ラプソディ・イン・ブルー
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この項目では、ガーシュウィンの楽曲について説明しています。

寺井尚子による同曲のアレンジ版を収録したシングルについては「Rhapsody In Blue (寺井尚子のシングル)」をご覧ください。

DA PUMPの曲については「Rhapsody in Blue (DA PUMPの曲)」をご覧ください。

『ラプソディ・イン・ブルー』
英語: Rhapsody in Blue
ピアノ初版譜の表紙
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ演奏)この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。
ラプソディ・イン・ブルー(米国海兵隊バンド演奏、2018年)この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。
ジャンルピアノ独奏と管弦楽のための音楽作品
作曲者ジョージ・ガーシュウィン
アメリカ合衆国
作曲1924年
初演1924年2月12日

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Gershwin:Rhapsody in Blue - Aryo WicaksonoのP独奏、Julie Debordes指揮Queer Urban Orchestraによる演奏。Queer Urban Orchestra公式YouTube。
ポータル クラシック音楽

『ラプソディ・イン・ブルー』(Rhapsody in Blue)は、アメリカ作曲家ジョージ・ガーシュウィンが作曲、ファーディ・グローフェ編曲したピアノ独奏と管弦楽のための音楽作品である。

『ラプソディ・イン・ブルー』というタイトルは「ジャズの語法によるラプソディ」といった程度の意味がある。ラプソディ(狂詩曲)には、「民族音楽風で叙事詩的な、特に形式がなく自由奔放なファンタジー風の楽曲」という意味があるので、このタイトルから、ガーシュウィンはジャズをアメリカにおけるある種の「民族音楽」と捉えていたことが窺える。実際この曲は、アメリカ的な芸術音楽の代表格とみなされている。

元は『アメリカン・ラプソディ』という題名だったが、兄のアイラ・ガーシュウィンが現在の題名を提案して変更した。

アメリカ合衆国の著作権法では1978年以前の出版物の著作権は発表から95年と定められており、『ラプソディー・イン・ブルー』は2020年にパブリック・ドメインに入った[1]

冒頭部
解説

ポール・ホワイトマンの提案を受け、1924年ニューヨークのエオリアンホールで開かれた「新しい音楽の試み」と題されたコンサートに向けて作曲し、そこで初演された(同年2月12日)。

この曲が作られることになった発端は、1924年1月3日、他の仕事で多忙だったガーシュウィンが兄のアイラビリヤード場に息抜きに行った際、新聞で「ホワイトマンがガーシュウィンに曲を発注した」という記事を見つけたことだった。翌日、抗議のためガーシュウィンはホワイトマンに電話をかけるも、実はこの記事はホワイトマンがガーシュウィンを呼びつけるために作った偽記事だったらしく、「新聞記事になってしまったから作ってくれ」とホワイトマンに押し切られた。

カデンツァの部分は、仕事でボストンに向かう際に乗った列車の走行音から着想を得たとされる。

ガーシュウィンは、この曲を約2週間で一気に書き上げた。ただ、当時のガーシュウィンはまだオーケストレーションに精通しているとはいえなかった上に、作曲の期間が限定されているという事情も加わり、代わってファーディ・グローフェがオーケストレーションを行なった。グローフェは当時、ホワイトマン楽団のピアニストであるとともに専属の編曲者を務めていた。ガーシュウィンが2台のピアノを想定しながら作曲し、それを即座にグローフェがオーケストラ用に編曲していき、結局はガーシュウィン自身が弾くピアノと小編成のジャズバンド向けの版が完成された。その後もいくつかの版が作られたが、1926年にグローフェが再編曲したオーケストラ版と、ガーシュウィンの死後の1942年にフランク・キャンベル=ワトソンがグローフェ編曲版に加筆修正を加えた版がよく知られている。その後は主に1942年版が演奏されている。

ピアノ独奏が入るため、一種のピアノ協奏曲風な雰囲気もある。ヨーロッパのクラシック音楽とアメリカのジャズを融合させたシンフォニックジャズとして高く評価された。

初演が行なわれた「新しい音楽の試み(現代音楽の実験)」には、ヤッシャ・ハイフェッツフリッツ・クライスラーセルゲイ・ラフマニノフレオポルド・ストコフスキーゴドフスキーイーゴリ・ストラヴィンスキーらが立ち会ったという[2]

日本においては、1955年9月11日に日比谷公会堂にて、近衛秀麿の指揮、アメリカ人ピアニストのセイモア・バーンスタインにより初演された。その後、小曽根真などジャズピアニストがニューヨーク・フィルハーモニックなどのオーケストラと、アジアを中心に各地で公演したことでさらに広く知られる。

最初はクラリネットの、低音からのグリッサンドで始まる。当初はグリッサンドでなく、17音の上昇音階で記されていたが、ホワイトマン楽団のクラリネット奏者がふざけてグリッサンドで演奏したところ、ガーシュウィンが気に入り書き改められたと伝えられる。曲風はジャズの要素を多く含んでいる。
各稿とその編成

大ヒットしたため複数の版が作成された[3]
1924年オリジナル・ジャズ・バンド稿

前述の通り、ガーシュウィンが2台のピアノ用に作曲したものを、グローフェがジャズ・バンド用にオーケストレーションしている。この版はグローフェがホワイトマン楽団での演奏専用に編曲したものであるため、通常のオーケストレーションから逸脱した編曲がなされている。そのため版権は取得したものの、グローフェの手書きの楽譜のみが残されている。

この稿は1976年に、マイケル・ティルソン・トーマスがガーシュウィンの遺したピアノロール(後述)からオーケストラ・パートを削除しソロ・パート部分のみにしたものをソロに用い、コロンビア・ジャズ・バンドを指揮してレコーディングを行い、その後世界的に知られるようになった。ただし、オリジナル版の録音ではなく、ある程度の改変が行われていたようである。

編成は以下の通りである。Orchestra: woodwinds (5 players): flute, oboe, clarinet in E-flat, clarinet in B-flat, alto clarinet in E-flat, bass clarinet in B-flat, heckelphone, sopranino saxophone in E-flat, soprano saxophone in B-flat, alto saxophone in E-flat, tenor saxophone in B-flat, baritone saxophone in E-flat; brass: 2 horns, 2 trumpets, 2 flugelhorns, euphonium, 3 trombones, tuba; percussion: drums, timpani, trap set; keyboards: 2 pianos, celesta, accordion; strings: banjo, violins and string bassesであった。ショット社から2023年に出版された[4]
1924年2台ピアノ稿


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