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を参照してください。(2011年7月)ライ麦パン(ライむぎパン、英: rye bread)は、ライムギから作ったパンである。「ライ」(rye)から作った「パン」なので「ライパン」とも呼ばれ、また、通常作られるパン(小麦から作ったパン)より黒いので黒パンともいう。ライ麦パン(黒パン)は、ドイツ、オーストリア、ロシア、東欧、北欧などで、多く食べられている。
寒さに強いライムギはヨーロッパ大陸北部に居住しているゲルマン人、スラヴ人の間では重要な主食である。また七王国を建国したことで知られるゲルマン系のアングロ・サクソン人もグレートブリテン島にライ麦パンを持ち込んだ。
ライ麦パンと黒パンは同義ではない。黒くなる理由は全粒粉や、皮や胚芽を含む精製度の低い粉を使用するためである。そのため精製度の高い粉を使うあまり黒くないライ麦パンもある。しかし全粒粉や精製度の低い粉を使用すると、栄養価が高く、麦の旨みを味わえるパンができる。また、全てライ麦ではなく、小麦や燕麦を混ぜたライ麦パンもある。小麦を混ぜたライ麦パン(ライ麦を混ぜた小麦パンともいえる)は色が薄く柔らかくなる。この混ぜる割合により様々なライ麦パンの種類がある。
ドイツにおけるライ麦パンの定義フォルコルンブロートの一種
ドイツパンの場合、ライ麦の配合率で呼び方が決まっている。小麦はヴァイツェン(独: Weizen)、ライ麦はロッゲン(独: Roggen)、混ぜるはミッシュ(misch)、パンはブロート(Brot)なので、「小麦またはライ麦(WeizenまたはRoggen)」+(「混ぜる」(misch)+)「パン(Brot)」という表記方法になる。ドイツで定められている名称は、以下の通りとなる[1]。
ライ麦の割合小麦の割合名前
10%未満90%以上ヴァイツェンブロートまたはヴァイスブロート(Weizenbrot oder Weisbrot)
10%以上50%未満50%以上90%未満ヴァイツェンミッシュブロート(Weizenmischbrot)
50%以上90%未満10%以上50%未満ロッゲンミッシュブロート(Roggenmischbrot)
90%以上10%未満ロッゲンブロート(Roggenbrot)
「ドイツ食品便覧(Deutsches Lebensmittelbuch:ドイチェス・レーベンスミッテルブーフ)」の「大型と小型パンの指導原則(Leitsatze fur Brot und Kleingeback:ライトゼッツェ・フュァ・ブロート・ウント・クラインゲベック)」に収録されるライ麦を用いたパンには、このほか次のようなものが挙げられている[1]。 ライ麦パンは、小麦から作る一般的な白いパンと比べて食感が硬いため、「ハードパン」(対して、中間の硬さのパンは「セミハードパン」、柔らかいパンは「ソフトパン」)の一種に分類される。 小麦から作るパンでは発酵にイースト菌がよく使われるが、ライ麦パンでは主にイースト菌ではなくサワードウが使われる。そのため生地に酸味がある。 ライ麦にはパンの発酵膨張に不可欠なグルテンが含まれておらず[2]膨らみにくいので、硬くて密度が高い、目の詰まったパンになる。麦の濃厚な旨みを味わえ、噛みごたえや食べごたえがあり、咀嚼回数が増え、腹持ちがいい。 ライ麦パンはビタミンB類を始め、ミネラルや食物繊維が多く栄養価が高い。また、小麦のパンより糖類が少ないために、食後の血糖値が緩やかに上昇する特徴を持つ「低GI食品」である。 長らく欧米では食感が硬いライ麦パン・黒パンは低級で、口当たりの良い小麦の白パンが高級という価値観が存在した。近年では健康志向から栄養豊富・低GIなライ麦パン・黒パンが見直されており[3]、日本における麦飯と米飯の関係に似ている。 硬いので薄切りにしてバターやラードやシュマルツやサワークリームなどを塗って食べる。
ロッゲンフォルコルンブロート(Roggenvollkornbrot)
少なくともライ麦全粒粉を90%使用し、添加する酸の2/3以上はサワー種(Sauerteig:ザウアータイク)に由来するものを使用したライ麦パン。
フォルコルンブロート(Vollkornbrot)
ライ麦全粒製品と小麦全粒製品を任意の比率で合わせたものを少なくとも90%使用し、添加する酸の2/3以上はサワー種に由来するものを使用したライ麦パン。
ロッゲンヴァイツェンフォルコルンブロート(Roggenweizenvollkornbrot)
50%以上のライ麦全粒粉を使用したライ麦パン。
ロッゲンシュロートブロート(Roggenschrotbrot)
90%以上の粗挽きライ麦粉を使用したライ麦パン。
シュロートブロート(Schrotbrot)
粗挽きのライ麦粉と粗挽きの小麦粉を任意の比率で合わせた粉を90%以上使用するライ麦パン。
プンパーニッケル(Pumpernickel)
粗挽きライ麦粉とライ麦全粒粉を90%以上使用し、添加する酸の2/3以上はサワー種に由来するものを使用し、焼成に16時間以上の時間をかけるライ麦パン。
食感と栄養
食べ方