ラクトリス科
1. ラクトリス・フェルナンデジアナ
分類
ラクトリス科(ラクトリスか) (学名: Lactoridaceae) は、被子植物の科の1つである。1属1種、ラクトリス・フェルナンデジアナ (Lactoris fernandeziana) のみを含む。2022年現在では、コショウ目ウマノスズクサ科に含めることも多い。
ラクトリス・フェルナンデジアナは低木であり、倒卵形の葉が互生し、3花被片をもつ緑色の小さな花が葉腋につく (図1)。チリのファン・フェルナンデス諸島のみに分布しており、現地では「falsa pimienta(ニセのコショウ)」とよばれる[2]。 高さ0.2から1メートル (m) ほどの低木であり、精油を含む[2][3][4]。維管束形成層による二次成長を行う[3]。道管は細く、隔壁は直角、単穿孔をもつ[3]。節は単葉隙、2葉跡
特徴
花期は11月から1月[4]。不完全雌雄異株(両性花を含む雌雄異株)[2][3][5]。花は緑色、2.5ミリメートルほどと小さく、単生または集散花序を形成し、腋生し、小苞を欠く[3][5](上図2A)。花被片は3枚、離性、1脈をもち、1輪、瓦重ね状[3][5](上図2C, D)。雄しべは6個、3個ずつ2輪、離性、花糸はやや葉状、ときに全てまたは内側3個が仮雄しべとなる[2][3][5](上図2C, D)。葯は沿着、外向、縦裂開し、葯隔がやや突出する[3]。花粉は単溝粒であり、四集粒として放出される[3][5](上図2F)。3心皮が1輪につき、基本的に離生するが、基部で合着、子房上位、柱頭は花柱に沿下する[2][3][5](上図2C, D)。子房は3室、縁辺胎座[注 1](上図2G, H, J)、1心皮に(4?)6(?8)個の倒生胚珠、珠柄が長く、2珠皮性[3][5](上図2K)。胚乳形成は遊離核型[3][5]。
果実は乾性であり、裂開する袋果であるが、各子房が二次的に合着した集合果となる[3]。種子は油質の内胚乳を含み、胚は分化しているが非常に小さい[3]。