント、切り詰められたテールエンドのデザインにその萌芽を確認することができる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:140 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef