『ラストエンペラー』
坂本龍一、デヴィッド・バーン、コン・スー の サウンドトラック
リリース1988年1月21日
ジャンルサウンドトラック
時間50分17秒
レーベルヴァージン・レコード
専門評論家によるレビュー
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Sounds from True Stories
(1986年)ラストエンペラー
(1987年)Rei Momo
(1989年)
坂本龍一 年表
ネオ・ジオ
(1987年) ラストエンペラー
(1987年) ビューティ
(1989年)
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『ラストエンペラー』とは、1988年1月21日に発表された映画『ラストエンペラー』のオリジナルサウンドトラックである。
解説
作曲は坂本龍一、トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーン、中国人作曲家の蘇聡(スー・ツォン)。当初は、坂本とバーンのコラボレーションで制作される予定だったが、両者のスケジュールが合わなかった。それぞれが作った楽曲には音楽的な関連性は無いが、発売当時のレコードA面に坂本、B面にバーンが割り振られ、坂本が静・暗、バーンが動・明という構成になっている。
編曲は上野耕路と野見祐二、フェアライト・プログラミングにハンス・ジマー、指揮はギャヴィン・ライトが行っている。
本作品でアカデミー賞作曲賞(坂本は日本人として初の受賞者)、英国アカデミー賞、ロサンジェルス映画批評家協会賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞映画・テレビ音楽賞を受賞した。
坂本はこれを機に「世界の坂本」と認められ、活動の拠点をアメリカ・ニューヨークに移すこととなった。
監督のベルナルド・ベルトルッチは頻繁に編集するため、演奏時間が変更されることが多々あった。当時はコンピュータで再計算できない時代だったため、坂本が電卓片手に演奏時間を割り出していた。
当初坂本はオーケストラではなくシンセサイザーで演奏したかったが、自分のシンセサイザーを東京からロンドンに持って行って、監督の前で演奏を披露したところ「演奏者の衣ずれの音はどこなんだ?」「椅子のきしむ音は?」と指摘され却下された[1]。
満洲国皇帝の戴冠式パーティで演奏された曲(本アルバムではなく『プレイング・ジ・オーケストラ』に収録)は、撮影中に監督から急遽依頼を受けた坂本が中国現地で作曲。ピアノがない場所であったが、監督からは「あなたは作曲家だから紙と鉛筆があればできるだろう」と言われ、結局引き受けた。録音は、坂本が演じた甘粕正彦が作ったとされるホールで行われ、坂本は「縁を感じる」と語っている。
収録曲
戴冠式 First Coronation
作曲:坂本龍一
オープン・ザ・ドア Open the Door
作曲:坂本龍一
ホエア・イズ・アーモ Where Is Armo?
作曲:坂本龍一
ピッキング・アップ・ブライズ Picking Up Brides
作曲:坂本龍一
ラストエンペラー テーマ・バリエーション1 The Last Emperor - Theme Variation 1
作曲:坂本龍一
レイン Rain (I Want a Divorce)
作曲:坂本龍一
溥儀との別れを決意した第二皇妃がドアに置手紙を差し込んで、階段を走り降り、雨の降る中を歩いて去るシーンで流れる。この曲で、映画を試写したイタリア人スタッフらが「ペルフェ(最高)!」と熱狂、ベルトルッチ監督も一番好きな曲とのこと。後に坂本のアルバム『プレイング・ジ・オーケストラ』でフルオーケストラ、『1996』でトリオ編成、『/04』でピアノ四重奏によるセルフカバーを行っている。
ベイビー The Baby (Was Born Dead)
作曲:坂本龍一
ラストエンペラー テーマ・バリエーション2 The Last Emperor - Theme Variation 2
作曲:坂本龍一