ラインの監視
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ラインの監視
Watch on the Rhine
監督ハーマン・シュムリン

脚本ダシール・ハメット
原作リリアン・ヘルマン
製作ハル・B・ウォリス
出演者ベティ・デイヴィス
ポール・ルーカス
音楽マックス・スタイナー
撮影メリット・B・ガースタッド
ハル・モーア
編集ルディ・ファー
配給ワーナー・ブラザース
公開 1943年8月27日
1946年3月28日
上映時間114分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
ドイツ語
製作費1,099,000ドル[1]
配給収入2,149,000ドル(北米)
1,243,000ドル(海外)[1]
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『ラインの監視』(ラインのかんし、原題: 英語: Watch on the Rhine)は、1943年に製作・公開されたアメリカ映画である。(撮影は1942年
概要

1941年ニューヨークで初演された、反ナチス運動を題材としたリリアン・ヘルマン戯曲の映画化であり、初演の演出を務めたハーマン・シュムリンが監督、ベティ・デイヴィスポール・ルーカス(初演オリジナルキャスト)が主演した。
あらすじ

1940年4月初旬、ひと組の家族がメキシコからアメリカへ入国した。ドイツ人エンジニアのクルト・ミュラー(ポール・ルーカス)、その妻のサラ(ベティ・デイヴィス)、3人の子供(長男ジョシュア、長女ベネット、次男ボドー)の5人である。

サラの実家はワシントンD.C.にある名家で、亡くなった父ジョシュア・ファレリーは最高裁判事を務め、未亡人のファニーは息子のデイヴィッドと多くの使用人を抱えて広大な屋敷に暮らしていた。

サラたちが来る少し前から、その屋敷には欧州から戦火を逃れて居候となっていたふたりの人物がいた。ルーマニアの貴族ブランコヴィス伯爵(テック)とその妻マーサ(ジェラルディン・フィッツジェラルド)である。資産をほとんど失ってしまった伯爵は、ドイツ大使館に入り浸って賭博で生計を立て直すことを考えている自堕落な男であり、デイヴィッドと幼馴染同士であるマーサは愛想を尽かして、離婚と、デイヴィッドとの再婚を考えていた。

18年ぶりに家族と再会したサラたちに、クルトは昔話を語り、その過去に反ファシスト的な疑惑を感じた伯爵は、ワシントン見物に出かけた留守に、鍵がかかっていたクルトのかばんをこじあけ、23000ドルという大金と拳銃、それにMFの字が刻まれた勲章を見出す。この頭文字は、レジスタンスの大物であるマックス・フライダイクと関係あるのでは、と判断した伯爵は、ドイツ大使館にいるナチス協力者ブレカーに報告に行く。

ファニーとデイヴィッドに、クルトは自分はレジスタンスのメンバーであると真相を語り、大使館から戻った伯爵は、フライダイクは強制収容所に入れられているので、助けたいと思ったら1万ドルと引き換えにクルトの身元を明かさない、と語る。ファニーは自分たちがその金を出す、と提案し、それに対してクルトは異議をとなえ、伯爵を銃殺する。

その屋敷からひとり立ち去ることにしたクルトは、家族たちに別れを告げ、同志フライダイクを助けるため欧州に戻る。ファニーは、モクレンの季節は終わった、と、つぶやく。

その年の冬、クルトの長男ジョシュアは、父親のたどったであろうシュトットガルトへの道を地図でなぞり、母親に、自分も父と同じ生き方を選びたいと語る。サラはジョシュアを抱きしめて涙を流す。
日本公開

1946年(昭和21年)3月23日、終戦間もない日本で公開。連合国軍最高司令官総司令部により戦後の日本民主化工作の一環として上映が進められた[2]
キャスト

サラ・ミュラー:
ベティ・デイヴィス

クルト・ミュラー(サラの夫):ポール・ルーカス

マーサ:ジェラルディン・フィッツジェラルド

ファニー(サラの母):ルシル・ワトソン

スタッフ

監督:ハーマン・シュムリン

製作:
ハル・B・ウォリス

脚色:ダシール・ハメット

音楽:マックス・スタイナー

音楽監督:レオ・F・フォーブスタイン

撮影:メリット・B・ガースタッド、ハル・モーア

編集:ルディ・ファー

美術:カール・ジュールス・ウェイル

装置:ジュリア・ヘロン

衣裳:オリー=ケリー

映画賞受賞・ノミネーション

賞部門候補者結果
アカデミー賞[3]作品賞ワーナー・ブラザースノミネート
主演男優賞ポール・ルーカス受賞
助演女優賞ルシル・ワトソンノミネート
脚色賞ダシール・ハメットノミネート
ニューヨーク映画批評家協会賞[4]主演男優賞ポール・ルーカス受賞
ゴールデングローブ賞[5]主演男優賞 (ドラマ部門)ポール・ルーカス受賞

参考文献^ a b Warner Bros financial information in The William Shaefer Ledger. See Appendix 1, Historical Journal of Film, Radio and Television, (1995) 15:sup1, 1-31 p 24 DOI: 10.1080/01439689508604551
^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、14-15頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 9784309225043。 
^ “ ⇒The 16th Academy Awards (1944) Nominees and Winners”. 映画芸術科学アカデミー. 2012年1月2日閲覧。
^ “ ⇒Awards - New York Film Critics Circle - NYFCC”. ニューヨーク映画批評家協会. 2012年1月2日閲覧。
^ “ ⇒The 1st Annual Golden Globe Awards (1944)”. ハリウッド外国人映画記者協会. 2012年1月2日閲覧。

外部リンク

ラインの監視
- allcinema

ラインの監視 - KINENOTE

Watch on the Rhine - オールムービー(英語)


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