ライン川
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ライン川
スイスの都市バーゼルの近くにあるライン川。
延長1,233 km
平均流量2,300 m³/s
流域面積185,000 km²
水源スイス・ヒンターライン
水源の標高1,602 m
河口・合流先北海
流域 スイス
リヒテンシュタイン
 オーストリア
ドイツ
フランス
オランダ
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ライン川の流域地図

ライン川(ラインがわ、: Rhein、: Rhine、アレマン語: Rhy、バイエルン・オーストリア語: Rhein、: Rijn、: Rhin、: Rhenus)は、ヨーロッパを流れる川である。今日のドイツ語表記 Rheinは、古高ドイツ語中高ドイツ語の Rin、更にそれ以前の言語の*Reinosに遡り、「河川」を意味したと思われる[1]スイスアルプストーマ湖に端を発し、ボーデン湖に入りドイツフランスの国境を北に向かい、ストラスブールを越えて、デュースブルクなどを通過しオランダ国内へと入ったあと2分岐し、ワール川レク川となりロッテルダム付近で北海に注いでいる。

全長1,233キロメートル。そのうちドイツを流れるのは698キロメートルである。ドイツにとっては特に重要な川であり、ライン流域を主軸のひとつとしてドイツ史は展開していった。また、ドイツ語名詞には男性名詞、女性名詞、中性名詞があるが、河川のほとんどはドナウ川エルベ川モーゼル川など女性名詞であるのに対し、ライン川、マイン川ネッカー川などごく少数の川だけは男性形であらわされる。そのこともあって、ドイツ人はこの川を「父なる川」と呼んでいる。ドナウ川とともに、外国の船が自由に航行する国際河川の一つ。

下流地域は川幅が広く流れが穏やかなため、水運が盛んである。バーゼルから河口までのライン川流域圏はブルーバナナ(「太平洋ベルト」の西欧版)の一部を成す。また、産業革命の中心地のひとつとなったルール工業地帯もライン川とルール川に挟まれる形で位置しており、その充実した内陸水路と豊富な地下資源によって発達した。
地理

ライン川は、源流域、アルペンライン、ボーデン湖、高ライン、上ライン、中ライン、下ラインといったいくつかの地域に分けられる。
源流域?高ライントーマ湖

トーマ湖から流れ出るライン源流はフォルデルライン(前方ライン)と呼ばれ、70キロメートル下流のライヘナウで、南のラインヴァルトホルン山から流れてくるもう一つの源流、ヒンターライン(後方ライン)と合流する。ここまでがライン川の源流域といえる。トーマ湖からライヘナウまでの70キロメートルで標高差は1,700メートルあり、ここまでの流れは非常に激しい。ここまでは全域がスイスのグラウビュンデン州に属する。

ライヘナウで合流してからはラインはほぼ北に流れ、グラウビュンデン州の州都・クールあたりで北へと向きを変える。クールからはザンクト・ガレン州とグラウビュンデン州の州境をなしながらバート・ラガッツを通り、やがて東岸はリヒテンシュタイン公国となる。リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを抜け、オーストリア領フォアアールベルク州とスイス領ザンクト・ガレン州の国境を一部なした後、ボーデン湖へと流れ込む。ここまでのラインをアルペンラインと称する。

ボーデン湖は、広い上湖と小さな下湖に二つに分かれている。上湖は東をオーストリアのフォアアールベルク州、北をドイツのバイエルン州バーデン・ヴュルテンベルク州、南をスイスのザンクト・ガレン州トゥールガウ州に囲まれている。湖畔にはドイツ領のフリードリヒスハーフェンやリンダウ、オーストリア領のブレゲンツといった都市が点在する。上湖の西端にはドイツ領のコンスタンツ市があり、ここで細い水路となって西へと流れだし、まもなく下湖へと流れ込む。コンスタンツは水路の南岸にあり、この地域だけドイツ領がライン南岸へと張り出す格好となっている。ライン滝

いったんボーデン湖に流れ込んだライン川は下湖西端のシュタインから流れ出し、バーゼルへと向かう。バーゼルまでの区間を高ラインという。この区間のほとんどは北岸がドイツ領のバーデン・ヴュルテンベルク州に属し、南のスイスは上流からトゥールガウ州チューリヒ州アールガウ州、バーゼル農村州に属し、ほとんど両国間の国境をなすが、スイスのシャフハウゼン州だけはラインの北岸に位置し、スイスが北岸に大きく食い込んでいる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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