「ランダー」のその他の用法については「ランダー (曖昧さ回避)」をご覧ください。
アポロ16号の月着陸船マーズ・パスファインダーのエアバッグテスト
ランダー(Lander)、もしくは着陸船(ちゃくりくせん)とは、天体の表面に着陸し、静止することが出来る宇宙機。
大気圏が存在する天体の場合、着陸船は突入速度を減少させるため、空力ブレーキとパラシュートを使用する。着陸の際の衝撃をさらに緩和させるため、着陸直前に小さな着陸用ロケットを点火する場合もある。他にも、マーズ・パスファインダーでは膨張型エアバッグが使用された。
なお、表面に到達する際の速度が非常に速いものはインパクター(impactor)と呼ばれる[1]。
月、火星、金星、タイタンといった天体はランダーやインパクターの対象天体となってきた。太陽系の地球型惑星において、水星のみが未だ宇宙機による着陸が行われていない。 1973年、ソ連のマルス2号は火星表面に達した初の探査機となったが、大気圏突入後にシステムが正常に動作せず、パラシュートも開かれなかった。その後のマルス3号、マルス5号、マルス6号
ランダー火星表面から送られてきた初の写真(バイキング1号ランダー、1976年)スピリットを火星表面に運んだランダーサーベイヤーランダー。地上で撮影2005年、着陸後にホイヘンスから送られてきたタイタンの写真。
火星
バイキング1号と2号はそれぞれ1975年の8月と9月に打ち上げられ、オービター部分とランダー部分から構成されていた。バイキング1号、2号のランダーはそれぞれ1976年の7月と9月に着陸を果たした。2つのランダーが機能停止した後、バイキング計画は1983年5月に終了した。
マーズ・パスファインダーは1996年12月に打ち上げられ、1997年7月に初の火星ローバーソジャーナが展開された。ローバーはおそらく低温による電気障害が原因で、1997年9月に故障した。
マーズ・ポーラー・ランダーは火星表面に到着する前の1999年12月3日に通信が途絶した。
欧州のビーグル2号ランダーはマーズ・エクスプレスから正常に切り離されたが、2003年12月25日に来るはずだった着陸を確認する信号が受信されなかった。その後も通信は行われず、2004年2月6日にビーグル2号のロストが宣言された。
マーズ・エクスプロレーション・ローバーのスピリットとオポチュニティが2003年の6月と7月に打ち上げられた。この2機のローバーは2004年1月にエアバッグとパラシュートを併用したランダーによって火星表面に到達した。設計寿命は3ヵ月だったが[2]、スピリットは2010年まで、オポチュニティは2019年まで運用された。
2008年5月25日にフェニックスがパラシュートとロケット降下エンジンを使用して火星軟着陸に成功した。
中国の天問一号は2020年7月23日には海南省の文昌航天ロケット発射場から長征5号により打ち上げられ、2021年2月10日20時頃 (CST) - 火星周回軌道投入、5月15日午前-火星への軟着陸に成功し、探査車「祝融」で、火星表面の気候や土壌などを調査する予定である。 ソ連のルナ計画やアメリカのレインジャー計画といった多くの月探査機はミッション終了後、月面に衝突している。 ソ連のルナ9号は月面軟着陸に成功し、地球に写真データを送信した初の探査機である。アメリカのサーベイヤー計画はアポロ計画における着陸船の着陸地を決定する目的があったので、無人で月面に軟着陸し月の土壌サンプルを入手、そして月の粉塵層の厚さを調べることが要求された。これらはサーベイヤー計画以前では未知のことだった。 アポロ月着陸船とルノホートランダーは宇宙飛行士や月面ローバーために、ロケット降下エンジンを使用して月面軟着陸を行った。ソ連の有人着陸船LKは地球軌道上での試験に成功するが、実際に月に送られることはなかった。 NASAが計画していたコンステレーション計画の一部である2020年の月面着陸にはアルタイルの使用が予定されていた。後継の有人月面探査プロジェクトアルテミス計画では、有人着陸船としてスターシップ HLS が利用される。 中華人民共和国は、資源の採取、特に地球のエネルギー源になりうるヘリウム3の採取の可能性を研究する嫦娥計画を開始し、2007年10月24日に月周回衛星嫦娥1号を打ち上げた。嫦娥1号は1年以上にわたって月周回軌道で観測を続け、2009年3月に月面に衝突したとされる。2010年10月1日には嫦娥2号を打ち上げた。そして2013年12月1日に嫦娥3号を打ち上げ、同月14日に月面に軟着陸、月面探査機(無人月面車
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