ラック・アンド・ピニオン
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ラック・アンド・ピニオン

ラック・アンド・ピニオン(rack and pinion)とは、歯車の一種で、回転力を直線の動きに変換する。ピニオンとよばれる小口径の円形歯車と、平板状の棒に歯切りをした(歯がつけられた)ラックを組み合わせたもの。ピニオンに回転力を加えると、ラックが歯すじ設定された末端まで水平方向に動く。日本ではラック・ピニオンと略されることもある。
自動車での利用

ラック・アンド・ピニオンの典型的な使用例として、自動車におけるステアリング機構でのステアリング・ギア機構がある。ステアリング・ホイールからのシャフト(軸)先端にピニオン・ギアがあり、ラック・ギアは進行方向90度に取り付けられラック両端に個々の車輪の操舵機構が設けられる。ステアリング・ホイールの操作によりピニオン・ギアが回転し、ラックが進行方向左右に水平移動することで車輪に伝達され向きを変える。

ラック・アンド・ピニオン型ステアリング・ギア機構はボール・ナット型と比べ操作力が必要であること、路面からの反動が伝わり易いなどの欠点がある。しかし、バックラッシュが少ないこと、ステアリング操作時の操作感(ステアリング・フィール)が良いこと、構造が簡単で安価なことなどが利点である。

列型噴射ポンプを持つディーゼルエンジンでは、アクセルペダル調速機からの入力を合成して噴射ポンプのラックを押し引きし、ピニオンに相当する外側に歯が切られたプランジャーの外筒(スリーブ)を回転させる仕組みになっている。スリーブは周上に斜めのスリットが入った一種のスリーブバルブで、燃料を加圧するプランジャーがスリットにかかると加圧室と燃料戻り管が連通して燃料が漏れ出すため燃料の圧力が下がり、噴射ノズルのばねの力が燃料の圧力に打ち勝って閉弁して噴射が終わる。ラックによってスリーブを回転させるとプランジャーの有効ストローク(加圧室と燃料戻り管が連通するまでの距離)が変化するため、噴射量の調節ができる。
光学機器での利用

光学機器におけるピント合わせ機構にヘリコイド式と並んでよく使われている。特に望遠鏡や顕微鏡のピント合わせはラック・アンド・ピニオンが主流である。
鉄道での利用

ラック・アンド・ピニオンを利用した鉄道もある。詳細は「ラック式鉄道」を参照
関連項目

ファスナー










歯車
ギアシステム

平歯車

ウォームギヤ

ラック・アンド・ピニオン

ボール・ナット

遊星歯車機構

太陽と惑星歯車(英語版)

波動歯車装置

サイクロ減速機(英語版)

非円形歯車(英語版)

歯車の種類

平歯車

はすば歯車

やまば歯車

かさ歯車

まがりばかさ歯車

ハイポイド・ギア

歯の形状による分類

インボリュート歯車

サイクロイド歯車

歯車機構

トランスミッション

差動装置

歯車形軸継手

ギアトレーン

変速機 (自転車)

無段変速機

歯車各部の名称(英語版)


自転車の場合
コグセット(英語版)(ボスフリー)外装変速機 (Derailleur gears) 内装変速機 (Hub gear) シャフトドライブ式自転車(英語版)(シャフトドライブ)スプロケット
時計の場合
輪列(英語版)
関連

ボールねじ

送りねじ(英語版)

ねじジャッキ(英語版)

ベルト伝動

鎖伝動

歯車の製作(英語版)

オドトノグラフ

オドトノメーター

フリーホイール

ギアオイル

歯車比










自動車部品

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