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ラティメリア
Latimeria chalumnae
分類
Malania Smith, 1953
種
L. chalumnae
L. menadoensis
ラティメリア (Latimeria ) は、シーラカンス目の、唯一の現生属である。
シーラカンス目は、かつて古代の地質時代に繁栄したが白亜紀末までに絶滅し、当時の化石のみが残る古生物と思われていた。しかし1938年になって、化石と大きく違わない形態で生きている現生種が捕獲され、生きている化石として世界的な話題となった。 模式種 L. chalumnae
種
2種は形態的には大差なく、顕著な違いは体色のみである。L. chalumnae は黒に近い濃紺色、L. menadoensis は茶褐色である。
2005年のDNA分析では、2種の分岐が約4000万年前から3000万年前まで、すなわち古第三紀始新世中期バートニアンから漸新世前期ルペリアンあたりまで遡ることが示唆されている(Inoue et al. 2005)。
2種を同一種と見なす説もある。 1938年12月22日のことである。アフリカ大陸の南端・喜望峰に近い、南アフリカ連邦のイースト・ロンドン市付近のカルムナ川河口沖で、漁船のトロール網に大きくてグロテスクな一匹の魚が入った。 イーストロンドン博物館の学芸員だった[1]マージョリー・コートニー=ラティマーは、魚類の収集を担当しており、かねてから地元の漁師たちに珍しい魚を捕まえたら知らせてくれるよう依頼していた。依頼に従って漁船の船長は彼女に連絡し、ラティマーは漁船が魚を水揚げした辺鄙な漁港に向かい、積み上げられた魚の山からこの魚を見つけだした。それは魚類学者には未知の種で、ラティマーはどの文献に当たってもその魚を同定できなかった。 この魚は学問的に貴重と考えたラティマーは、港で唯一の冷蔵庫の所有者に保管を頼んだが、魚が約1.5メートルと大きく場所ふさぎな上、すでに腐りかけて異臭を放っていたため保管を拒否されてしまった。やむなく、ラティマーは魚の頭部と表皮など一部のみを塩漬け標本にし、また魚の全体を描いたスケッチを作成し、南アフリカ・ロードス大学の生物学教授、ジェームズ・レナード・ブライアリー・スミス
発見
南アフリカ
第一の発見以降、スミス教授はシーラカンスの完全な標本を求め、付近の漁港に手配書を配布し、100ポンドの懸賞金をかけて捜索を行った。現生シーラカンスの分布状況 第二のシーラカンスが捕獲されたのはようやく14年後の1952年12月20日(のちの「シーラカンスの日」)、最初の発見地から3000km近く離れたコモロ諸島のアンジュアン島付近である。昔からコモロではシーラカンスがごくまれに捕獲されていたが、肉がまずいため食用価値がなく、コモロの漁師たちからは「役に立たない」との語義をもつ「ゴンベッサ」の名前で知られていた。一刻も早く現地に到着するため、南アフリカ首相D.F.マランに特別機を仕立ててもらったスミスは、はじめて軟組織も保存されたシーラカンスの標本を得ることができた。しかし今回確保した個体には14年前のものと違って第1背鰭が見当たらなかった。そこでスミスはこれをラティメリア属とは別属と考え、首相に献名して Malania anjounae と名付けた。後に、この標本は事故などにより第1背鰭を失った L. chalumnae であると判明し、コモロ諸島のシーラカンスもまた L. chalumnae であると結論された。 その後現在までに、コモロ諸島周辺で200個体以上が捕獲されているが、南アフリカ沿岸ではほとんど採取されないため、最初の標本はたまたま南アフリカ近海に迷い込んだものと考えられている。1983年には日本の学術調査隊がこれを捕獲し、日本に持ち帰っている。このとき捕獲された個体の一尾(雌)は週刊少年ジャンプの企画で解剖・試食に供された。 L. chalumnae ラティメリア・カルムナエ
コモロ
インドネシア島 (Manado Tua) を訪れていたカリフォルニア大学の生物学教授マーク・アードマン
L. chalumnae
保全状況評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
* ワシントン条約附属書I
分類
科:ラティメリア科 Latimeriidae
属:ラティメリア属 Latimeria
種:L. chalumnae
学名
Latimeria chalumnae Smith, 1939
シノニム
Malania anjounae Smith, 1953
和名
コモロシーラカンス
英名
West Indian Ocean coelacanth
ラティメリア属の模式種。インドネシア産の種と区別するためコモロシーラカンスと呼ぶ研究者もいる。 体長は約1-2m、体重は100kgをゆうに超える。 体全体を硬いコズミン鱗が覆い、体色は黒に近い濃紺である。ただしその色は、死ぬと灰色もしくは茶色に変色する。鱗(うろこ)には淡いピンク色の斑紋があり、その配置パターンは個体によって微細に異なっているため、研究者はこれを個体識別に使用している。 コズミン鱗は denticle (象牙粒、象牙質粒)と呼ばれる歯状の微細な突起物でおおわれていて、鎧(よろい)の一種であるスケイルアーマーさながらの高い防備性がうかがえる。
形態
体格
鱗