ラリー・サンガー
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ラリー・サンガー
Larry Sanger
ラリー・サンガー
生誕 (1968-07-16) 1968年7月16日(55歳)
アメリカ合衆国 ワシントン州 ベルヴュー
国籍 アメリカ合衆国
職業Citizendium編集主幹
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“ラリー”ローレンス・マーク・サンガー(Lawrence Mark "Larry" Sanger、1968年7月16日 - )[1]は、アメリカ合衆国哲学者専門家が参加するフリー百科事典プロジェクトCitizendium(シチズンジアム)の創始者である[2][3][4]

哲学者としては認識論(epistemology, theory of knowledge)に関心をもつ。

多くのオンライン百科事典のプロジェクトに関わっており、Nupediaの編集主幹[5]およびチーフ・オーガナイザーを務め(2001年 - 2002年)、その後身ウィキペディアの共同設立者でもあった[6][7][8]。Nupediaでは記事の編集プロセスのとりまとめをおこない、ウィキペディアの初期にはコミュニティ・リーダーとして基本的な運営方針の大部分を形にした。こうした活動と平行してオハイオ州立大学で哲学の教壇に立ち、また専門家の執筆・編集によるEncyclopedia of Earthの初期構想にも参加した。

2006年9月15日にウィキペディアのフォークとしてCitizendiumの構想を発表し[9]、現在編集主幹を務めている[10][11]。プロジェクトは2007年3月25日にサービスを開始した[12]
教育とこれまでの経歴

ワシントン州ベルヴュー生まれ。

7歳のときに一家がアラスカ州アンカレッジに移った[2]ためサンガーは初等教育のほとんどをそこで受け、優秀な生徒として知られることになった[13]。少年時代から哲学に関心をもち[14]、高校生時代に「哲学でいったい何をやるのか」と聞かれたサンガーは「たとえばみんなの考え方をかえること」と答えたという[15]。1986年に高校を卒業し、リード大学の哲学専攻へ進む[15]。大学時代には悟性(understanding)や認識の起源(sources of knowledge)について研究し、またインターネットとその情報発信能力に関心をもった。後年にwikiをオンライン百科事典として使うことの有益性に思い至ったのは、こうした関心が反映されている[14]

インターネットを用いた最初の試みはリストサーバ(listserver, メーリングリストを発行する技術のひとつ)を用いて学生と講師が交流できる場をつくるもので、「専門性の高い指導」を可能にし、「チュートリアルおよびその方法論を討議し、ボランタリーで自由な講師と学生が従来の大学機関を介さずに互いを見つけ出し、そのことのメリットと可能性を追求するためのインターネット上のフォーラムとして機能する」ことを試みるものだった[16]。サンガーは哲学をディスカッションするメーリング・リストを作り、調停役として参加した。その「体系的哲学協会」(Association for Systematic Philosophy)は会報も刊行した[17]。1994年3月22日付の投稿では、サンガーはマニフェストを起草している:

「これまで哲学の歴史は不和と混乱に満ちていた。この事態に対して、哲学の真実が知りうるか否か、あるいはそうした真実が存在するかどうかを疑う哲学者がいる。しかし、また別の反応もできるだろう。つまり、個々人の知的先達よりもさらに注意深く、入念な思考を始めることができるかもしれないのだ。[13]

サンガーは1991年にリード・カレッジで哲学の学士を、2000年にオハイオ州立大学で哲学のPh.D.を取得した。学士論文は『デカルトの方法論とその理論的背景』("Descartes' methods and their theoretical background")と題されたもので、博士論文は『認識論的循環:メタ正当化問題についての試論』("Epistemic Circularity: An Essay on the Problem of Meta-Justification")である。

1998年から2000年にかけては「サンガーのY2Kニュース・レヴュー」(Sanger's Review of Y2K News Report, 以前はsangersreviw.comに設置されていた)というウェブサイトを運営している。これはいわゆる2000年問題に関心をもつ者のためのリソースサイトであった[18]

2007年から、サンガーはオンライン教育の可能性を検討し始めている。「一方的な伝達行為ではなく、脱中心的で、自己決定的で、非同時的で、完全にデジタルで、遠隔的にオーガナイズされる教育について考えてみた」と述べ、「いくつかの基本的なルールの他には強制力をもつ官僚的機構がなく、意思決定は完全に教師と学生の手によって行われるものになるだろう」と語っている[19]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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