ラオダメイア
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 ベレロポーンの系図 (『イーリアス』6巻より)

 シーシュポス 

       

 グラウコス   イオバテース

            

 ベレロポーン   欠名
    
                    
           
 イーサンドロス ヒッポロコス ラーオダメイア ゼウス 
  
                 

     グラウコス   サルペードーン 

     

ラーオダメイア(古希: Λαοδ?μεια, L?odameia, ラテン語: Laodamia)は、ギリシア神話の女性である。ラテン語ではラオダミーア。長母音を省略してラオダメイア、ラオダミアとも表記される。同名の女性が複数おり、

ベレロポーンの娘

アカストスの娘

のほか数人の女性が知られている。以下に説明する。
ベレロポーンの娘

このラーオダメイアは、ホメーロス叙事詩イーリアス』によると、リュキアイオバテースの娘ピロノエーと英雄ベレロポーンの娘で、イーサンドロス、ヒッポロコスと兄弟[1]。ホメーロスは母親の名前を言及していないが、アポロドーロスはピロノエーとしている[2]

ゼウスに愛されて、サルペードーンの母になったが、後に女神アルテミスの怒りを買って射殺されたという[1]突然死したという意味[3])。ただしラーオダメイアの夫をクサントスとする説もある[4]。サルペードーンはヒッポロコスの子グラウコスとともに、トロイア戦争でリュキア人を率いてギリシア人と戦った[5][6][7][8]

これに対してサルペードーンはゼウスとエウローペーの息子であり、ミーノースラダマンテュスと兄弟とする説もよく知られている[9][10][11][12][13][14]

シケリアのディオドーロスは、ベレロポーンの娘はデーイダメイアという名前で、ゼウスとエウローペーの子サルペードーンの息子エウアンドロスとの間に、トロイア戦争で戦ったサルペードーンを生んだと述べている[15]
アカストスの娘

このラーオダメイアは、イオールコス王アカストスと[16][17][18][19][20]アステュダメイアの娘で、ステロペーと姉妹[21]イーピクロスの子プローテシラーオスの妻[22][23][24][16][17][18][20]

ラーオダメイアは非常に貞淑な女性として知られる[20]。彼女はプローテシラーオスと結婚したが、結婚後わずか1日で夫はトロイア戦争に出兵することになり、そして早々に戦死してしまった[25]。一説によるとこの死の原因は、新居の建設に際し、神々に犠牲を供えることを怠ったためであるという[26]

ラーオダメイアは夫が死んだと聞いても忘れることが出来ず、夫にそっくりな像を作って交わった。憐れに思った神々はヘルメースに命じてプローテシラーオスを冥府から連れ戻してやった。ラーオダメイアは夫がトロイアから無事生還したと思って喜んだが、冥府に戻されたとき絶望して自ら死んだ[22]

またラーオダメイアは夫の訃報を聞いたとき、神々に願って3時間だけ夫と話をすることを許されたともいわれる。しかし3時間がたつと夫は再び冥府に戻された。ラーオダメイアは悲しみに耐えられず[16][17]、夫にそっくりな青銅の像を作って自室に運び、神々の祭祀に見せかけて供物を供えながら、密かに像を抱きしめたり、キスしたりしていた。しかしその様子を使用人に見られ、人々を偽っていたことが露見し、父アカストスは娘のためを思って青銅の像を燃やしたが、ラーオダメイアはその火に飛び込んで焼け死んだという[17]

オウィディウスは、ラーオダメイアはまだ遠征軍がアウリスに停泊している頃に[27]、寂しさに耐えられずに蝋で夫の像を作ったとしている[28]

死後については、ウェルギリウスは叙事詩『アエネーイス』の中で、ラーオダメイアが悲恋のために死後も冥府で苦しんでいると歌っている[29]ピロストラトスもラーオダメイアが冥府にいるとしているが、英雄霊となったプローテシラーオスがしばしば冥府を訪れるため、今でも新婚当初のように仲睦まじく暮らしていると述べている[23]
系図

          ヘレーン オルセーイス   
  
                      

            アイオロス エナレテー 
  
                                           
                                              


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