ラストタンゴ・イン・パリ
Ultimo tango a Parigi
Last Tango in Paris
監督ベルナルド・ベルトルッチ
脚本ベルナルド・ベルトルッチ
フランコ・アルカッリ
『ラストタンゴ・イン・パリ』(伊: Ultimo tango a Parigi、英: Last Tango in Paris)は、1972年のイタリアのドラマ映画。監督はベルナルド・ベルトルッチ、出演はマーロン・ブランドとマリア・シュナイダーなど。ある男女の情熱的な性愛を通じて人間の欲望の本質に迫った、大人のラブストーリーである[3]。 1970年代前半の映画にして大胆な性描写(一般映画として、アナル・セックスの描写がある初の映画と言われる)が世界中に物議を醸し、本国イタリアに至っては公開後4日にして上映禁止処分を受け、日本でも下世話な話題ばかりが先行し、当時の興行成績は芳しくなかった。反対に支持者も多く、ミッキー・ロークはこの映画の大ファンであり『ナインハーフ』を作るきっかけになった。 主演のマーロン・ブランドにとっては辛い映画であり「役者として拷問のような体験だった」と語っており、私生活でも泥沼の裁判劇のあげく敗訴という憂き目に遭った。ヒロイン役のマリア・シュナイダーに至っては波乱万丈の人生を余儀なくされ、この映画に出演した事を「人生最大の痛恨」と語っている[4]。しかし両名の演技の評価は高く、特にブランドの中年男の悲哀感をたっぷりにじませた迫真の演技は圧倒的なものであり、本作でブランドはニューヨーク映画批評家協会賞を受賞している。 当初はドミニク・サンダがヒロイン役として考えられていたが、妊娠のため降板した。映画冒頭ではフランシス・ベーコンの絵画が2点起用されており、主人公達のコスチュームデザインもベーコンの絵画から作られている[5]。 2016年、ベルトルッチが2013年に応じたインタビュー動画が公開され、その中でレイプシーンの撮影はマリア・シュナイダーに告知せず、了承を得ないで行われていたことを明らかにした。ベルトルッチは自身とブランドがシュナイダーに詳細を言わないままレイプシーンを撮影する計画を共謀したと告白、「罪悪感はあるが後悔はない」と述べた[6]。 批判的な反響が巻き起こり、ベルトルッチは12月5日に声明を発表。脚本に強姦場面が含まれていることはシュナイダーも事前に知っていて、知らせなかったのはバターを使うという点だけだったと説明し、実際の性行為はなかったと反論した[7]。 パリ・パッシーのアパルトマンの空室でうらぶれた中年男(マーロン・ブランド)とブルジョア系の若い娘ジャンヌ(マリア・シュナイダー)は単に部屋を探していた身であったが、間違って掛かってきた電話の男に刺激され、男はジャンヌを犯す。ジャンヌにはTVディレクターのトム(ジャン=ピエール・レオー)というれっきとした恋人が居たものの、アパートで会う時は互いにただのオス・メスとして行為に耽る。やがて、実は男の妻が最近自殺したばかりだという暗い過去が明らかに。男はジャンヌを牝の肉玩と見なしていたが、次第に2人の立場が逆転していき男が中年の哀れで醜い姿を晒した時、二人の間の肉欲の関係は終わりを告げる。 『ラスト・タンゴ・イン・パリ』
概要
ストーリー
キャスト
ポール: マーロン・ブランド - アメリカ人の中年男性。ホテルのオーナー。
ジャンヌ: マリア・シュナイダー - 若いパリジェンヌ。
トム: ジャン=ピエール・レオ - ジャンヌの婚約者。TVディレクター。
ローザ: ヴェロニカ・ラザール
ローザの母: マリア・ミーキ(イタリア語版)
マルセル: マッシモ・ジロッティ - ローザの元愛人。
カトリーヌ: カトリーヌ・アレグレ(フランス語版) - ポールとローザのホテルのメイド。
ムシェット: カトリーヌ・ブレイヤ - 婦人服の仕立屋。
サウンドトラック
ガトー・バルビエリ の サウンドトラック
リリース1973年
録音1972年11月20-25日
Rome
ジャンルFilm Score
レーベルUnited Artists
UA-LA-045-F
プロデュースAlberto Grimaldi
チャート最高順位
Billboard: The Billboard 200 #166 (1973)[8]
ガトー・バルビエリ アルバム 年表
Under Fire
(1971)Last Tango in Paris
(1972)Bolivia
(1973)
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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
Allmusic[9]
ガトー・バルビエリが作曲、オリヴァー・ネルソンが編曲・指揮を担当した。1972年に録音、翌1973年にユナイテッド・アーティスツからリリース[10][11]。